第36話 勉強用の施設

 マーリンとティアが試練の塔から帰って来た所でエリックは次の施設の説明に入った


 「お帰り~どうだった?」(マーリン達なら初見で十階位は行って欲しいけどな~)


 「…まぁ八階で帰って来たわ…」

 「…ごめんなさいマーリンさん…私が原因で帰還する事に成って…」落ち込むティア

 「ティアの所為では無いから落ち込まないで?」

 「?何が有ったのさ~」(ティアが原因で帰還?何だろう…)

 「…実はですね…マーリンさんはまだ先に行こうとしていたのですが…私が一度帰還した方が良いとマーリンさんを説得しまして…マーリンさんは怠慢の魔王さんに勝ちたかったみたいなんですが…」


 「…あ~また駄目だったの~何が悪いのか…??あ!?エリック?何かコツとか無いのか?」


 怠慢の魔王がまた戻って来てエリックにコツを聞いて来た


 「取り敢えずマーリンとティアは後で話すとして~怠慢?コツなら丁度良い施設が在るぞ?」

 「本当か?」

 「あぁ、隣の施設なんだけどな?入るとナビがその人に合わせて必要な勉強を教えてくれるのさ~」

 「…凄くね?てか出来るの?そんな事…」

 「まぁ百聞は一見にと言うし~良いから入ってみなよ(笑)ちなみに飯も食えるぞ?」

 「?!飯!!なら騙されたと思って行ってくる」

 「いってらっしゃい~…さてと邪魔物は居なくなったし、話の続きと行きますか?」


 「まぁ難しい話では無いのよ?簡単に言うとね?この世界って出逢いが無いでしょ?それをティアが気にしていてね?まぁ言われれば私も気になったし…」

 「はぃ…中では時間が速いのですよね?」

 「まぁ一秒が一日だからね~かなり時間は速いぞ?」

 「…つまり、中での修行は速く歳を取るって事ですよね?」

 「まぁ…そうだな…そこまで気にするような歳でも無いと思うけど…」

 「気にします!!気が付いたらお婆さんに成ってしまいます!!そしたら結婚なんて出来ないです!そうなったらどうするのですか?」声を荒げるティア

 「まぁそうね~もしお婆さんに成ってもエリックさんが?引き取ってくれるのなら?私は良いと思うのだけれど…そこはどうですか?エリックさん?」


 「…マーリンまで…そうだな~もしお婆さんに成っても俺は最後まで一緒に居るよ?それで良いかい?」

 「…一生涯ですか?」

 「…そこは大事ですよ?」

 「まったく~当たり前だろ?今後一生一緒に居るよ(笑)」

 「「言質取った!!」」喜ぶ二人に困惑するエリック

 「どうした?まさかその為だけに帰って来たの??」

 「まぁ、それも有りますが~」

 「厳密には違うのよ?まぁ言葉として欲しかったのは当然として、問題は…」

 「…問題は?何か有るのか?まぁ俺に出来る事なら何でも言ってくれよ?」


 「……では、…エリックさんにお願いが有りまして…」

 「あ!エリック?怠慢のやつは何処に行ったか解るか?確かエリックの所に行ってくるって言ってたんだけどよ?」「ちょっと~絶対に今は間に入ったら駄目なタイミングですよ~」話の腰を折られたマーリンは少し苛つきながら魔王達の対応した


 「…まぁ大事な部分は終わりましたし…良いとしましょうか…で、怠慢のならエリックさんが創った施設の体験をしていますよ」


 「…すいません~私は止めたのですが…」

 「良いのですよ~少なくとも私は怒ってないですよ?(笑)」笑いながら答えるティア

 「もぅ、まるで私だけが機嫌が悪くなったみたいに~」ティアの事を軽く責めるマーリン

 「まぁ、気になるなら二人も行ってみるか?ほら、タグとナビを渡すからさ~この魔道具を付けたら施設を使える様になるからさ、好きな方から試してみなよ」魔道具を渡すエリック

 「へ~試してみるかな~」

 「オススメは勉強用の施設です」城を指差すマーリン

 「?あの城みたいなやつか?てかなんだこれ?いつの間に創ったんだ??」

 「今更ですね~私は気になって仕方がなかったのに~ではでは、あの城みたいな所へ行けば良いのですね?ほら~行きますよ~」 

 「いってらっしゃい~まぁ解らない事はナビに聞いてくれよな~」

 「了解!行ってみるわ~」勉強用の施設に向かう二人の魔王


 「…では、先程の続きを良いですか?」

 「そうだな、どうした?お願いって言ってたな、まぁ大概のお願いなら俺に出来る範囲で叶えるぞ?」(何の話だろ?お願い?何か有ったかな~?)

 「…では…私達はエリックさんの持っている?霊薬が欲しいのです…」

 「…お願いします」頭を下げるマーリン達

 「??霊薬??何の話し?」(そんな薬なんて有ったかな~?)

 「…セバスさんが飲んだやつです…」

 「!?誰に聞いたのさ??俺はそんな話し誰にもしてないし…セバスも無闇にはしないだろ?」

 「それは…まぁ推測から始まったのですが…セバスさんの歳や周りの関係…何時までも若いエリックさん…エリックさんが研究している錬金術の内容…不死になる為の研究ですよね?」

 「…半分は正解だね~(笑)まぁ内緒にするほどの事でも無いけどね~俺の研究課題が不老不死だったのだけど…失敗?未完成?まぁ途中で諦めたのさ…結果的に出来たのが中途半端な薬で~霊薬と名乗れる代物ではないよ(笑)」

 「…そうなのですか?」

 「まぁね~結局不死には出来なかったし…人は死ぬから人なんだと解っただけの研究だったかな~」(……結局救えなかったしね……)

 「…では、その未完成の薬の効果は何なのですか?私達の見当違いでしたか?」

 「うん?まぁ半分は正解だよ?…ほら、これが二人が気にしてる薬だよ?飲む覚悟が有るならあげるよ?」薬を手渡すエリック

 「…これが…その薬…覚悟とは?」

 「不死には成れないけど不老にはなるから周りとの決別をしないとね?自分と周りの時間が感覚として変わるから仕方がないのさ…あとは~細胞の再生を魔力が代わりに行うように成るから魔力が切れると老化が進む…気にするのはそれくらいかな?まぁ不老でも死ぬ事は出来るからそこまでの覚悟は要らないのかな?てもう飲んだの!?」

 「?デメリットが特に無かったのでつい…駄目でしたか?」

 「…意外に美味しかったです(笑)」

 「まぁ味も大事だと思うからね~じゃなくて大丈夫なの??詳しく聞かなくて良かったの??人生が掛かった話なのに…」

 「まぁ特には気にならなかったので…そうですね~強いて聞くならば魔力が切れたら急速に歳を取るのですか?それによっては戦い方を気にしなくてはですし…」

 「いやいや、そんなまさか~魔力が完全に無くなったらなんだけど~少しでも魔力が回復するまでは普通に歳を取る位だから基本は変化無いよ?」

 「……デメリットって特に無いのでは??」

 「…そうですよね…私もそう思います…デメリットとは??」

 「まぁ色々有るのよ?友達とか色々面倒臭い事になるし…俺も認識阻害を普段使っていたし…」

 「??なら私達は関係ないですね(笑)エリックさんが居れば問題ないです、今後もよろしくお願いしますね?」

 「私もお願いしますね?長いこれからの人生を末長く(笑)」

 「…は~解ったよ、この流れの為の言質か~まぁ男に二言は無いよ(笑)これからもよろしくね?」


 

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