第31話 錬金術師と魔女と聖女

 ~~ティア視点~~


 (……何でしょう…いい匂いです~??また走馬灯?もしくは天国?目を開けますか…)

 「…此処は?知らない部屋ですね~!?エリックさん?」

 「うん?そうだよ?目が覚めたのかい?おはよう~」軽い感じで挨拶するエリック

 「はい、おはようございます~じゃなくて!どうしてエリックさんが?まさか!!エリックさんも死んでしまったのですか?…そんな…ならマーリンさんは…」(無駄足に成ったのですか…もしくは…すでに…)

 「死んだ?何言ってる?と言うよりもマーリン?マーリンなら今来たぞ?多分後で来るんじゃないか?」良く解らないながらも解る単語に反応したエリック

 「!?そんな…では…私が…結果的に殺したのですか?そんな…「ちょっとエリック!?何なのよ畑の魔道具は、あと外との差が酷すぎ!!どうなってるの?」…マーリンさん」話の途中で小屋に入って来たマーリンはエリックに詰め寄った

 「あら?起きたの?おはよう、良く眠れたかしら?」何事も無かったかのように普通に挨拶するマーリン

 「マーリンさん!!ごめんなさい!私が…私が封印門に落としたばかりに…」泣きながら謝るティア

 「あら?謝らなくて良いわよ~結果的にエリックさんに逢えたしね?(笑)」笑いながら答えるマーリン

 「…ですが!私が殺してしまった…まさか門の中がマーリンさんでも耐えられない程の環境だったなんて…」(マーリンさんでも耐えられない…人類には早かったのですか…)

 「うん?まぁ良いじゃない(笑)これからは三人一緒よ?」会話に違和感を感じながらも笑うマーリン

 「まぁそうだな、此処に来たからには時間はいっぱい在るぞ?何から始めようかね~(笑)」

 「…そうですね…切り替えますね?ちなみに此処は天国ですか?地獄ですか?」涙を拭きながら確認するティア

 「うん?そうだな~強いて言うなら地獄かな?」

 「そうね~周りは地獄よね~ただ、この辺は天国よね~(笑)」

 「??まぁそうですよね、エリックさんが居れば地獄も天国ですよね(笑)」(では、私達は地獄に落ちたのですか~まぁ死後の世界が在るのは驚きですがエリックさん達が一緒なら何処でも良いですね(笑))



 ~~エリック視点~~

 (何だろう…会話に違和感が?死後の~だとか私が殺して~だとか…もしかして?自分が死んだと思ってる??そう言えばどうやって此方に来たんだ?)

 「まぁ色々と思う事も有るだろうけど~情報交換をしようか?」(まぁ甘い食べ物を食べながらゆっくり話を聞きますか~)ストレージから林檎とお皿を出したエリック

 「りんごですか!?やった~私りんご好きです~」

 「そうね~私も気になる所が有るからゆっくり話をしましょうか?」椅子に座りながらティアを見詰めるマーリン

 (まぁマーリンも気になるわな~)りんごを切りながら考えるエリック

 「…さてと、ティアが此処に来る事になった切っ掛けの話をして貰えるかな?あ~この林檎を食べながらで良いからさ(笑)」切った林檎を皿に並べて三人の真ん中に置いたエリック

 「わ~ありがとうございます~私お腹が減っていたので嬉しいです~」一個口に入れるティア

 「もう、慌てないの…で?私が封印門に入った後は何が有ったの?エリックさん私は紅茶でお願いできます?」

 「了解~」ストレージからティーセットを取り出して紅茶を入れ始めるエリック

 「……はいどうぞ、マーリンはストレートでティアはミルクと砂糖入りね?」

 「「ありがとう」ございます~」ティアは紅茶を一口飲んでからゆっくり話を始めた

 「…ふ~そうですね~あの後なんですが~私はセバスさん達と合流しようとして居たんですよ?だけど、フリスさんが来て、王様の契約で私とマーリンさんの二人と結婚したとか何とか言い出して…で、自暴自棄になった私はマジックバックに入れていたエリックさんの剣で首をさっくりと…で祈りが通じたのか死後の世界でまたエリックさんに逢えた…まぁ私はこんな感じです~ちなみにマーリンさんは?」何事も無かったかのように紅茶を飲むティア

 「……は?…フリスと結婚してる?……ティアが自殺?……エリックさん…説明をお願いします…話が理解できなかったので…」混乱した様子のマーリン

 「まぁ、そうだな~何個か確認しても良いかな?」

 「はい!お願いします~私は説明が下手ですので~」頭を下げるティア

 「では、先ずはフリスと結婚とは書類の上での契約の事かな?例えば…王様の印が押されていたとか?」

 「はい、押されていました」

 「ふむ、次に俺の剣でとか言っていたけど…今は持ってないの?消えちゃった?」

 「そうですね…多分ですが…あれは大事な物ですよね?それを最後に使ってしまい申し訳ないです~」剣が無い事に気が付いて落ち込むティア

 「いやいや、あんなのはどうでも良いんだよ?道具は使ってこそだからね(笑)…さて、結論から言うけど~フリスは国王の王印を使って二人と書類上結婚して…ティアが此処に来た理由は俺の剣で奇跡的に能力が発動して封印されたみたいだね~」(相当難しい事をやってのけたぞ!?まぁ自殺した結果だからか~奇跡もしくは神様の手助けかな?)

 「…了解です…理解は出来ました…まぁ言いたい事は二三個有りますが~まぁティアが無事だったので不問にしますか~ちなみに私はティアに落とされた後はしばらく奈落に落ちて…時間は解らないけどね?まぁ途中でエリックさんの創った物が見えたからそれを使って此処まで来た感じね~時間的にはティアとあまり変わらないはずよ?」簡単に自分の説明を終わらせたマーリン

 「え?…つまり…私は死んでいない?此処は現実?本物のエリックさん?」

 「お?理解が速いね~正解だよ(笑)」(少しは期待していたのかな?だから良い方の期待が当たったから理解出来たのかな?)

 「そうよ~?現実だし?本物だし?抱き付いてたし?うらやまずるい…」恨めしい目でティアを見詰めるマーリン

 「??うらやまずるい??まぁ再会出来たのは本当だからさ?取り敢えず二人の為に色々と造るから必要な物を教えてね?」良く解らないが気にしないで二人に今後の提案をしたエリック

 「あら?それでしたら私とティアに新しい指輪を造って頂けませんか?」自分の左手を見せながらお願いするマーリン

 「はい!?マーリンさんの分も??私はそうですがマーリンさんはまだ有るじゃないですか~二つ目はズルいですよ~」慌てて異議を唱えるティア

 「うん?ティアは抱き付いてたし?これで手打ちにしてあげるわ(笑)」異議を認めないマーリン

 「まぁ別に良いけど…仲良くな?これからは三人で生活をしなきゃだし、此処から出て行くのは大変だよ?」

 「「絶対に出て行きません!!」」


 「まぁなら良いけど…のんびりスローライフが出来るかな~楽しいなら良いか~(笑)」

 

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