第30話 再会

 ~~マーリン視点~~

 「何なのよ!ティアったらいきなり押して~!?と言うよりも何で一緒に来ないのよ!待ってるて言うなら二人で迎えに行けば良いのに!どうするのよ!思ったより時間が掛かったら!私だって不安なのに~!!こんな赤暗い所でずっと落ちてるし~!!もう!ティアったらまったく!次に会ったら説教だからね~!!」


 「…何だろう…落下しすぎると~飽きるわね~周りの景色も変わらないし……あら?何かしら?鉄?もしかして…エリックさんの創った物?と言う事は…手掛かり!?」


 エリックの創った物を発見したマーリンは落下しながらそれに近付いてみた


 「…でも何かしら?ぱっと見た感じでは乗れそうだけど…乗って見ようかしら…最初の手掛かりだし…」落下しながら上手く飛び乗ったマーリンは困惑していた

 「うん?乗ったのは良いけど…何だろう?取手?持てば良いのかしら?」取手を持った途端にかなりのスピードで下へ動き始めた乗り物

 「へ~便利ね~自由落下より速いのが良いわね~このままエリックさんの所へ行けたら良いのに…」


 しばらく淡々と落下し続けるマーリン、エリックに逢える事を夢見ながら

 

 「…は~エリックさんに逢えたら…先ずは抱き付いて~でも…やっぱり~…く~早く逢いたい…あら?何かしら?真っ白な建物?丸い何か?このままなら丁度たどり着くよね?…もしかして…エリックさんが!?」


 そのまま建物に近付いて行くマーリンは期待を胸に下っていく


 「?どうやって入るのかしら?まぁエリックさんが創ったので有れば~任せれば問題は無いでしょ?後は本人に逢えれば…く~!!楽しみね(笑)」


 やがて白い建物にたどり着いたマーリンを迎え入れるように小さな扉が開きそのまま建物に入った


 「ついに…エリックさんが……は?……」

 「やあ、久しぶりだねマーリン?」

 「…先ずは状況の説明をして貰えますか?エリックさん?」かなりの怒りが表情に現れ頬がひくひくするマーリン


 少し時間が戻りエリックが魔王達に自分達の王に成ってくれないかと言われた後


 ~~エリック視点~~


 「ふ~どうするかな~面倒臭いけど…誰かがやらないとだしな~」自動で収穫されてく作物を見ながら畑の近くで椅子に座りながらのんびりするエリック

 (ふむ、自動農作業用の魔道具も順調だし~まぁのんびり考えますか~(笑))

 もう一度寝ようと椅子の背中を倒して横になった瞬間にマーリンの魔力を感じ取ったエリックは起き上がった

 「!?何でマーリン?魔力的に上から?レールを使って降りて来るみたいだけど…なんで?まぁ迎え入れる準備をしますか~正直一人はやる事も無くなっていたからね~(笑)話し相手はありがたい」立ち上がり真ん中のレールに近付いて上を見上げるエリック


 「さてさて、最初は何を言うかな~(笑)…久しぶりだね?逢いたかった?よく来たね?何にしようかな~なるべく印象の良い台詞が良いな~(笑)俺のイメージが冴えない感じだし~どうするかな~まぁ怒らせなければ良いかな~ここから出るのも難しいのに怒られたら気まずいしね~(笑)」色々と考えているエリックの目の前の空間が歪み始めた

 「!?なんだ??魔力の乱れ?敵か…いや…嫌な気配は無い…???ティア???」空間から現れたのは目を瞑ったティアだった


 (???なんで?てか魔力欠乏症??落ちたら危ないから抱き抱えるか…セクハラで怒られたりして…まぁ緊急事態だから許してね?)心の中で言い訳を考えるエリックは目の前に現れたティアを優しく抱き抱えた

 (結構ギリギリだな…まぁ魔力を分け与えたら問題は無いだろうから良いけどね~)ゆっくりと自身の魔力をティアに与え始めるエリック

 (…ふ~これで良いかな?落ち着いたみたいだし…うん?気が付いた?いや、寝惚けてるのか…)首にしがみついて来たティアに驚きながらも助けられた事に安心していてマーリンの事を忘れていたエリック

 「……エリックさんが…は?」

 「やあ、久しぶりだねマーリン?」(やべ~マーリンが来るのを忘れてた…まぁ説明をすればマーリンは頭が良いし許してくれるだろ?てか怒らないだろうし…)

 「先ずは状況の説明をして貰えますか?エリックさん?」

 (うわ~かなり怒ってる~どうしよう…親友を取ったと思われたのかな…何て説明しようか…取り敢えずティアを寝かせに行くか…それから説明するか~) 

 「まぁ再会の挨拶は良いとして先ずはティアを向こうに寝かせに行こうか?説明は後でゆっくりとね?どうせ此処に来てしまったのなら時間はいっぱい在るんだからさ(笑)」小さな小屋を指差すエリック

 「…まぁ…そうですね…でも説明はして貰いますよ?」少し落ち着いたマーリンは先に小屋の方へ歩いて行った

 (まぁ少しは落ち着いて来たかな?)


 小屋にティアを寝かせた後、畑の近くでテーブルに座りながらお互いに見詰め合っていた


 (…何だろう…ちょっと気まずい…何から話そうかな~まぁ最初からだよな~普通…)

 「…まぁ取り敢えず何だけど~俺が門に入った理由から説明するけど…「それは、後で良いので先ずはティアについてご説明を!」…はい…と言うよりも本当にティアの事は俺にも解らないからな~マーリンの魔力に気が付いて~レールに向かったらいきなり空間から現れたのがティアで~よく見たら魔力欠乏症だったから慌てて治療を施して~で、落ち着いた時にマーリンが来た感じだからな~どちらかと言うとマーリンの方が解るのでは?」素直に説明するエリック

 「…そうですか…まぁ時間的にそうなのかな…まぁ何も無いなら良いとしますか……では、情報交換を始めますか」何も無かったかの様に仕切り始めたマーリンに呆れるエリック

 (まぁ別に俺はマーリンの機嫌が治れば良いんだけどね?なんか釈然としないな~)

 「…取り敢えず話を戻すけど…結論はフリスに落とされて此処に来てさ~まぁ何だかんだで今の生活に落ち着いた感じかな~?どこから説明して良いか解らないから気になる所は質問して?」(まぁこれが一番効率が良い説明かな?)


 「…では、今の居住空間に他の方は?」

 「居ないよ?基本一人」

 「…近くに他の集落は?」

 「在るには在るけど~かなりの距離とリスクが有るかな?まぁ大分整備は出来て来たけどね~」

 「最後に!貴方にパートナーは出来ましたか?」

 「パートナー?相棒とかは居ないよ?基本的に此方に来てからはソロで活動してたしね~」

 「……まぁ良いでしょう…質問は以上です」頭を下げるマーリン

 「???まぁ良いなら良いけど…そうだ、ティアが目を覚ますまでこの辺を見てみなよ、畑とかの施設や外とかも見て来て良いよ?四方に門が有ってそこから外に出れるからさ~まぁ遠くには行かないでね?危ないからさ(笑)」(まぁマーリンなら大丈夫だと思うけどね~)

 「…そうですね…色々と見学してみますね?」立ち上がり畑の方へ向かったマーリン

 「気になる事が有ったら説明するからね~俺はティアの側に居るから何か有ったら小屋に来てね?」

 「了解です、ティアを御願いしますね?」

 (さてさて~眠り姫の様子を見に行きますか~(笑))


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