第25話 共闘開始


 ~~フリス視点~~

 オーガとの戦いが始まってから数時間が経過した現在

 (やべ~かなりキツいぞ…最近はちゃんとトレーニングをしてなかったからな…今の所は五分五分か?少し劣勢か~これにキングが控えてるとか…)

 「さあ!どうした?仲間が五匹倒れたぞ?この程度か?」

 「ウルサイニンゲンダナ…タダマァモウイイダロ…ジカンカセギハオワリダ!」

 「ふん!見栄を張るなよ魔物の癖に(笑)」

 「ワカラナイカ?ホラ…オレノウシロヲミテミロ」後ろを指差すキングオーガ

 「あ?何言って……はぁ?援軍かよ!?キング二体とか…マジかよ…」(よし!逃げよう!もう、知らん!変に強いし無理だ!)何の迷いもなく振り返り逃げようとしたその時


 「全員!全力前進!敵を殲滅せよ!」大きな声を張りながらレイナが現れた

 「「了解!」です!」続いてダンブとエドガードがオーガの前に飛び出した

 「まぁ、逃げないで戦いますよ?仕方がないので手を貸しますよ?」ゆっくりとフリスの前に現れたセバスが話し掛けた

 「…別に逃げようとはしてないし…」(何だよコイツら…まぁこれだけの戦力なら何とかなるか?)

 「さあ!勝負はこれからですよ~ダンブとエドは作戦通りにお願いしますね?レイナは二人のサポートをお願いします、私達は後ろのキングを狙いますから」的確に指示を出すセバス

 「何勝手に命令してるんだ!リーダーは勇者である俺だろ!まぁ良い、行くぞ!」(手柄は俺が貰わないと…)走り出すフリス


 ~~セバス視点~~


 (ふむ、勇者とオーガの行動予想は当たりましたが…親玉が出て来ませんね~まぁ此方の戦力を甘く見ている内にキングを倒しますかね~)

 「エドとダンブは早急にキングの打破をお願いします、レイナはオーガの隊列を乱しながらで」

 「「「了解!」」」


 声掛けで動きを変えたダンブ達を見ながら徐々に後退していくフリスの背後に向かい移動するセバス


 「どうしました?私達も行きますよ?貴方はキングの右手側から攻めてください」

 「?何で右手なんだ?前からの方が良くないか?それと今から攻めるし…お前の指図は受けない!」走り出したフリスはキングの右手に斬り掛かった

 (何だかんだで言う事を聞くのが腹立ちますね~まったく…)「キングの右手を狙うのは得物が大きいので近いと取り回しが難しいのと利き手を潰せばキングの攻撃力を落とせますので…まぁ聞こえて無いでしょうけどね~では、私も行きますか…」



 ~~マーリン視点~~


 時は遡りフリスの戦闘前、マーリンとティアの二人が魔王城についた頃


 「さあ!着いたわよ、これからあの人に会えると思うとテンションが高くなるわね」魔王城の扉を開けて中に入るマーリン

 「もう、待って下さいよ~封印門を開けなくてはいけないから直ぐには会えないですよ~?」マーリンを追い掛けて魔王城に入るティア

 「解ってるわよ、でも…気持ちが押さえられないのは仕方が無いじゃない!」後ろを振り向きながら答えるマーリン

 「気持ちは解りますけど~少しは落ち着かないと問題はこれからですよ?」苦笑いを浮かべながら着いて行くティア

 「はいはい、解りましたよ~それにしても…凄いわね~至る所に分解の後が在るわよ?此処まで分解しながら進むなんて…相当な罠が有ったのね~まぁ相手が悪かったわね(笑)」周りを見ながら感心するマーリン

 「そうですね~魔王もびっくりしたでしょうね~(笑)罠が全部機能しないなんて(笑)」笑いながら答えるティア


 「さあ!着いたわよ、此処が封印門の在る玉座よ、行くわよ」気合いを入れて入るマーリン

 「はい!行きましょう!」着いて行くティア


 ~~一時間後~~


 封印門の前で頭を抱えるマーリンとティアが居た

 「あ~難しいわね~もう少しで解りそうなんだけど…」資料を見詰めながら頭を抱えるマーリン

 「そうですね~何となくは理解出来ますけど…確信が得られないみたいな…喉に引っ掛かる感じがもどかしいですね~」同じく頭を抱えるティア

 「そうなのよね…何となくは解るけど…難しいわね…」

 「?何だか外が騒がしいですね?マーリンさんは解りますか?私の感知だと範囲が狭いので解らないです…」外が気になったティアはマーリンに確認した

 「?あ~何か誰かが戦ってるわね~?ちょっと待ってね?………これは…あのバカとオーガの群れね~まぁ近くにセバス達も来てるみたいだし?大丈夫でしょ?一応は勇者だし(笑)」魔力感知を広げだマーリンはティアに答えた

 「そうですか…まぁセバスさんが居るので在れば問題は無いですよね(笑)」笑って答えるティア

 「あら?ずいぶん信頼してるのね~もしかして…セバスの事が…キャッ(笑)」ティアに頭を叩かれたマーリンは笑っていた

 「もぅ!怒りますよ?まったく~」

 「もう~冗談じゃない(笑)そんな事よりもう少し頑張るわよ?」(まぁライバルは減らないか~仕方が無いか(笑))

 「まったくもう!仕方が無い人ですね~頑張りますよ~」資料にまた目をやるティア


 ~~一時間後~~

 「!?解ったわ!これで何とか開けれそうよ!」いきなり立ち上がったマーリン

 「?!本当ですか?これで封印門が開けられるのですね?」

 「いや、まぁ…そうね…開けられるはずよ?」

 「?どうしました?何か問題が有るんですか?」はっきりしないマーリンに確認するティア

 「…開けるにはあの人の魔力が込められた魔道具を封印門に取り込ませる事で他の人でも開けられるみたいなの…」俯きながら答えるマーリン

 「それは…どれ位の魔力量ですか?」

 「多分…かなりの量よ…それこそあの人が本気で魔力を込めた物で無いと駄目ね…」(そう…例えば私達の身代わりの指輪クラスの魔道具…この指輪を使えば…)自分の指輪を見詰めながら悩むマーリン

 「…そうですか…この指輪で良いんですね?でしたら私の指輪を使って下さい!」指輪を外してマーリンに渡すティア

 「!?駄目よ!使ったら無くなるのよ?」受け取らないマーリン

 「…それでも…あの人…エリックさんにまた会えるなら!使って下さい!私は新しいのを作って貰いますから(笑)」無理に笑いながら差し出すティア

 「……解ったわ、使わせてもらうわね?その代わり絶対にあの人を助けてティアの指輪を作って貰わないとね?」(まったく…無理して~ティアらしいけど…)

 「はい!絶対に助けましょう!」

 

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