第15話 セバスの暗躍③

 ~~セバス視点~~


 エドガードとの話し合いを終えたセバスは中庭の群衆に混ざり演説を聴いていた

 (さてさて、取り敢えずの流れは聴いてから動きますかね~エドが上手く民意を流せれば…お?そろそろ、婚約発表ですかね~)


 「であるからして、今回のパレードは残す所あと、明日だけに成ったのだが、今日は勇者様から皆に報告が在る、心して聴くが良い!では、頼んだぞ?勇者殿」一歩下がる国王

 「あぁ任された(笑)」バルコニーの前に出る勇者

 「本日!この瞬間より!魔女マーリンと聖女ティアの二人と正式に婚約します!文句の在る奴は今すぐ出て来い!ただ、この婚約は国王の王印を使った正式な物だからな?つまりは文句の在る奴は反逆罪に成るから(笑)よろしく」


 (最低な発言ですね…周りの人達も困惑してますし…これが勇者ですか~まぁエドの出方を観てから動きますかね~)


 「勇者様、少々よろしいでしょうか?」奥から出て来たエドガードが勇者に声を掛けた

 「?王子ですか?貴方でも反逆罪に成りますよ?(笑)」笑いながら振り向いたフリス

 「いえ、問題が発生しましたのでご報告をと思いまして…」

 「問題?俺が関係してるのか?」

 「何とか出来る方が貴方くらいだと思いまして…」

 「何だよ、はっきり言えよ」少しイライラしながら聞き返したフリス

 「キングオーガが現れました」

 「キングオーガ!?」

 「はい、キングオーガが出現しましたので国に近づく前に討伐していただかないと…不味い事に成ります…」

 「俺が一人でキングオーガの討伐を!?」

 「魔王に勝ったので有れば可能ですよね?任意に成りますが王国騎士団にも声を掛けて、もし着いて行くと言うなら問題ないですよ?」

 「はぁ!?そこは強制的に動かせよ!」

 「?何を言ってるのですか?我が国の騎士団は元々強制的に命令は出せないのですよ?お願いという形で動いて貰うので、騎士団には拒否権が在ります」呆れた様子で話すエドガード

 「本当か?」国王に確認するフリス

 「そうじゃの~まぁ募集を掛ければ直ぐに人が集まるだろ~何せ勇者殿てすからな(笑)人望が在るはずじゃて」笑いながら答える国王

 「まぁ…そうだな…人が集まらなかったらどうなるんだ?」

 「それは、ご自分で何とかして頂かないと…では詳しい話しは中でしますか」中に入って行くエドガードと国王

 「マジか…」渋々着いて行くフリス


 「ほ~なかなか良い流れでしたね~わざと全体に聴こえるように話すのもポイントが高いですね~」(民意が完全に反れましたね~流石はエド(笑))


 「あら?セバスじゃない、暇なの?珍しいわね?」セバスに声を掛けたのは王国騎士団団長レイナだった

 「貴女の方が珍しいでしょう~私服ですか?似合ってますね~キレイですよ(笑)」

 「あら、どうも」

 「軽いですね~(笑)で?今日は非番ですか?」

 「貴方に褒められてもね(笑)えぇ非番よ、町を散歩していたらこの騒ぎでしょ?一応様子を観にね~貴方は?」

 「私も似たような者ですよ(笑)ちなみに貴女はどうするのですか?」

 「どうとは?」

 「討伐の参加ですよ、先着順ですよ?行かないのですか?」

 「はぁ、私はパスかな~あの人が居ないのに討伐隊に参加しても得がないし、そもそも誰も参加しないんじゃないかな~」

 「そうなんですね~まぁそんなものですかね(笑)」(まぁ勇者は苦労するとして…やはりバックアップに人を集めて置かないとですかね…)

 「まぁ私は非番だから関係ないしね~二人は可哀想だけどね…」

 「休みは何時までですか?」

 「?まあまあ長い休みを取ってるからしばらくはゆっくりしてるわよ、どうしたの?」

 「いえいえ、もし暇ならエドと一緒にキングオーガ討伐を行きませんか?」

 「軽く言うわね~(笑)」

 「まぁ貴女ですし、軽いでしょ?(笑)」

 「流石に私だけだと重いわよ?」

 「ふむ、ならダンブも誘いますか?」

 「剣聖か~まぁ、それなら軽いかな~?」

 「あと、騎士団も何人か動かせば間違いは起きないでしょう?」

 「そうね、過剰戦力だと思うわよ(笑)貴方がそこまで準備するとなると…今回の討伐に何か在るのね?」

 「まぁ、勘ですけど…封印門に二人が向かうので、問題が起きないようにしたいのですよ」(フリスが何をしても対応出来るように戦力は集めて、私が動ける様にしておかないと…)

 「貴方の勘は当たるからな~解ったわ、騎士団は私が手配するはね」

 「それは助かります、では私は剣聖に声を掛けるのと二人に話をして来ますね?後であの家で合流しましょう」

 「了解よ、なるべく速く終わらすわ(笑)」

 「まぁ、焦らなくても出発は明日の朝ですからね?」

 「なら、尚更ね(笑)今日はあの家に泊まりになる、なら食べ物の手配も頼むわね?じゃあまた後で」走り去るレイナ

 「あ~急ぐ理由はそれですか…まぁ仕方がないですね~私も色々動きますかね~」(ダンブの所に行ってレストランに食べ物を発注して、明日の討伐の道具準備にエドとの打ち合わせ、商会の仕事も片付けて…私だけ手が足りないのでは?)

 「まぁ、文句を言っても仕方がないですね~」軽く愚痴を溢しながら走り出したセバス


 ギルドに着いたセバスは辺りを見渡し剣聖を探した

 (う~ん、剣聖はギルドに居ると思ったのですが…)

 「俺が?勇者と同行?は!?笑わせるな、お断りだ、下らん用事は終わりか?なら、失礼する」

 「待て、少しは考えてくれ」

 「断る!」頼み込むギルドマスターに断る剣聖を見付けたセバス

 「あ、やっと見付けましたよ~ちょっと良いですか?」

 「?セバスか、どうした?俺を探して、何か有ったか?」

 「まぁ、色々とお願いが有りまして~ギルドマスターの方は良いのですが?」

 「あぁ、マスターは断ったから話しは終わりだ、で?何が有った?」

 「まだ、話しは終わって…」ギルドマスターが話し終わる前にセバスが話し出した

 「まぁ簡単に言いますと~ちょっと私達とキングオーガ討伐に行きませんか?」

 

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