第13話 スローライフ②

 ~~魔王視点~~

 

 門を開けて中に入った魔王達は困惑していた

 「何だ…此処は…外の世界か?」

 「そ、そうですね…外の世界に来たのでしょうか…」

 「いやいや、そんな簡単には外に行けないのは知っとるじゃろ?」

 「じゃあ!何だよ!この世界は!?」

 「そうですよ~意味が解らないですよ!?」

 「落ち着け、わしにも解らない…お?エリックの気配じゃ!?行くぞ?色々聞かなくては!」

 エリックの気配の所に向かう魔王達


 「よう、どうした?何か有ったか?」気軽な感じで問い掛けるエリック

 「どうした?じゃないだろ!?何なのだこれは?どうやったら短時間にこんな物が出来るのじゃ!?」

 「まあまあ、落ち着いて?今テーブルと椅子を出すから待ってくれ?後ろの二人も久し振り~」突如現れたテーブルと椅子

 「まぁ、座ってくれ(笑)今から紅茶も出すよ?」

 「はぃ~ありがとうございます~頂きますね?」直ぐに椅子に座る強欲の魔王

 「あぁ、俺も頂く」同じく椅子に座る憤怒の魔王

 「え~?馴染みすぎじゃね?違和感は無いの?どうして素直に座れるかな~?」渋々座る怠慢の魔王

 「?要らないなら出さないぞ?二杯で良いな?」

 「はい~お願いしますね?あとお茶請けは甘い物でお願いします!?」勢い良く頼む強欲の魔王

 「?良いよ?クッキー位しか無いけど良いかな?もう少し待ってくれたらケーキが作れるけど…どうする?「ケーキでお願いします!?」了解(笑)まぁゆっくりしていてくれ」立ち上がるエリック

 「お願いします!」頭を下げる強欲の魔王

 「おい、良いのか?そんな事を頼んで…怒られないか?」小声で話す憤怒の魔王

 「?大丈夫ですよきっと…向こうから言った事ですし…まぁ待ちましょう~紅茶うま!?」驚く強欲の魔王

 「本当か?うま!?何だこれ?旨すぎるぞ?」

 「クッキーも美味しいですよ!?」驚く魔王達

 「いや、本当にわしの分を出して行かなかったし…少しわしにも貰えんか?」

 「駄目ですよ~これは私のです!」断る強欲の魔王

 「そうだな、これだけは譲れないな…すまない」謝る憤怒の魔王

 「そんな~殺生な~」テーブルに倒れる怠慢の魔王

 「まぁ、戻って来たら出して貰えば良いのでは?」と言いながら飲み干した強欲の魔王

 「そうだな、頼んだ方が良いと思うぞ?」同じく飲み干した憤怒の魔王

 「そうじゃけど…なんだかな~」

 「?どうした?何か有った?」ケーキを片手に戻って来たエリックはキョトンとしていた

 「てか速い!?え?ケーキってこんなに速く作れたっけ?てか材料は?砂糖とかミルクとか?あれ?此処は外の世界ですか?」驚く怠慢の魔王

 「いや、食べないなら良いよ?食べる人は?」

 「はい!いただきます!」手を上げる強欲の魔王

 「俺も良いか?」同じく憤怒の魔王

 「あと、紅茶もおかわりです」

 「俺も…」

 「了解(笑)今切り分けるよ、紅茶はこのポットに入ってるから飲んで良いよ?はい、どうぞ」ケーキを二人に切り分けるエリック

 「待ってくれ、わしも食べたいし飲みたいのじゃ」泣き付く怠慢の魔王

 「ほら、食べなよ(笑)最初から素直に言えば良いのに~」ケーキを切り分けて渡すエリック

 「ありがとう~うま!?ヤバい、めちゃくちゃ旨い!」驚く怠慢の魔王

 「あぁケーキも旨いな」

 「はい~最高です~」

 「喜んで貰えて良かったよ、所で何しに来たの?」

 「そうじゃった!?エリックの無事を確認に来たのじゃった(笑)色々有って忘れてた」

 「そっか~俺なら無事だよ?」

 「でしょうね~何なら私達より快適ですよね~羨ましいですね~ケーキをお代わりで!」

 「はいよ(笑)」ケーキを切り分けるエリック

 「ありがとうございます~」喜ぶ強欲の魔王

 「あのよ…エリック、少し良いか?」

 「言わなくても解ってますよ?ちゃんと準備はしてますよ?」

 「「!?」」魔王の二人に緊張が走る

 「ほら、二人の分」マジックバックを渡すエリック

 「へ?何だこれ?」

 「うん?マジックバックだぞ?欲しいから来たんだろ?有ると便利だからな~(笑)」

 「そうだけど、そうじゃなくて~」

 「?内容量は怠慢に渡したのと同じにしておいたぞ?」

 「なんと!?あれと同じって…マジで!?」

 「そりゃ~そうだろ?皆同じにしないと問題だろ?」

 「マジックバックは有り難いが~そうじゃない!」

 「?魔道具なら中に入れてるからね?一応は植物を育てるのと火を起こすのと水を出すやつは入ってるからね?」

 「違う!俺が言いたいのは!」

 「あの時はすみませんでした」憤怒の魔王を遮り先に謝った強欲の魔王

 「俺の方こそすまなかった、少しでも怠慢の魔王を信じていたら…もっと出来た事も有っただろうし…」悔しそうにするエリック

 「そんな事はない!お前は悪くない!エリックのお陰で俺達は助かったのは事実だ、コイツを信用なんか出来ないのも仕方がないし、今の時点で十分だ!」

 「そっか~そう言ってもらって少し気持ちが楽になったよ(笑)」

 「もう、良いかの?言いたい事が多々有るのだが…」

 「?どうした?」

 「先ず、わしにも紅茶とケーキのお代わりをくれんか?あと、わしに対する感想が酷くないか?わしだって頑張ってるし…」落ち込む怠慢の魔王

 「まあまあ、ほら紅茶とケーキ(笑)」

 「すまんの~それにマジックバックと魔道具なんていつの間に用意した?無理だろ?」

 「?三人が近づく気配が解ったから作っておいた(笑)」

 「そんな簡単に言うけど普通は無理だからな?マジックバックや魔道具をポンポン作るのは無理だよ?」

 「そこは~まぁ俺だからと言っとくよ(笑)」

 「何だかな~あと、この空間だよ?何此処?どうなってるの?」

 「う~ん、何て言えば良いんだろう?簡単に言うと聖域を周りに作ってドームを作って~土を入れ換えた位だぞ?」

 「簡単に言うがそれが難しいし、こんな短時間に普通は作れないだろ?芝生も綺麗だし色々な畑も在るし!」

 「あ~一応二人に渡したマジックバックにツルハシとスコップが入ってるから、それを使ったら赤黒い地面も簡単に掘れるぞ?」

 「本当ですか?それは有り難いです~出来れば苗とか土も欲しいのですが…駄目ですか?」

 「元々入れてるよ(笑)自由に使ってよ」

 「色々とすまんの~あと、お願いしずらいのじゃが…」

 「私が言います!エリック様どうか新しい魔王になっていただけないでしょうか?」

 「?魔王に?なんで?」

 「それはですね~そもそも、私達は皆より魔力が多かったから代表みたいに成ったのです、なので正確にはリーダーが居ないのです…」

 「まぁ、そう言う事じゃ、頼めるかの?」

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