【スライム・ハザード】

書記係K君

Stage.01

 

 時は”二〇××年”…――

 首都圏直下型地震によって都市機能が崩壊した”日本”は――

 地方都市に首都機能を移管する”副都心計画”を発令した。


 そして時は流れて、震災に傷ついた民心も癒えた頃…――


 東北地方の第七首都”新福島”において、

 市街地住民の大量失踪事件が起きる――!!


 そして政府機関が捜査を為した結果、

 政府が恐るべき”怪物”の存在を世界に公表した――



 謎の突然変異生物――”粘液状怪物-スライム-”――



 東北地方にある”原発施設”から大量流出した”放射能汚染水”が

 太平洋海溝深くの深海底に沈殿・蓄積した結果、生み出されてしまった

 特急危険外来種による”襲撃”であった――



    ◆◇ ◇◆◇◆◇ ◇◆


 時は”二〇××年”…――

 政府直属の特殊部隊に属する”男”…――

 政府機関より極秘指令を拝受する。


 その”任務”の内容は…――

 【1】”粘液状怪物-スライム-”に奪われた第七首都”新福島”の奪還

 【2】第七首都”新福島”近郊にある”原発施設”への潜入、

    および原発機能不全による”核暴走-メルトダウン-”の阻止


 残された時間は”三十日間”…――

 この”男”は無事に任務を遂行する事ができるのか…――


    ◆◇ ◇◆◇◆◇ ◇◆



「とんだ貧乏クジだな……」

「おや、隊長殿がボヤかれるとは珍しいですね」

「そりゃボヤきたくもなる……お前、スライムとの戦闘は初めてか?」

「はい。先の首都直下地震以来、日本も小戦闘衝突が絶えませんからね……戦闘経験自体はありますが」

「ああ、スライムとの戦闘はな……人間との戦闘とは”わけ”が違うぞ」

「……と言いますと?」


「まずヤツらは単細胞生物だ。栄養摂取も睡眠も休息も排泄も……何もなしに日中夜を問わず動き続ける。そしてどこまでも増殖していく。おそらくヤツらに知能はない。この戦闘において”降伏”や”捕虜”といった選択肢は存在せず、ヤツらは本能的に”人間”を襲い、ただ殺戮する。

 ヤツらは流動粘液生物ゆえに動きが素早く、姿形を自由にできる。ドア扉下の小さな隙間や鍵穴、台所の換気扇や蛇口、マンホールや排水溝、エアコンの室外機……あらゆく”隙間”から人間の背後に忍び寄り、人間の命を狩り取っていく。ヤツらの粘液は物質溶解性で、一度身体に取りつかれたら装備類はほぼ全損……まあ身体に取りついたスライムを剥がすのは至極困難ゆえに窒息死は免れないから、装備類の損失なんて関係ないがな。

 粘液状生物のヤツらに”物理攻撃”はほぼ効かない。ヤツらに有効なのは、火炎放射器や超電圧放電器、あとは脱水剤ぐらいだ。とにかくシブとく、どこまでも人間を追っかけてくる。ヤツらとの戦闘で重要なのは、とにかく接近を許さない事、ヤツらが苦手な脱水剤を用いて安全地帯を敷いたら、あらゆる隙間を塞ぐ事だ」


「……っそのお話をうかがう限り、ヤツらに占領された第七首都”新福島”を奪還するのは……かなり困難に思えますね」

「それは否定できないな。だが、ヤツらは”原発施設”を占拠してしまった。このままでは”核暴走-メルトダウン-”が発生して……この国は滅びてしまうだろう」

「…ッ……了解であります」

「そう緊張するな。ちょっと厄介なゴキブリみたいなモノだ。ゾンビ映画のヒーローになった気分になれるぞ。ひょっとしたら…――俺らが任務遂行した暁には、この特級任務を題材にした映画や”ゲーム”が制作されるかもしれないな?」

「ははっ、それは良いですね。うちの子供に自慢できますよ」


『隊長っ、第七首都”新福島”の県境に到着しました』

『旧高速道路、視界確保。前情報通り、スライム浸食によりここから先は特殊車両での乗り入れは困難です』


「了解。ご苦労だった。

 よしっお前ら、心の準備はいいか。この戦闘任務に”未来”が掛かっている。

 心して任務にあたってくれ。任務開始――!!」




【To Be Continued in THE GAME...】


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【スライム・ハザード】 書記係K君 @key-kun

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