第2話

 遅くなってすみません



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 突然ですが転生して半年くらい過ぎました。

 俺としては2〜3歳くらいに転生かなって思ったけどまさか産まれた瞬間とはね予想外だったよ笑

 しかも赤ちゃんだから基本毎日食べて寝ての繰り返しな毎日でだいぶ退屈しているが、最近は体が動くようになってきたから部屋の中だけだが散歩している


 それからまた半年が経ち明日でこの世界に転生して1年になる

 ここでちょっと家族の話をしようと思う。


 俺の転生した家はアルスドルフ家といい3人家族にメイドが10人に執事がいる、俺には専属メイド-名前をシェリーとそいう-が付いていて早めに読み書きをマスターするために絵本を読んでもらっている。

 これは1ヶ月くらい前にたまたま見つけたものだが、体の中に魔力の塊があることに気が付いたちょうど暇つぶしの道具を探していたのでその魔力の塊を動かして遊んでいたら日に日に大きくなって今では俺の体を覆う程に大きくなっている。


「フリード様、今日も絵本を読みに来ましたよ〜」


 おっと、シェリーが来たようだ。


「今日はどの絵本を読みましょうか?」


「これよんで〜」


 そう言って俺が指したのは魔法使いの本だった。


「またこれですか?ほんとにフリード様はこの本が好きなのですね」


「うん!」


 本当は絵本より魔法の方に興味があるんだけどな。

 今はシェリーの言うことに相槌を打っておく。


「え〜、こほん。では、読みますね昔、あるとき強い魔法士がいました…」


 というフレーズで始まっていくこの絵本は、昔に存在していたとされる世界最強の魔法士の冒険譚だ。

 この人は、世界で唯一1人で帝級魔法を使えた人だという。

 俺もいつかは使ってみたいと思っているがどういう魔法なのか知らないから使いようがない。


 そうそうこれは父の書斎に皆に内緒で入って魔導書を読んだときに知ったのだが魔法の階級と属性は以下の様になっている。

 魔法の階級

 初級魔法 適正があれば少ない魔力でも使える

 中級魔法 適正があり平均より少ない魔力でも使える

 上級魔法 適正があっても平均的な魔力があれば使える

 超級魔法 適正があっても魔力が足りなければ使えない

 帝級魔法 適正があっても魔力が足りなければ使えない

 神級魔法 適正があっても魔力が足りなければ使えない

 創世級魔法 適正があっても魔力が足りなければ使えない


 魔法の属性

 火・水・風・土・氷・雷・光・闇・治癒・無・時・空間・創造


「………こうして魔法士は平和に暮らしましたおしまい」


 おっと説明している間に読み終わったようだ。


「フリード様、次は何を読みたいですか?」


「う〜ん、まほうのほん!」


「ま、魔導書ですか!?ダメです、フリード様にはまだ早すぎます」


「どうしてもだめ〜?」


「どうしてもです!」


 っちこうなったら最終手段だ。


「よんでくれないとぼくシェリーとくちきかなくなっちゃうかも」


「うっ、それはダメです」


「じゃあよんで!」


「それもダメです」


「じゃあシェリーのことなんかしらない!」


 俺は、そっぽを向いた、承諾してくれるまでシェリーの方は向かない。


「うう〜、わ、分かりました。ただし旦那様に許可を頂いてからです!」


 よし!チョロいな。俺は、シェリーの方を向いて言った。


「やった〜!ありがとうシェリー!」


「もう、今回だけですからね!では、旦那様に許可を貰ってきますので少々お待ちください」


「わかった〜!」


 シェリーは頷いて部屋を後にした。




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 SIDE シェリー


 私の名前はシェリーといいます。

 ロイトリンゲン王国のアルスドルフ領出身でいまは、アルスドルフ子爵家の長男であるフリード・アルスドルフ様の専属メイドとして仕えています。

 アルスドルフ子爵家はロイトリンゲン王国建国からある由緒ある御家で当主様であるカイン・アルスドルフ様と奥様であるヘレン・アルスドルフ様は王国を救った冒険者パーティの中の2人で平民から絶大な人気を誇っています。

 この家に仕えられて私ってホント幸せですね!


 …話が逸れましたね。私は今からフリード様に最近の日課である絵本を読みに行くところです。1ヶ月くらい前に読んで欲しいと頼まれてからは、毎日絵本を読みに行っています。

 それにしてもフリード様の読み書きの習得スピードは、はっきり言って異常な速さで、絵本を読み初めてものの2〜3週間程で読んだり話したりするのはほぼマスターし文字もある程度は書ける様になっている様子でした。

 旦那様にこのことを話したらすごく驚かれた様子でした、しかしすぐに気を取り直して「流石、私とヘレンの子だ」なんてことを言ってました。

 ここまで来るともう、私は絵本を読みに行かなくても大丈夫なのではと思い、フリード様に聞いたのですがもう少し私に読んで欲しいという事でしたので

 1ヶ月経った今でもこうして読みに来ているという訳です。まだまだ甘えたい時期なのでしょう。

 そんなことを考えていたらフリード様のお部屋に着いてしまいましたね。


「フリード様、今日も絵本を読みに来ましたよ〜」


 私は、ノックをしてからフリード様に声をかけて部屋のドアを開けた。


「今日はどの絵本を読みましょうか?」


「これよんで〜」


 ああ、今日もフリード様はかわいいです‼︎ 油断したらほっぺたが緩んでしまいそうです


「またこれですか?ほんとにフリード様はこの本が好きなのですね」


「うん!」


 やばいです、目の前に今天使がいます、かわよ過ぎです。違う違う気をしっかり持つのです私!今はフリード様のために絵本を読むのでしょう!


「え〜、コホン。では、読みますね。昔、あるとき強い魔法士がいました」


 この絵本は、もう何十回も読んだものなので絵本を見なくても読めるようになってしまいました。

 ふと、フリード様のお顔を見てみると、表面は楽しそうにしている様に見えますが、心ここにあらずという感じで、ちょっとだけ心配です。


「………こうして魔法士は平和に暮らしましたおしまい」


 そんなことを考えていたらいつの間にか読み終わってました。まだ時間はあるのでもう1冊読めますね。


「フリード様、次は何を読みたいですか?」


 う〜ん、まほうのほん!」


「ま、魔導書ですか!?ダメです。フリード様にはまだ早すぎます」


「どうしてのだめ〜?」


「どうしてもです!」


 ここはちゃんとダメと言っておかないと


「よんでくれないとぼくシェリーとくちきかなくなっちゃうかも」


「うっ、それはダメです」


 それだけは絶対に避けなきゃ


「じゃあよんで!」


「それもダメです」


「じゃあシェリーのことなんかしらない」


 フリード様がそっぽを向いてしまいましたかわいいですかわよ過ぎます。てっ、そうじゃなくてピンチです、あとが無くなりました。


「うう〜、わ、分かりました。ただし旦那様に許可をいただいてからです!」


 仕方ないですフリード様に嫌われるよりはマシです。


「やった〜!ありがとうシェリー!」


「もう、今回だけですからね!では、旦那様に許可を貰ってきますので少々お待ちください」


「わかった〜!」


 私は立ち上がりフリード様の返事を聞いてから部屋を後にした。




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