月は海につながっていた
ももいくれあ
第1話
サクラが車の後追い、
私がサクラの後を追う。
人生なんて、そんなもので、
それがすべての想いだから、
吸い寄せられて、吸い込まれて、
アジサイだってそういうことだ。
頭の中の糸くずを、
虫メガネで観てみよう。
しぼんでしまった風船を、
少しだけ吹いてみよう。
朝の波が近づいて、
眩しくって少し泣けた。
袖を持って、裾を上げて、
腰を下ろして、空を眺めた。
水平線がみえてきて、
慌てて地平線を探した。
目をつぶって、両手を広げて、
風に乗って、歌を歌った。
かすみそうになりたくて、
バラ思いを寄せていった。
恋愛なんて、そんなもので、
やっぱりそういうことだった。
フクロウだって芸をする、
暑くたって働いた。
臭いじゃなくて、香りだった。
言葉じゃなくて、気持ちだった。
バックライトの陽炎に
今日も笑顔が変わっていった。
やけどはあんなに辛いのに、
いつの間にか忘れていく、
トラは猫のような姿で、
がけから突き落とされていく。
くるくる回る向日葵も、
眠っている夜がある。
潮がどっと押しよせて、
貝も取れなくなっていた。
目を開けているけれど、
ほんとは何も見えなかった。
景色なんて、そんなもので、
フィルムによって色も違う。
朝がすごく待ち遠しくて、
ベランダでを歯を磨いてみた。
カレンダーをめくりすぎて、
あっという間に今年が終わった。
夏が急に寒くなって、
ちょっとだけ淋しかった。
赤ちゃんが泣いていた、
嬉しくって叫んでる。
真っ青なソファーが欲しくて、
誕生日が遠かった。
果てしない時間(とき)をかけて、
パートナーをみつけにいこう。
雲なのか、煙なのか、
晴れなのか、雨なのか、
嬉しい時も悲しい時も、
涙はやっぱり溢れてく。
月は海につながっていた ももいくれあ @Kureamomoi
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