第14話 団塊の世代

2017年11月12日


親の歳を思い出せなくなって久しいが、最近は、自分の歳まで無意識のうちに鯖を読むことがある。

先日も、弘前市医師会報の編集者から年男の原稿を依頼されて、48歳になることを改めて自覚した。

年齢を記憶しておく座標として、古くから還暦・喜寿・米寿・白寿などはあるが、こうして見ると、年男や年女というのも便利である。


ところで、今年の年男年女は、日本中にどれくらいいるのであろうか。

仮に、日本人の人口を1億2千万人とし、これを十二支で等分した1千万人が、干支別の年男年女の平均値と推定できる。

しかし、実際の年男年女人口は、干支によって平均値から外れていると思う。

その理由として、年間出生数の差が上げられる。ここで、厚生統計協会から出版されている「国民衛生の動向(1995年版)」を調べてみよう。

ちなみに、私たち48歳の子年は、1948年に2,681,624人の仲間と一緒に生まれていた。

1947年から1949年までは、年間出生数が260万人を越えており、第一次ベビーブームと言われた。

これは、1993年の年間出生数1,188,282人に比べて、実に2倍以上の開きがある。

さらに、1971年から1974年までは第二次ベビーブームと呼ばれ、この間も年間出生数は200万人を越えていた。

このなかには、私たちから二まわり下の子年も含まれている。

この推論のもとに、干支別の年男年女の人口を比較すると、恐らくは、子・牛・猪が最も多いのではなかろうか。

第一次ベビーブームの産物である私たちは、すし詰め教室や二部授業、そして受験戦争を終えて社会に出ても、文字どうり団塊の世代として生きてきた。

年次別の年齢階級人口を見ると、1950年は13.47%、1960年は11.79%、1970年は10.28%、1980年は9.21%、1990年は8.65%と、団塊ぶりは明らかである。

ちなみに、2000年には52歳になっているはずであるが、50歳から55歳未満の人口は全人口の8.21%をしめると予測されている。

そして2025年には、相変わらず団塊のまま喜寿を迎え、平均的な子年の男はまもなく天寿を全うするのである。


子年にちなんだ年男の話が、あまり正月らしくない方向へ転換してしまった。

しかし、48歳を自覚すると共に、残りが30年足らずであることにも気づいた。

「少しだけ、生き方を変えてみよう」と思う。



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