第13話 医師会とインターネット

2017年11月12日


この原稿が弘前市医師会報の編集担当者の手に渡るまでの道のりを考えてみよう。

パソコンに入力した内容を原稿として紙に印刷し、FAXで電気信号に変えて医師会のFAXに電送する。

電気信号を受け取った医師会のFAXは、その内容を再び紙に印刷する。

原稿を郵便で送る手間や時間を考えると随分便利にはなったが、FAXにかけるためだけに印刷するのは、紙やインクも時間も無駄である。

もし医師会のパソコンがインターネットに接続されていれば、この無駄は省かれるのである。

つまり、私のパソコンから医師会のパソコンへ、原稿内容を電子メイルとして電話回線で送り、そこで初めて印刷するわけである。

無駄が省かれたばかりでなく、FAXと違って鮮明な印刷したての原稿が送られたことになる。


また、電子メイルを拡張したものとして、メイリングリストあるいはグループメイルといったサービスもある。

あるメイルアドレスにメイルを送ると、メイリングリストに参加しているメンバー全員に、同じ内容の電子メイルが瞬時に送られるようになっている。

現在、医師会と会員との連絡は郵便とFAXで行われているが、メイリングリストを利用すれば、医師会のパソコンで入力した連絡内容が、瞬時に全会員のパソコンに送ることができる。

郵送の場合には、コピーや郵送のためにかなりの手間と費用が使われており、FAXで一斉送信した場合でも、全会員へ送るとなるとかなりの時間を必要とする。


このように便利な電子メイルであるが、さらに最近では、画像や音声などのマルチメディア機能も追加されてきた。

そうすれば、それほど遠くない時期に、この医師会報自体も、パソコンで読んだり聞いたり出来るようになるかもしれない。

さらに、多忙な臨床の合間に出席している各種委員会にも、わざわざ医師会まで出かけなくても参加できるようになるかもしれない。

勿論、この電子会議は各種研究会や勉強会にも応用でき、週末の夜をゆっくりと過ごすことにもつながる。

このように便利なインターネットではあるが、会の後で行われる懇親会を代行する機能まではない。


インターネットを個人で利用するためには、プロバイダーと呼ばれる接続会社と契約して、電話回線や専用線で接続してもらう必要がある。

従って、データのやり取りに要する時間を短縮するためには、通信速度の早い回線が必要となり、そのためには高い契約料を請求されることになる。

結局、快適に過ごすためには、経済的負担が増すと言うことであろう。

一方、大学などに所属していれば、大学医療情報ネット(UMIN)が利用できるわけであり、弘前大学の利用者検索によると、兼子教授を筆頭に83名の医師が登録されている。

国立弘前病院では、「国立病院等総合情報ネットワークシステム」の稼働に伴い、来春から専用線でインターネットへ接続できる予定である。

私は現在、個人でプロバイダーと契約して、自宅からインターネットを利用しているが、雪が解けるころには、病院から専用線で高速接続できることになる。

勿論、コンピュータ自体の処理速度も通信時間に影響する。

私はこれまでMacLC630を使っていたが、今度は高速のPower Mac 8500/180 32/2000/8xcdにした。

ちなみに、この春に頂いた平成7年度青森県医師会学術奨励賞の副賞は、この購入頭金として使用させていただいた。

御推挙いただいた先輩方はじめ選考委員会の先生方に対し、改めて心からの謝意を捧げたい。


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