第122話 帝都オリバー散策  

ハクに、もう少し、成長した22歳くらいの人に変身できる? って聞いたら、

「良いよ!」って、煙が出るでもなく、あっと言う間に、成人の若い女性?に「变化」したよ、何故? 服を着てる?って、僕の記憶にあった中で、適当に選んだってことらしい、凄いな、これも「神術」?なのか。

こんなんで良い?って聞くから、まあ、「良いよ」って伝えておいた。

今日は、少し、人の街を、ハクを連れて散策してみようと思ってね・・・


ハクに聞いたら、どんな様相、形態でいようとも、心身や精神的な負担など何も無い、ってことだし、虎でも、人でも、子供でも、大人でも、そういうもの、関係ないんだってさ。

そういえば、帝都の衛兵門からって、入ったことが無かったな?なので、二人で入ってみようか。

門は東西南北に4箇所あるようだけど、東門にしよう。重要な意味は無い、ただ、エドモント領側ってことだけ。

僕は、商人として、エドモント商業ギルドのカードを見せて、ハクは、使用人ということで、すんなり、入れてしまったよ。そんな、セキュリティで良いのか?

なかなか人通りが多いな、さすが帝都オリバーだ。

二人で並んで中央通りを西へ向かうと、中央市場が見えてきた。

一応、ハクには、小遣いとして、金貨10枚銀貨10枚、銅貨10枚を渡しておく、ハクが言うには、「大丈夫だよ、ちゃんと、使い方も知ってるから・・・」って、了解。もう僕の記憶やら経験がどれくらい知られているんだろう?

あと、昨夜、作っておいた指輪を渡しておいた。「収納」のカモフラージュにでもなればと思ってね。


*指輪収納  ミスリル製、白銀色、容量無限、時間停止 所有者限定;ハク


中央市場をフラフラしていると、ハクが、お菓子屋の前で立ち止まったりして、何か、もの欲しそうにしているので、好きなの買えば?って言ってあげれば、自分で金を払って、買い物が出来たようだ。ケーキに焼き菓子に和菓子? を買い込んで、「指輪収納」へ入れているよ。串焼きとか、肉にはあまり興味は無いのかな?

しかし、和菓子とはねぇ・・・勇者、転生者たちの遺産だね、僕にはありがたいけど。どら焼き、金鍔、酒饅頭、羊羹、みたらし団子、・・・・もうなんでもある。

そういえば、エンデのところにもあったな・・

僕も、少し、買っておいたよ。あと、ショートケーキにモンブランもね。


可愛い女性が、派手な金遣いで、しかも、どうやら「収納」の魔道具まで持っているし、隣の男は、どう見ても、強そうには見えないからね、まあ、目をつけられているな。ハクに、この悪い感じ、悪意、敵意みたいなもの、解る?

「うん、解る、嫌な感じの奴らだね、3人?」ってそう、3人組の、まあ、見た感じでは、冒険者、ランクは、D か・・


ハクに「念話」で伝える、「マッピング」で確認したら、この先に、人の気配のない裏通りがあるから、そこまで、このまま進んで、対処する、ってね。

さてさて、裏通りに入ってきたけど、本当に追いかけてきたよ、この連中。

「おい、怪我したくなかったら、金と、その指輪を置いて消えろ!」って、まあ、勝手な連中だよ。しばらく無視していたら、イヤだね、二人、剣を抜いてきたよ、ハクに、「こいつらに仕置きをするから・・・」って伝えて、

奴らに背を向けたまま、もう少し、近くまで寄らせてから、「加重」、二人は、抜いた剣を持ったまま、跪いてゼーゼー言っている、他の一人は、すでにうつ伏せ状態で、泡を吹いて気絶しているよ。


面倒なことは素早く片付ける、ってことで、更に「感電」続けて「催眠」で、眠りながら、体を痙攣させているよ。さて、お宝を回収。

*オリバー金貨9枚、銀貨20枚

あとは目ぼしいものは無し。ということで、二人して「隠密」で姿を隠して、別の場所に姿を現して、近くの見回りの衛兵と思われる人に、剣を抜いたまま、3人、通路に転がって気絶しているらしい、って伝えておいた。あとは、ヨロシク。


「ねえ? こんど、ああいうの、私もやって良い? 」

何?やりたいの? イヤ、面白がっているな、まあ良いけどね。魔物と違って、よほどのことが無いかぎり、できるだけ殺さないように、ね!って伝えて許可したよ。あとは、僕達がやった、っていう証拠を残さない、誰かに見られないようにすること、ってね。


そのまま、もと居た、お菓子屋のあたりから、散策を再開する。

途中、魔道具屋があったので、入ってみた。

何か? 不思議なものが並んでいるな? 何というか? 性能や効果が中途半端? でも、なかにはまとも?な物もあるか・・・


「収納の指輪」がケースに入って販売されているな、「鑑定」では、

容量・中、時間経過、これの売値が、金貨500枚か? 高いね。

「転移の腕輪」、一日2回使用制限付き、金貨500枚。

なるほど、あの漁師のミヤシタおじさんの装備は、合計金貨1000枚ってことか?まあ、村に代々伝わる魔道具なんだしね。買うことも出来るけど、平民で、金貨1000枚は、なかなか・・・だよ。


ちなみにって、聞いてみたんだけど、制限なしの「転移」とか、容量無限で時間停止の「収納」、の魔道具って、幾らくらいするのか?って。

そんなものは、今はどこにも無いし、あっても、値段はつけられない、って言ってるよ。ダンジョンの宝箱から、出ることもあるのにね〜


女性ものの服屋にハクが入っていったので、まあ、外で待っていたんだけどね・・

出入りする他の女性達に、胡散臭い目でジロジロ見られっぱなしだね。

どうやら、サンプルとして、動きやすいものをいろいろ買ってきたらしい、実際に着るものは、これをもとにして自分で作るんだとさ。「錬金」の「神術」みたいなものか?

なんてやっていたら、中央市場を抜けて、いつものリカロ商店に着いた。


僕の気配が解ったのか? 中からリカロさんが飛び出してきて、僕達をみて、何か?ホッとしたような顔になったよ、「こんにちわ」。

なんでも、つい先程、市場の裏通路のあたりで、誰かが強盗に襲われたようなのだが、強盗たちが返り討ちにでもあったのか、3人、気絶して倒れていたんですよ〜なんて、詳しく話してくれる。まるで、見ていたような正確さだよ、凄いな、こういうのを、情報収集能力?とでも言うのかな?


「へえ?そうなんですか、帝都も、安全ではないんですね〜」なんて適当に答えておいた。

ハクを見て、こちらは?って聞かれるので、少し、事情があって、今、僕のところに居るんですよ〜、なんて答えておいたら、

「ヒカルさんも、いろいろ、大変そうですね〜」なんて言うから、

「そんなんじゃ、無いけどね〜」ってね。そうだ、ハクを連れて、古龍と世界樹の所にも行かなければ、だな。



PS. 近況ノート 109 帝都オリバー 地図 です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る