第118話 火山島ダンジョン最下層  

第10階層 現在最下層 吸血鬼、レベル300


さて最下層は、二人には、少しキツめのレベルだな、まあ、二人なら行ける?

廃墟の宮殿に、居るね、ヴァンパイア。大きいよ、5mくらいはあるのが、椅子に座っているよ。

ひょっとして? と思って、念話してみる。

「こんにちわ」 「・・・」

駄目か? ならさっさとやるか?って思ったら、

「イヤ、ちょっと待て! お前なら、俺なんて瞬殺だろ? ちょっと待ってくれ」

って、何?話せるんじゃないか。なので、少し話を聞いていたら、

「お前ら、転生者だろう? とくにそこの2人の女子」って、僕もそうなんだけどね〜。それで、転生者に渡したいものがある、って言って、空間収納から出て来たものは、・・・生徒手帳だよ、まさかね? 奴を「鑑定」してみる、


種族 吸血鬼の王 ヴァンパイア 2200歳 ダンジョン・マスター 


って、じゃあ、生徒手帳は? まさか? お前が奪い取ったものなのか?

「イヤ、おれじゃ無い、その転生者が、ここに迷い込んできたときには、もう寿命がほとんど無くてな・・・俺が少し「延命」してやったら、いろいろ、転生者の話やダンジョンの話をを聞かせてくれたんだよ、って言ってたかな? 

それで、もし、彼、トシが死んだあとに、別の転生者と会うようなことがあれば、これを渡して欲しいって、預かっていたのが、それ、だよ」って、なんだ、こいつ良いやつ?なのか?

と、見れば、二人が、生徒手帳を開いて、泣いているよ・・・

どうやら、知っている転生者らしい。何年ぶり? 


2018年 18歳 高校3年 榊原トシヤ


トシくんは、いつごろ亡くなったのか? 聞けば、もう随分前、150年くらい前だったかな〜って言っているよ。

あと、気になることを聞いてみた、確か、少し前にこのダンジョンを探査したときは、まだ5階層だったものが、何故?今、10階層で、お前が、ダンマスをやっている?ってことを。

どうやら、最近になって、暇を持て余して? トシから聞いたことなどの記憶を整理して、ダンジョンの拡張を始めたらしい。それで、彼が残していった、「収納」空間を覗いたら、いろいろあって、中身はそのへんに散らばってしまったが、その空間から溢れた魔力がダンジョン全体に染み渡っていって、強固なダンジョンになってしまったということだ。

確かに見渡してみれば、散らかっているのは、トシの「収納」の中身か。

今、二人が、忙しく確認しては、各自で「収納」したりしているよ。

金貨は、ウエステン金貨が、500枚一袋、彼の服装やら、文庫本? それ日本から? あとは、こちらで購入した書籍が多い。武器は短剣とナイフくらいで少ない。戦闘組ではなかったのかな?

いずれにしても、同じ火山島で、こういう形だったけど、巡り会えた?ってことだね。

まあ、僕は、彼の「収納」の中身は不要だから、知り合いのものなら、二人が好きにすれば良いけどね。


それで、あの二人は、トシ君の同期の転生者らしいということと、この島、火山島で暮らしている、って教えてやったら、なら、トシと同じように、俺が時々、面倒をみても良いかな? っていうので、まあ、二人が良いならね、って言っておいた。

リリーさん達にしても、ダンジョンを、管理して、守ってくれる、強い味方みたいなものだから、断る話でも無いだろうけどね・・・


それで? 戦わないなら、それで良いけど、宝箱とかは? 出ないのか?

あっ、そうそう、って、僕の目の前に、ポンと小さな箱が現れたよ、

二人に確認したら、僕の好きにして良い、ってことなので、罠も呪いも無かったよ、事前に確認したからね、開けて見たら、・・・ただね、・・中身は、無い? イヤ、一個、小さな指輪が入っているな、「鑑定」では、


*指輪(神級)  創造神の加護の指輪、

         ****

これ、どうしたの?って聞けば、ちょっと前に、これからここにくる男に、これを渡せ、って「」がして、それが現れたのだという。

転生神、時空神、そして、創造神、か・・・、まだ、何かあるんだろうな、ありがたく、貰っておこう。


「創造神様、ありがとうございます」





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