第112話 聖教教会の残党狩り
スミレとミドリに、貴族依頼が来たそうだよ。まあ、依頼主はエドモント辺境伯で、エミリアお嬢様の護衛だって。
どうやら、スミレたちは、すでに、Bランク保留扱いになっていて、まあ、消化依頼みたいなものらしい。
問題は無いのだけどね・・・僕の知らないところで、・・・
で、マリン公爵領を表敬訪問して、その後、帝都まで行って、2泊して帰ってくる、というものらしい。
辺境伯側は、エミリア嬢、サクラ、御者、騎士団から4人、で、それに、冒険者Cランクが2名。この人選は、ガントさんと、サクラ、エミリアの打ち合わせで決まったらしい。
まあ、このメンバーなら、たとえ、裏切り者が出ても問題ないだろうな。前とは違う。
3人も、僕の関係者がいるんだよ?これで、何か?出来る? まず無理だろ!
僕は、3人とは、念話もできるしね、ここは素直に送り出そう。しかも、明日の朝の出発だって、早いな。
一応、サクラには、念話で、二人のこともヨロシクって言っておいた。
僕は付いてこないのか?って言うから、今回は、行かないって言っておいたよ。どうせ、マッピングで追跡できてしまうんだけどね、それも無しだ。
ノエルのところへでも、と、「転移」してくるが、あれ? また居ないな。
僕の気配を感じて、幹部がやってきたが、魔王様がどこかは知らないようだ。
また、帝都の本屋で立ち読みかな?
まあ、良いや、帰りにまた寄るからって立ち去る。
このあたり、ノエルがいたから、あまり調査もしてなかったけど、何事も、灯台下暗しっていうしね。もっとも、その前に、帝都の西側って、来たこと無かったよな〜
それで、「隠密」で、上空から観察しているけど、一箇所あるんだよ、気になる場所が。ちょうど、海岸までの中間地点の山裾。一箇所、不自然に盛り上がっていて、何かを埋めた?埋まっている?単なる土砂崩れ?
真上まで行って、「空間察知」、地中に部屋が4部屋あって、人もいる。しかも、この人の気配は、知っている気配だよ、例の、聖教教会魔道士たち。
まだ、しぶとくやっているのか?
って見ていたら、急に人が現れた。これは「転移」だ、中から「転移」して出てきたのか? よく見れば、それっぽい腕輪をしている、「短距離転移」の腕輪。
オストリア大陸のナンド男爵も逃げる時に使っていたけど、あれとは違う魔力パターンだから、別だろう。まさか? ナンド男爵も、教会関係者だったって?なら、問題がややこし過ぎるよ。
それで、どうやら、この教団の腕輪は、「鑑定」では、距離が短いだけで、回数制限とかは無いようだ。しかしまあ、あの教団もいろいろ持っているものだ。
さらに、こういう使い方をされれば、出入り口を作らなくて良いから、ほぼ完全に隠れ家にすることができるな、まあ、僕が見ていなかったらだけどね。
さて、もう少し詳細に「探査」してみる。4部屋のうち、2部屋は倉庫、物置、金貨の箱が積み上げられている。ミスリルとオリハルコンのインゴットが多いかな? 武器は、聖剣?が10本、うん?これ誰が作っているの?
残りの2部屋のうち大きい方は、魔道士達の集会場。小さい部屋に、3人いるけど、これ、幹部だね。レベルも高めで、150程度あるよ。
そのうちの一人、彼のスキルに、「錬金」がある。それだけならまだ良かった?けど、他に、「収納」と「鑑定」、「転移」まで持っているよ、これ、転生者だね。
「鑑定」では、
転生者 ツトム 250歳 呪い状態 聖教教会に隷従
錬金、収納、鑑定、転移、召喚、
ってまあ、厄介なのが敵にいるよ。
ここ、100年位の間の教会の脅威や魔道具は、こいつが関わっているのかも?
よく調べてみれば、いろいろわかってくる。
まず、両手に腕輪、これ呪いの「効果維持」、「状態維持」の腕輪。
首輪、これは強力な「隷従」の呪いを発し続けている魔道具。
両足首に、足枷、オリハルコン製?
何と言うか? 彼も、教会の被害者? しかも長い期間。でも、教会の力の根源であることも間違い無い。さて、どうしたものか?
とりあえず、4部屋全体に、「催眠」の風を流してみる。うまいこと効いたようだが、流石に、転生者には聞かなかったようで、周りが眠って倒れてしまったことに、あせり?驚き?、そんな感じ。
まず、彼に装備されたものを外す。
魔道具を指定対象にして、回収。うまく外れたようだ。間をおかないで、「解呪」を強めに、「浄化」も強めにかける。
さすがに、長年の呪い状態の強制解除は、脳に負担がかかるか? 頭を抱え込んでうずくまって、口から泡を吹いて気を失ってしまった。まだ、息はあるから、生きてはいるよ。
さて、まず、残りの眠っている連中を縄で「捕縛」して、広い部屋に全員を集めて、「結界」に閉じ込めて、中に、更に「催眠」を強めでかけておく。
倉庫や物置の荷物は、そのまま回収して、「帝都西教団地下部屋」区分にまるっと収納する。
残りは、転生者、ツトム君だけど、まあ、教会関連だから、あそこに回しておこうかな、ということで、メモを書いて、
『前略 大公様、帝都西の山裾、地下に、聖教教団が隠れていました、隷属の呪いを長年かけられたまま働いていた転生者がいましたので、そちらに転送します、
なお、「捕縛」した教団関係者も、追ってそちらへ送ります。 白霧』
メモをつけた転生者を「白霧」とともに、大公屋敷の中庭に「転送」。転生者には、「白状」を掛けておいたので、何か?喋ってくれるだろう、恐らく、呪いも解呪されているだろうし・・・
そうそう、急遽作った、「転移スキル無効」の「御札」を背中に魔力で貼り付けておいたので、「転移」で逃げることもできないだろう。
次いで、捕縛、束縛した連中も、そのうちの二人の幹部と思われる者たちに「白状」をかけて、「白霧」とともに、大公屋敷中庭へ「転送」。あとは、ヨロシク。
*転移スキル無効の御札 普通の転生者が「転移」(転生者級)を使おうとしても、僕の作った「転移無効」(神級)のせいで、使えない。同じ転生者の「転移」でも、僕のは、神の加護を得たものだからね・・・
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