第111話 不浄の地への対応
塩漬け依頼の中にもあったけど、昨日、ガントさんからの「独り言」では、開発地区の端に、墓地というか?遺体の埋葬場、遺体捨場があって、そこを調査というか?何とかしたい、っていう話。
僕に、何とかしてくれ!って言っているよね?
現在、その場所のあたりには、簡易的に壁を作って、出入り禁止になっているようだけどね。なので、スミレとミドリを指名すれば?って冗談で?言ったら、本気にしたよね? 早速、二人に連絡が来て、「やって欲しい」ってさ。
もう、ここの領は、全部、火葬してちゃんとやっているんじゃなかったのか?って聞いても、あそこは、いままで、領地の外だったところで、放置されてきた、って、それ、放置してきた責任者がやれば良いんじゃない? といっても、なあ、そうなると、国王で、しかも、今回、辺境伯領として拡張できる範囲にあるので、それは、辺境伯の責任になるそうだよ。まあ、王家が、どうしようもない、ささいな案件を丸投げ、ってことだな。
なので、当然かな?サクラも出てきたので、ちょうど良いから、3人で自己紹介をしあって、みんなで、チャチャっとやってしまおう、ということになったよ。それで、実行は、人の目が少なくなる夕方からということになった。
まず、「隠密」状態の3人が大きな「認識阻害」の「結界」を張って、中に、「解呪」、「浄化」、「清浄」をかけまくる、まだ、魔物化していない遺体もあるので、穴を掘って、埋めて、「火炎」で火葬、その後、再度、「解呪」、「浄化」、「清浄」。
これを、指定された範囲に渡って繰り返していく。
まだ、明るいうちに終わったので、荒野を見渡せる。
一応僕も、広い範囲に、浄化の雨を降らせて、一面の「解呪」と、少し地面を湿らせておいた。
そこへ、スミレとミドリが、「土壌改良」「緑化」をどんどんかけていった。
スミレは「緑の腕輪」で、ミドリは、まあ、「緑の腕輪」でも良いけど、世界樹だしね、土魔法、緑魔法を駆使して。園芸、緑、農業関連の魔法をかなり開発しているようだよ。
もう日が沈むが、完成だね、見渡す限りの緑の草原、「気配察知」でも、もう、死体も、アンデッドも魔物も居ない。暗くなってきてから、「結界」を解除する。
明け方、ここを見た人は、まあ、驚くのだろうな・・・
『一晩で、きれいな草原になった、妖精さんの仕業かも?
放置された遺体に、神の導きがあった、薬草が多くて、取り放題だ、有り難い、ありがたや・・・』
サクラから、ガントさんに報告するようにって言っておいたよ。
綺麗にした方法?それは「秘密」。誰がやった? 「スミレとミドリ」ってね。
後で聞いたら、あの場所は、領内に新たに取り込んで、暫くは、薬草採集の場所として解放するようだ。そのうち、忌々しい記憶も消えるだろうしね。その後は、宅地開発するのか、農地化するのか、それはわからないけどね。
スミレとミドリは、ガントさんから、直接、報酬を貰っていたよ、それぞれ、金貨50枚だってさ。伯爵からの分も合わせて、というけど、何か? 僕がやるより、高額報酬のような気がするな〜。しかも、僕の知らないところで、二人共、すでにCランクだって。
まあ良いけどね。それで、最近、冒険者が、狩りをする頻度が減っていて、領内で、食肉不足なんだってさ。なので、手持ちを売ろう。
商業ギルドで、イナーバさんを呼んで、そんな提案をしたら、「是非!」っていうので、どのくらい? 「いくらでも」。どこへ出す?
「裏の倉庫に、保管用の収納箱があるので、その中に」
ということで、まあ、解体の必要のない、ダンジョン産の、ブロック肉を納入していったよ、中には、先日の、高山オークやワイバーンの最高級食用肉もあるからね〜、あとは、前に、解体して保存しておいた、普通のオークのブロック肉がたっぷりあるよ、それらを、惜しげもなく、ボンボン出して、移動していった。
代金は、まあ、「イナーバさんを信じて任せますよ」って、どうせ、口座入金だしね。いくらでも良いです。
これで、市場の肉事情も、1週間くらいはもつ?よな? なので、来週は、冒険者ギルドに、解体前のものを出そうかな? それに、ドラゴンもあるな、数体なら出せるし・・・
海のものもあるしね〜。 そうだ、古龍のとこも行かなければ、だよ。
なので、いつものルートで、まずは、王都のリカロ商店で酒を仕入れして、古龍ストームのところへ、配達分を出して、収納から、龍泉水の樽を出して並べて、すでに、熟成の進んだ龍泉酒を分けて、半分をストームのために残して、のこり半分を、世界樹に捧げよう。あれって言っては何?だけど、ミドリの母さんなんだよね〜
ということで、まずは、精霊の泉で、何故か、待っていたような精霊たちを仕切るウインディにお菓子類をドーンと出して分けてもらっているうちに、世界樹まで歩く。いつも、本当に不思議だよ、泉から、10歩も歩いていないのに、もう、世界樹の根本、ここに、龍泉酒の樽を並べる。
いつものように、すぐに消えてなくなり、
「いつも、ありがとう、ヒカル君?」ってあれ? 雰囲気が変わった?どうしたのかな?
「だって、ミドリがお世話になっている、パパだからね、・・・」ってまた、わからないことを言い出したので、話を変えよう。
幹に、両手で触れて、いつものビリビリを感じながら、日々の感謝と、加護へのお礼を告げる。と、何か?大きな光の粒が、手を、そして腕を通って、僕の体に吸い込まれていったよ。何?
「鑑定」でステータスを見てみれば、
*世界樹の加護、追加 ****
また、秘密なものが入ってきたな・・・・ あと、まだレベルが上がるのか?
>レベル1800、魔力2400
これだけレベルが高いのは、古龍の話では、もう人の寿命なんてものは通用しないそうで、僕は、何? 人間をとうに超えてしまっているのか?
古龍情報では、どうやらそういうことらしい、よ。
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