第106話 サザランド王国に召喚された転生者
スミレとミドリを連れていって良かったな。
古龍のところからの帰り、今、ゆっくり「飛行」している。
「飛行」で帰る!って、2対1で、多数決で負けた。
ストームのところから、真南に飛行しているが、この辺りは、サザランド海域の西の端あたりだ。ここから、東は、まあ、魔の海だけどね、方向磁石は効かないよ、魔物は出るし、潮の流れは不規則だからね。
眼下に、そんな海域に向かって進んでいる貨物船?が見える。
「気配察知」では、どうも、人の気配が無い。どこ?の船だろう?かなりボロ船だよ。二人に話して、下りてみることにした。
船に下りてみれば、マストは折れて、船尾の舵も破壊されている。甲板には、5cmくらいの穴が抜けていったあとがある、貫通はしていかなかったようで、船内にソレが落ちているよ、隕石だ。
操舵室?には、鍵のかかった箱が2個、あとは何も無い。鍵を壊して中を見れば、まず、最初に目についたのが、生徒手帳?が3冊。
転生者たちなのか?生徒手帳を開いてみる。
それにしても、日本からの所持品は、劣化も風化もしないで、残るんだな、そこに書かれているのは、
2010年 **高校 3年 守山健太郎 同じく、畠山さつき、神山みさき
サザランド王国に隕石が落ちて居た頃の話しなのか? どれくらい前なんだ?
どういう状況で、こうなった? ヤミちゃんを呼んで、この手帳から、何か持ち主の事とかわからないかな? 「うーーん、かなり古いよ? どうかな? やってみる・・」って、手帳に触れて、魔力を流しているよ。
「あのね〜、わかんない、でも、この人たち、人間じゃなくて、オーガだったみたい」
って、ますますわからないな。
健太郎の手帳の後ろのほうのメモ欄に、殴り書きを見つけた。
『 ・・・僕達には勇者スキルが無かったから、何かの薬を飲まされて、オーガにされて、サザランドのお城を追い出された、あと女子2人も。
ここ何年も、この国に、隕石が集中的に落ちて来ているようだ、ヤバイんじゃないか?ここ。どこに逃げれば良いんだろう・・・』
まあ、わかることは・・・
サザランド王国は、勇者召喚を行っていた。人間を魔物に変える薬があった。隕石は、何年にも渡って、落ちていた。この3人の転生時期は、隕石が落ちていた時期。
ってことくらいか?
念の為に、船内を探索してみるけど、あの箱以外は無い。彼らは、どこへ消えた?
あと、箱の中には、サザランド金貨が50枚あるけど、オーガの姿で使えたのか?
イヤ、そうか・・・箱の下のほうに魔道具の腕輪が6個ある。鑑定では、これ、「人化」の腕輪だよ。どこからか、こういうのを入手して使っていたのか?
あとは・・・その下に、薄っぺらい大きめの財布?ポーチみたいなのがある。
しかも、小さな魔石が組み込まれている、けど、魔石は魔力ゼロ状態、でも、何とかなるかな?なので、僕の魔力を流して所有者を上書きできた。これ、マジックバッグになっている、色や柄からして、女子のものかな? バッグの異空間収納が崩壊していなくて良かった。
中の収納リストを見てみれば、サザランド金貨100枚、銀貨100枚、着替えの服装、化粧道具、ZEBRAのボールペン2本はまだ使える。コクヨのCampusNote、未使用2冊、何か、書いていてくれたら、よかったな。
転生時に持っていたものか? ラノベ文庫が4冊・・・
*人化の腕輪
*ポーチ(女物)マジックバッグ
*サザランド金貨150枚 銀貨100枚
*ZEBRAボールペン、コクヨCampusNote、文庫、
なにはともあれ、転生者3人の情報を得られた。
難破船は、そのまま回収して、収納しておいた、しかし、どこから流れてきたのかな?
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