第102話 スタンピード 

みんなを集めて、妖精通信の内容を情報共有する。

3精霊は解ってはいるだろうけど、スミレやミドリも連れていくから、全員で計画を立てよう。

1.スタンピードの原因は?

2.魔物の様子は?

2.大公領の2人の勇者の様子とか防衛力・戦闘力は?

3.大公領内で、おかしな動きはないか?


発生源や魔物の様子や原因などは、セイランに行って探って欲しいこと、大公領内の動きや情報は、妖精たちとウインディとライムに、スミレとミドリは、初戦ということもあるので、僕と一緒に行動、ヤミは僕の補助、ってことで、みんなにお願いしたら、「まかせて!」「まかせろー」ってすっ飛んでいったよ。


さて、僕も行きますか? スミレとミドリには、まあ、しばらくは見学してて、って伝えておいた。

「隠密」で透明化状態で、まずは、魔物が進軍しているのを上空で眺める。

確かに、山の方から、一直線に領に向かって走っている。


先頭は、魔狼の大群が500匹、ゴブリン、オーク、オーガの群れ、と続いて、魔大蛇、数体、コカトリスの群れ、地中を動いているのは、魔芋虫、数匹、空には、ワイバーンが9頭、旋回しながら向かってきているよ。


かなりな大群だけど、いきなり、この規模は、おかしい?な。

誰かが、追い出して逃げてきたものなのか? あるいは、領に何かがしかけられていてそれに引き寄せられているものなのか? あるいは、その両方なのか?

みんなの情報待ちかな?


そうだ、ノエルにも伝えなきゃ、だよね。

だって、魔物がらみなんだし、言っておかないと、また、あとで、ウジャウジャうるさいしね。念話したら、

「呼ばれて、ジャジャン!」って誰の真似してんだよ、まあ、即、参上ですね。

一応、情報共有して、まずは、魔物関係で手伝ってくれないか?ってお願いしたら、「任せろ!」っていうので、魔物の調査をしてもらうことになった。


セイランからは、どうやら、魔物を呼び込んで追い出した奴らがいる。

魔道士6人で、「召喚魔法」で魔物を呼び出しては、送り出している模様。

今、黒竜が召喚されたがこれで最後だろうという。

魔道士たちが全員、魔力切れで事切れたようだ。

セイランに言って、一応そこにいる魔道士達を、「収納」しておいてくれるように頼んで、あと、使った魔道具や魔法陣など、手に入れられるものがあれば回収しておくように伝えた。魔物討伐は、指示するまで、待って欲しいとも。


「収納」された魔道士たちを僕の「収納」に転移させてみるが、彼らの魔力残滓の気配から、この前の聖教教団の魔道士と同じだ。残党がやったのか?


ウインディ達からは、領内で魔物寄せの魔石が見つかったが、まだ、2個しか見つけられていない、魔石の近くにいた魔道士みたいなのに「自白」させたら、残りまだ、8箇所も仕掛けられているらしい、と。

なので、ヤミちゃんの応援ヨロシク、と言うが、伝えるまでもなく、ヤミが黒ダイヤから出てきて「いってくる〜」って飛んで行ったよ。


あとは、大公領の防衛力では、この魔物の大群を処理できそうもないと思われる、って全妖精達の進言。じゃあ、手を貸すしかないよな。

その前に、手紙を書いておこう、


『 前略、大公様、 現在おこりつつあるスタンピードに関して、こちらでも調査したところ、例の聖教教団魔道士達の残党?が関係している模様。北山の方で、魔物召喚をして領に送り込む計画で、領内には、魔物寄せの魔石魔道具を持った魔道士たちが10人、配置されて居る模様。2人は潰しましたが、残り8人はまだ現在調査中。

魔物の方は、当方で、少し間引きしておきますので、原因の魔道士達の捕縛、処分をよろしく。 白霧』


って書いて、大公屋敷の中庭に、白霧とともに転送しておいた。

ちょうど、ノエルからも連絡が入った。

「こやつら、駄目だ、頭がイカれておるよ、成敗しても良いぞ〜」

ということなので、まず、セイランには、群れの後方、ドラゴンから、ゆっくりで良いから、魔物狩りを楽しんでくれ! って指示し、精霊たちには、領内で、探索を頑張って貰って、僕達は、正面、魔狼の大群から、狩りを始めよう。


さあ、スミレ、ミドリの出番だよ、実践、本番、魔物狩りだ。



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