第101話 世界樹とミドリ 

「転移」でも良かったけど、ミドリの練習のために「飛行」で飛んで行く。

目的地は、精霊の森、世界樹のミドリの母さんのところだ。


指輪に仕込んだ「飛行」魔法も異常なく使えているようだ。

まあ、まだ飛び始めだからね、飛び方はフラフラしているけど、本人が感激して、キャーキャーって叫んでいるし、合わせてスミレも何か?叫んでいるし・・・あれ?そういうキャラなの?まあ、何でも良いけど、楽しそうに飛んでいるよ。


ついでに、飛びながら、「隠密」で透明化とか、「フラッシュ」とかを発動して貰ったが、正常だ、基本スキルのレベルは高いけど、こういう小賢しい?魔法もあったほうが良いだろうよ。まだ、そういう魔法を実験していなかったスミレも、一緒になって「隠密」や「フラッシュ」して、楽しんで?いるよ。

少し、距離があったけど、難なく精霊の森の上空に来れたので、「転移」で、世界樹の元へ移動する。


到着そうそう、ミドリが「ただいま〜お母さん!」って世界樹に触れた途端に、幹の中に吸い込まれていった。すごいな! そんなことも出来るのか?

スミレも真似?して幹に触れているけど、まあ、吸い込まれはしないよ、絶対に。


3分くらいして、ミドリが出てきて、

「お母さんに、ただいま、してきました」って言うから、頭を撫でてあげてから、アッ、と思ってしまった。つい、撫でて・・、ミドリに触れてしまったよ。

でも、本人も、それが当然って顔で、まんざらでもないようだけど、一応、

「ごめん、つい、撫でてしまって・・・・」

「良いの、だって、パパなんだよ〜」

って、何?逆に諭されているの? 覚えました、メモしておくよ。


「ヒカルよ、すまないね〜」って世界樹さんですね、しゃべってくれてます、

「あんたから貰っていた魔力をかなり、その娘に充填していたら、そんな娘になってしまったようでね〜。でも、まあ、良い娘に育ってくれてるよ、ありがとうよ」

って、そうなんですか? そうなんですね。 解りましたよ。

「それに、何? 随分面白そうな『おもちゃ』を与えてくれたんだね、ありがとうよ、この娘にはもったいない物をさ、私も、何か欲しいくらいだよ〜」

といわれてもね、いつも、貰ってばかりで、僕が差し上げられるものなんて、「龍泉酒」以外にあるのかな?まあ、考えておきますよ。


それと、「古龍ストームのオヤジにも、この娘を見せてやってくれ」って言われる。「龍泉酒からの古龍の魔力も、その娘に注いであるからね」って言う。なら、パパは、ストームでも良かったのでは、なんて思っていたら・・・

「なあ、ヒカルよ、パパと呼ばせる奴は、最初から決めていたしね、それは、娘の意思でもあるんだからね、まあ、よろしく頼むよ」

ってそこまで、言われるんですね、はい、出来るだけのことはしてみますよ。


その後は、スミレを呼んで触れさせて、また、何か? 秘密の対話が行われているな、それで、いろいろ、植物の「種」が、スミレに与えられた。農園用にと、お願いでもして貰ったのかな?

僕も、龍泉酒の樽酒を2本出して、根本に置いたら、直ぐに収納されて、

「いつも、すまないね〜、ありがとう」って言ってくれたよ。


その後は、3人で、精霊の泉に寄って、水を汲んで「収納」していたら、ワラワラとみなさんが集まってきたよ。3精霊に、セイランまで、なぜ?君がここに居る? まあ、良いけど・・・それと、妖精たちがワンサカだよ。


代表?して、ウインディ、ライム、ヤミ、の3上級精霊が、手の平を上に向けて、差し出してきたよ、何かが乗っているわけではないな、これは? 

はい、わかりましたよ、催促ですね・・・

なので、お菓子と果物をたくさん、「収納」から出してあげたら、いつものように、ウインディが仕切って配ってくれている。ショートケーキのクリームやチョコレート、果物の甘い汁などを、顔面をベタベタにしながら食べている妖精たちに、水精霊のアクアがピュッピュッって水を飛ばしてきれいしてあげているけど、あれ?アクアも遊んでいるな? ここは、いつも平和な場所だよ。


空のペットボトルを20本「錬金複製」して、スミレとミドリに10本ずつ渡して、ここの精霊水を詰めて、持っておけば?って言ったら、頑張って、水を汲んでいるよ。この水は、飲めば美味しいし、魔力充填も出来る、人間の怪我や病気まで直してしまう、不思議な水「精霊水」だよ、って一応、説明しておいた。

まあ、ミドリにとっては、生命の水、なんだけどね、僕の生活魔法の水のほうが良いっていうから、僕としてはいつでも出せるから楽なんだけど・・・


3精霊たちを呼んで、ミドリを紹介する、

「もう、君たち精霊は解っていると思うけど、今度、一緒に暮らすことになった、世界樹の娘さんのミドリさんです、って、ウインディ、ライム、ヤミ、に紹介した。そしたら、ウインディが代表して?

「うん、知ってたよ、楽しみにしてたんだ〜どんな娘かなって、でも、良い娘だね〜、私達も「大好き」だよ」ってさ。ミドリも自己紹介をして、もうみんなで、和気あいあい、スミレも混じって、お菓子に群がって行ってしまった。

これは、追加で、お菓子が必要だ。


そんな時に急に「妖精通信が入ってきた」ってウインディが騒いでいる。


マーテン大公領に、魔物の大郡が押し寄せているんだって、スタンピード?

魔物たちは、領の北、ノスエラ王国との国境の山岳地帯から出てきているらしい。

まあ、あそこには、元勇者が2人もいるし、大丈夫とは思うけど、妖精たちが知らせて来たことが、少し気にかかる。

ここから遠くはないし、ちょっと見にいきますか?



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