第97話 世界樹を新しく植える
翌日は朝一番で、スミレを連れて、世界樹まで「転移」してきた。
僕と同じ魔力だしね、スミレ一人でも、来れるとは思うけど、今日は一緒だ。
スミレが、
「世界樹様、私を進化させていただき、ありがとうございます。これからも、ヒカルさんを支えて、やっていくつもりです。」
「・・・」
まあ、世界樹は、なかなか答えてくれないな、なので、スミレの手を取って、世界樹の幹に触れさせる、触れることが出来たよ。拒否はされなかったな・・・
僕にも、軽くビリビリってきたけど、あとは、手を放して、今は、スミレだけが手を触れている。長いな、何か対話でも出来ているんだろうか?
しばらくして、スミレの手が離れて、また? 泣いているのか?
こういう場合は、僕からは声をかけない、放置。
しばらくしたら、ニコッって笑った顔を見せてくれたよ、よくわからないがOKだね。きっと。
僕も、世界樹に手をあてて、「ありがとうございます」って伝えて、二人で「転移」。サザン別荘に戻ってきたよ。
スミレに、世界樹と何か?あったのか?長かったけどって聞いても・・・答えてくれそうも無い。ただ、ニコッってされただけ。
まあ、きっと、そんな悪いことでは無かったんだろうな・・・
なので、今日は今から、まだ使っていない畑に種を蒔こう。
作業場の真南に、種を植える、先日食べた世界樹の種だよ。
ここで、世界樹が育つのが、良いか悪いかはわからないが、僕は、植えたい、ここに。
二人で、大きな種を埋めて、「水撒」「促成栽培」で、双葉が出てきて、大きくなって、もう、20cmはあるな。再度、「促成栽培」をかけておいた。
手を洗って、居間で、メロンでも食べようか、と思っていたら、突然、ウインディたちが、3人、揃って、現れたよ。どうした? 何か、久しぶり?
「何で、世界樹まで来てたのに、泉に寄らないの!?」 って叱られた。
まあ、そりゃあそうか、そうだよね、「ごめん!」
それだけ?って聞けば、まあ、文句はついで、だったらしい。
本題は、ここに、世界樹の気配がするから、飛んできた、って、素早いね。
スミレを紹介したが・・・何と、スミレは僕と同じ魔力があるから、精霊たちが見えるんだってさ。なので、3精霊たち、ウインデイ、ライム、ヤミを紹介して、お互いに、挨拶していたよ。セイランはまた、今度で良いかな?
それで、屋敷の東に、庭と畑を作ったこと、スミレが園芸をやりたいんだってこと、そこに世界樹の種を植えて、栽培しようとしていること、などを、かいつまんで話して、情報を共有したよ。
あれ? 3精霊たちとスミレが、何か、気があったのか? いろいろ騒がしいようだよ。よかった。
・・・と、ヤミちゃんがこっちに飛んできて、
「ねえ、あの娘、スミレちゃん、良い娘だね、ヤミ、好きになったよ」ってわざわざ言いに来るんだね・・・
「あとね、あの世界樹の赤ちゃん、もうすぐに、世界樹と繋がるよ〜」って、解った、そういうことなんだな、納得。
あの場所で良かったのかな? 大きくなったら聞いてみよう、話をしてくれるのかな? 移動は出来るかな?
もうそのあとは、スミレとおチビさんたちとで、フルーツ・パーティだよ。スミレが収穫した果物と、手作りのジュースを、精霊たちに振る舞っている。何か?良い感じ。
パーティも終わったあとで、精霊たちが、世界樹の幼木に、何やら?綺麗な光のシャワーを浴びせていたよ、何? 精霊の加護? それとも、成長促進剤?
きっと、悪いものでは無いだろうな、そんな気配を感じないし。
ウインデイとライムは飛び立っていって消えた、ヤミは、そのまま僕の黒ダイヤに吸い込まれて消えた。本当に、みんな、自由!だよ、まあ、精霊だしね。
片付けは適当に、不要なものは、トイレ横に設けた、「ゴミ箱」へ、これ、異空間の「廃棄」収納区分に繋げてあるから、いきなりブラックホールへ間違って捨てて、回収不能なんてことにはならないようにした。
*ゴミ箱 ヒカルの「収納」内の「廃棄」区分にリンクしている
翌朝は、まあ、予想できていたことだけど、言ってみれば、赤ん坊が一気に少女?になった感じ? 世界樹の幼木が既に、3mを超えているよ。
スミレが寄っていって、幹に手を触れて、・・・ あれ? 何か対話してるのか?
あれか? 元の世界樹に何やら、長い間、手を触れていたけど、これも関係してる?
それで、スミレが言うには、この世界樹も「明日には、本体と繋がることができるはずだから、もうちょっとだけ、待っていてね」ってことらしい。
それで、赤ちゃんにはミルク、というわけでも無いだろうが、今日一日は、精霊の水か、僕の生活魔法の水が欲しいんだって、ってことなので、精霊の水の500ccボトルを10本出してあげた、足りるかな? どうやら、スミレは、今日は、付ききりで、世話をしてくれるようだ、本人の希望だからね、NOとは言えないよ・・・
水が不足しそうなら、「念話」してくれることにした。
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