第81話 転生者 ミスズ
市場の中で、魔石や宝石などを売っている店があって、「買取します」なんていう看板もあるので、声をかけて、持っている魔石から、オークの魔石を10個、宝石は、小さめの2cmのダイヤを2個出して、「こんにちわ、これ、売りに出したら、幾ら?」「・・・・」
しばらく考えて、メモに書いてくれたよ、あれ? しゃべれないの?
まあ良い、メモには、
魔石1個5銀貨x10=50銀貨=5金貨
2cmダイヤモンド 10金貨x2=20金貨
合計 25金貨
って書いてあるので、「じゃ、それでお願いします」って言ったら、「腕輪収納」から、25金貨を出してくれたので、魔石と、宝石と引き換えに、商売成立。あっさり・・・簡単!
実際の値段の相場なんて知らないから、言い値なんだけどね。
店を出て帰りがけに、「ありがとうございました」って言われた。何? 話せるじゃん。
しかも、腕輪収納の魔道具も持っているし、これこの国では普通なの?
一応、「鑑定」。
▶ミスズ、転生者、150歳、女性
・レベル150
・スキル 鑑定
エッ、転生者なの?
「・・・・こちらこそ、ありがとう、ミスズさん」って日本語で言ってみた。
そしたら、手招きするので、悪意も何もないようなので、寄ってみれば・・・
あんたは日本人なの?って聞いてくるので、「そうだよ」
いつきたの?「まだ、一年たってない」
日本は西暦何年?「2022年」
勇者の関係なの?「違うよ」
「・・・・」
何となくだけど、このままにしないほうが良さそうに思ったので、こちらから声をかけて、「少し話しましょうか?」「・・・うん」ってことになった。
彼女も、勇者召喚の時に高校のクラスごと召喚されたようだが、勇者一行の者が持つべき称号が無かったので、そのまま金貨10枚渡されて、追い出されたようだ。
呪いは? 「無いと思う」っていうので、「鑑定」しても、確かに無いようだ。
このときの召喚には呪いは無かったのかな? あるいは、勇者一行にだけ呪いをかける、とか?
それで、一応、「鑑定」が使えたので、それだけで、いままでやってきたんだってさ、凄いね。
聞けば、「向こうを発ったのは、2020年、高校3年、18になったばかりのころ」
他のクラスのみんなは? 「全然わからない」
ここ、エンデの王様が転生者だって知ってる?「うん、それでここへ来たから」
でも、来ただけで、王に会ったりとかは全然していない、けど、なかなか住心地が良いから、ここにいる、って。
あんたは? っていうから、僕は、60歳で、召喚に巻き込まれて、転生時に弾き飛ばされて一人きりで、いろいろ、助けてもらって、今は、サザン島に別荘を持ってそこを拠点にしている、・・・って話したら、「何?そのチートなの」ってふくれっ面だよ、まあ、仕方が無いじゃないか・・・
どこに住んでいるの?「平民地区に家を借りている」
「・・・・」
「ねえ、転移とか出来るの?」「まあ、出来るよ。この腕輪とかでね。」
「そうだよね、ここに来るのに、船か「転移」か、でなきゃ来れないものね」「・・」
それで、何か不満でもあるのか? 希望は? やりたいコトとか? って聞けば、
今のところ、ここで良いし、今のままでも良い、ようなことを言っているので、
なら、頑張れよ! また顔を出しても良いか?って聞けば、「是非」って言うので、今日は、そういうことで、話を終わりにして店を出た。
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