第80話 エンデ王国  

前に、エルマー王のタケシの部屋から、勝手に「複製」させてもらった袋詰の金貨を見ているんだけど、この模様は、まだ、記憶に無い。

「鑑定」では、エンデ王国金貨


エルマー金貨と同等、相互流通可能って、エンデ王国? どこ? 

マップで、火山島周辺を見てみれば、そういうことか、ウエステン王国の先の山岳地帯の向こうに大きな王国があるよ。


王国の殆どの領土を三重の石の外壁にしていて、その中、中心部に、王家、貴族屋敷、商人屋敷、平民屋敷、漁師屋敷、が区分され、その外側に二重に、農地が広がって、それも囲われている。

港があって、近くに、冒険者ギルドと商業ギルドが建っていて、王都中心部への通行門にもなっている。そばには、近衛兵達の宿舎もある。

かなり整備された街の構成だ。

王城を「鑑定」。


▶エンデ国王 エンデ 

・転生者 300歳(元)勇者 レベル250

・錬金、収納、鑑定、転移、

・農業、経営、

・聖魔法、治癒魔法、土魔法、農業魔法、緑魔法、


なるほど、なるほど・・・勇者が作った王国なんだな。まあ、最近? 200年くらい前?

貴族に領地を分割して経営させる、なんていう「領地経営」ではなくて、貴族も王都内に住まわせて、農地を分割して使用させて、そこから税を徴収する。貴族は2階級で、殆どが平貴族、王家の関係だけが公爵家で、現在4家。


この広い王都の通行用に、分け与えていると思われるのが、「転移の腕輪」で、あと、収穫用、商材、素材の運搬用に、「収納の腕輪」、これらが、よく見られるな。

貸与か販売しているかは分からないけど、ある程度の使用制限はあるが、便利だ。

勇者の考える領地経営なんだろう。


*近距離転移の腕輪:一日に2回使用可

*収納の腕輪   :容量・大 時間経過(ゆっくり)


「錬金」の得意な?勇者が作ったものだろうな。なかなか、興味をそそられる。

自前で、鉱山も抱えているし、近くのダンジョンでも、鉱石を採れるんだろうから、自前の金貨も作れるってことか・・・

ここから、近いから、エルマー火山島の転生者たちとも、繋がりがあっても不思議ではないな。

今度、行ってみよう、陸の孤島?僻地だよ、行っても良いのかな?

ここへは、海路しか無い? う〜〜ん、どうしよう?


基本は、「商人」「行商」として、能力は秘密、なので、魔道具でごまかせるか?

「転移」? 「飛行」? 

「転移」はスキル寄りだから、魔法っぽい「飛行の腕輪」?

「収納」は、リカロさんに販売したのを改良して、「指輪収納」で、

この2つがあれば、行動の制限は無くせるか?


*飛行の腕輪 

 使用者限定:ヒカル    

 「龍飛行」を組み込んだので、「隠密」も発動できる。

 >鑑定「能力隠避」で、「飛行」と「認識阻害」が見える    

*収納の指輪  

 使用者限定:ヒカル 不壊、サイズ自動、ミスリル、

 社章マーク、

 容量無限、時間停止、

 >鑑定「能力隠避」で、「容量大」「時間経過」と見える


あとは、もし問い詰められたら、・・・これらは、怪しい人だったけど、性能を確かめてから、大金をはたいて購入したもの、ノースリア未開地のどこかの遺跡で見つけたものらしい、と。


さて、直接、行ってみよう。エンデ王国の冒険者ギルド。

まずは、「隠密」で「転移」して王都の外側へ、そこから「飛行」して港に下りて、姿を現す。うん、気配は無い、見られてはいないな。


歩いて、冒険者ギルドに入っていって、ギルドカードを見せて、通行許可を得るのだが・・・あっさり、通れてしまった。あれ? 怪しまれない? 船も入港してないのに? まあ、良い、ということで、中央の市場に向かう。


と、ここで、声をかけられる、「おい、お前、見かけない顔だな」って、振り返れば騎士団の人、悪意や敵意は無い。なので、「ダンジョンの近くで野宿してました」って言えば、「そうか? 頑張れよ!」って、エッ何? この対応?


市場に入っていって、果物を適当に見てエンデ金貨で支払いをしながら、店主に話をして、少し探ってみた。

ダンジョンそばで野宿していて、初めてここに来たんだけど、こんな僕、怪しい奴だって思わないのか? って聞けば、「何だ?そんなことか?」って、つまり両ギルドの門のところにある魔道具で、ステータスを読まれるということ、そこで、窃盗、殺人、詐欺、などの決められた称号が付いている場合には、そもそも入場出来ない、んだって。すごいなここ。さすが、勇者の王国だよ。


だから、重要なのは、その人が、どこから、どんなふうに来たか、ということより、危険な称号を持っているか?いないか?ということなのらしい。

そういうことなら、少し、安心?




PS.近況ノート 

巻き込まれて異世界 107 エンデ王都・エルマー火山島 地図です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る