第73話 龍泉酒 出来たよ 

買ってきたものを出す、といっても、最初だからね、複雑なものは作れないので、定番のカレーなのだ。


玉ねぎ、人参、じゃがいも、鶏肉、バター、と、何と、カレールウまで売っていた、これも、勇者の遺産だな。

適当に炒めて、水を足して、煮込んで、カレーを入れて、少し煮込んで、完成。

この程度じゃあ、技術なんて無いな。果物を切るだけ、程度?

少し冷ましてから、カレーを一口、・・・うん、美味い、カレーだよ。

これは、いろいろ感謝だな。 いただきます。


3精霊もでてきて、食べているよ、少し辛いけど美味しいって、もう、口の周りはカレーだらけだよ。でも、これ、甘口のルーなんだけどね。それぞれの皿に、蜂蜜を追加してやったら、食べる勢いが上がったよ、やっぱ、君たちは、甘い物だね。

今度は、誰かに、家庭料理でも教えてもらおう? 自分で考えたりするの、面倒くさいよな?


な〜んて、ほとんど家では、カレーばかり食べていたんだけど、そろそろ、あれから一ヶ月たったし、出来ているのかな?

ストームへの酒の納品時期とも重なるので、ちょうど良いかな。

帝都のリカロ酒店で仕入れして、ストームのところへ、大丈夫、酒樽の封印はそのままだ。そしたら、いろいろ聞く前に言われたよ。


「まあ、何だ、儂も暇だしのう、余分に、魔力を注いでおいてやったぞ〜」って、えっ?そうなの? なら、結構、熟成も進んでいるんじゃない? 

ということで、樽の一つを開けてみれば、おお! みごとな酒の香り、でもこの香りは初めてかも? ストームも、「おお!これだ、これ! 懐かしい香り」って言っているよ、取り出した2つの猪口に注いで、二人で乾杯なのだ。

・・・・ 「・・・・」

うん? 美味い! これが龍泉酒? 森の中の緑の要素が盛り込まれて、龍のおおらかな優しさを感じる、程よいアルコール度数? 体の中にス〜と染み込んでくる、これ、止まらない、ぞ〜・・・

それを思い留めて、ストームにこの樽を1個、奉納したよ、何といっても、龍魔力の元だからね。

龍泉から水をどんどん持ってこよう。


その前に、世界樹のところへ持っていかねば・・・ 

魔法封印したものと、あともう1樽を持って、「転移」。

世界樹の根本に2樽並べて置いて、封印を解き、世界樹に手を触れて、

「ありがとうございました、龍泉酒です、古龍ストームの協力で、出来ました、ご賞味下さい、2樽、奉納させていただきます」

すぐに、2樽とも消えていったよ。


声が聞こえる・・・・

「ヒカルよ、ありがとう、みごとじゃ、特に、お主の魔法封印したもののほうが」

「あの〜 世界樹様、ですよね、そうですか? 解りました、月に一回くらいなら来れると思います」

「まあ、そんなに急がんでもええ、年に一回でも・・お主の都合の良いときにでも捧げてくれると、嬉しいのお・・」

「了解です。では、また、適当に来ますよ〜」


と初めて世界樹様の声を聞けたな。龍泉酒、様々だよ。


またレベルが上がっているな・・・

*ヒカル: レベル 800 魔力 1400


帰りに、龍泉水をこれでもか〜ってくらい、収納して別荘に帰ってきた。

なので、せっせと空の樽を複製で作って、どんどん龍泉水を詰めていって、出来上がったのは、40樽の龍泉水。蓋をして、魔法で封印したものを「収納」しておく。

あとは、ストームのところに出して置くだけ。

ストームに、悪いな〜って言って、半分は、ストームにあげるものだって言うまでもなく、何の文句もなく置かしてくれた。しかも、暇をみて、魔力を流しておくってまで言ってくれてるよ。なので、先に作った残りの1樽も、ストームに献上した。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る