第67話 最下層 60階層 ヒロシ

さて、もうついでだし、最下層の60階層まで行ってしまおう。「転移」。


おや? ここは、住居? 確かに玄関?というか入口付近には、レベル300のゴーレムが立っているけど、「気配察知」でも魔物の気配はそのゴーレムだけだ。


「こんにちわ」 話しかけてみた。

思った通り、ゴーレムが反応して玄関への道を開けたのでノエルと入っていく。

「なんじゃ? 開けゴマ!なのか?」って、まあそんなところだね。

立派な屋敷の中庭の東屋に、そいつは居たよ。どこから見ても日本人、高校生くらいだね。


ダンジョン:カ・ホーク・ダンジョン

名前は、ヒロシ。転生者、勇者召喚で、1000年前に召喚された。

オリバー帝国に勇者として400年くらい勤務したあと追放されたので、逃げ出して、ここのダンジョンに居着いた。

・・・

召喚時の呪いは? 「もう無い」

日本を出たのは? 「2010年の夏休み」

仲間は?     「みんな帝国と教会に殺された」

・・・

今は、ダンジョンコアを支配して、ダンジョンマスターとして自由に暮らしているっていう。勇者の末路だが、今、本人が良ければ良いよ〜。


僕も、勇者召喚に「巻き込まれて」異世界転生して来たんだけど、初めから自由にさせてもらっているよ、なんて言えば、「なんだ?そのチートは?」って、あんたも十分にチートだろうに、って、お互い笑いあったよ。


情報として、「不沈の森」に僕と同時期に召喚された者たちを集めてあるよ、っていったら、そんなの、もう関係ないし、別に会わなくてもいいだろう?って、そりゃそうだよな。人のことなんて言えないけどね・・・

その後も、いろいろ話した。

ダンジョンの運営? 面白いぜ〜、やりたい放題、エネルギーは、来た奴らがどんどん補充してくれるしさ〜。ってまあ、楽しそうだな。


「酒は好きか?」って聞けば、「俺は、甘い物派かな?」なんていうから、お菓子や、果物なんかいろいろ出してあげたよ。

自分でも、たまに王都に出て買い物をするそうだけど、別に食べなくても死なないし、どうでも良いんだってさ。僕もまあ、そんなものだけど、時々でも気分くらいは変えたほうが良いかもね?

時折、ノエルの方をチラチラ見ているので、どうした?って聞けば、彼が最後に戦った魔王の面影があるかな?って言う。その時に負けて帰ったことが、勇者追放、追跡抹殺対象となる、引き金になったらしいよ。

ノエルも、「そうなんだ?」って受け流しているので、突っ込む気も無いんだろうな・・・


「今日の僕達の遊び半分?の攻略は、ギルドなんか関係ないしね、出来たら記録から消しても良いよ・・」、「そうするよ、サンキュー」って何かコアに触れて情報操作してるな、まるで、ゲームでPCかなんか触っているみたいだよ。


「気が向いたらまた来ても良いか?」 即、「いつでも!」ってことで、サヨナラした。

あいつ、最初から分かっていて、僕に、宝箱やギフト、中身、いろいろ仕組んだな〜ま、良いけどね。





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