第64話 ウエステン第一ダンジョン ト・ポック 

さて、翌朝、まだ陽が出る前から一人騒ぎ出したので、適当に食事を済ませて早速出かけまることにした。


とりあえず魔王城上空まで転移して、そこからは飛んでいく。

もう眼下に例の不思議な砂漠が見えている。

ノエルに、何であそこに砂漠があるんだ?って聞けば、「知らんけど、いつの間にか出来ていたような・・・」って、そういうことなんだ、まあ、自分に関係無いことまで覚えていないよな。

いつかは知らないけど、自然発生したんだろうな。


割と近くまで下りて行って、空間把握と地中探査、特に怪しいところは無いんだよね。まあ、大きな魔物が砂漠の地中にいるけど、別に、敵意も殺意も無いしな・・ヤミちゃんにあのでかい魔物と話せるか聞けばOKらしいので、通訳してもらったら、知らない間にここに来ていた、前はもっと北の方の未開地のどこかに居たらしい。


地盤沈下の影響なのか? どうしたい?って聞けば、別にここでも問題無いらしいので、このまま放置で決定。顔だけ砂から出していたが、あれは大きな芋虫だ。成虫になるのか? どんなだ? ノエルは、そんなこと、どうでも良さそうだったな。

なので、その先に見えてきたダンジョンに向かおう。

面倒なので、第一ダンジョンってしようか? サラッと鑑定してみれば、「ト・ポック・ダンジョン」、最下層は30層、初心者〜中級向け。

ダンジョン前はかなりな人で賑わっている、冒険者ギルドの出張所が常設されているようだ。


*ト・ポック・ダンジョン


せっかくだし、覗いていくよ。

ノエルと2人で最下層の30階層に転移。冒険者の姿は無し。ボス部屋の中は、広いな、どこかの階層くらいに広い。なんて思っていたら、草原を全速力で走り向かってくる群れがいる。魔虎、6頭。虎が群れるのか・・・


「どれどれ、試してみるか」ってノエルが前に出ていったので、任せて見ていると、何だあれ? 鉄砲なのか? 手の指から、闇の黒い物が発射されて、虎の眉間を撃ち抜いている。瞬殺だよ。

「なんだそれ?」って聞けば、街の本屋で立ち読みしていたら、「鉄砲とかいう武器があって、面白そうだから、そんなのを魔法で作ってみた」ってさ。さすが、魔王様だよ。

しかし、何の本を読んでいるんだ?この魔王様は・・・


歩いていくと、両サイドからワイバーンが4体ずつ合わせて8頭が向かってきてる。

今回は僕も参加して、4体ずつってことで、「加重」で落として「光刃」で首チョンパ、ノエルのほうは?と見れば、4体のワイバーンの頭が黒い闇に覆われている。そのまま意識だけじゃないな、魂を消されたのだろうな、落下で終わりだ。恐ろしい闇だよ。

前のもそうだったけど、魔石の回収は僕の役目だよ。ノエルは「そんなもの不要じゃ!」って言うしさ。


さて、ラストかな? 青竜ドラゴンがいるよ、レベル200。お前、一体これまでに何回?やられているんだ?って感じだな。

ノエルの闇一閃で終わったよ。ありがたいことに宝箱が出た。呪いや罠は無い。

しかし、これには、ノエルが感激して反応した。

「開けたいのか?」

「開けたい!」って、言うので開けてもらった。

中身を見て、感激しているノエルがいる。


「ふ〜ん、不思議じゃな、こうなっているのか? 本にも書いてあったけど、これは良いものが入っているんじゃないのか?・・・・」

確かに、思ったより良い?ものが入っているかな?


*金貨 ウエステン金貨 500枚 銀貨500枚

*魔剣 聖属性、雷属性、光属性持ちに加護がある

*指輪 収納 容量無限 時間停止 サイズ自動調整

*マジックバッグ 容量・大 時間停止 中身が入っていて、ドラゴン(青竜)素材一式


指輪を手に取ってモジモジしているので、要るのか聞いたら、「ウン」っていうので、じゃあその前にって、僕が預かって錬金複製して、不壊と絶対防御を付加して、表面の模様を黒バラの花びら模様で彫刻して渡してあげたよ。

「ありがとう、なのじゃ、うれしいぞ〜」って・・・そうか?なら良かったよ。


* ト・ポックの指輪 

・収納 容量無限 時間停止 サイズ自動調整

・不壊、絶対防御、使用者限定:ノエル

・表面の模様を黒バラの花びら模様で彫刻


マジックバッグの中身を僕の収納に移して、マジックバッグとドラゴン(青竜)の素材の中から鱗を6枚複製する、これらは、買取依頼に出してみよう。ここ、この国のギルドじゃないよ、エドモントにね。ここじゃあ目立つだろうし・・・

あとノエルに、ウエステン金貨100枚と銀貨100枚を渡して、指輪収納に収めさせてから、もうダンジョンは良いか?って聞いたら、今日はもう良いそうだよ。

「また来るぞ〜」って言っていたけど、王都に向かおう、買い物も必要だろ?


2人とも「変身・変装」して、王都に下りた。

誰にも見られるわけないじゃん、魔王様だよ。

それで、2人で王都中央にある市場へ向かって歩いている。時々、ノエルがいろんな店に突っ込んでいって、なかなか先に進めないけど、まあ、良いか・・

お金もあるしね、好きなように使えばいいさ、なくなれば、補充するから。


服装や、下着や、そんなものでも買うのかなって見ていたら、そういうのも買っているけど、多いのは本だよ。それも、ファンタジー? 読み物だね。それ読んでまた何かを作るのか?

どんどん指輪に収納されている。店員も驚いているが、こういう魔道具があるのは知っているんだろうし、しかも現金の金払いも良いからね、文句なんて出ないよ。

あとは、今晩の食事とか、保存食とか・・・と言っても、ノエルも少食で、「別に食べんでも平気だぞ〜」なんて言っているので、果物やお菓子、少しの串焼き程度の食料を買うくらいだ。

ここの市場、というか、王都自体、賑わっているな、って感想。




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