第61話 イーステア第三ダンジョン
第三ダンジョンは、10階層ごとに階層ボスが配置されている。
10階層 オーガ村、 コカトリス(声)レベル150
20階層 コカトリス(声)、バジリスク(ブレス)レベル200
30階層 バジリスク(ブレス)、メデューサ(魔眼)レベル 250
40階層 スケルトンキング レベル250
50階層 リッチー レベル300
60階層 ドラゴン 火竜・土竜
さて、第三ダンジョンだ。
入ってすぐに、でかい鶏? 魔鶏だな、駆け回っている。こいつら、コカトリスの子供たちか? ただし、やはりその鳴き声には、呪いや催眠の効果があるみたいだ。対策しなければ、既にここで終わりっぽい。
足を前に突き出して突進してくるけど、この威力も半端ない。普通の鎧なら貫通?
しばらく、隠密状態で他の冒険者たちと魔物たちの動きを見学していた。
あとの魔物は居ないようだが、しかしこの魔鶏は一体どれだけいるんだ?ってくらいの数。きりが無い。冒険者たちは、すでにここ第一層で疲れ果てるぞ。
下の階層は、今度は大小の蛇、魔蛇だよ。どうも、ニョロニョロは好かんので「火炎」の広範囲攻撃で燃やしてやった・・・
その後は普通に、ゴブリンの群れ、ゴブリン村、オーク、魔狼、魔熊などが出てくる普通のフィールドだった。一層と二層がオカシイ!
それで、10階層、ここの階層ボスは、オーガの村の中に飼育されているコカトリスだ。オーガたちには毒耐性?がついているようで、毒魔物を飼っても平気なんだろう。魔鶏を大きくした様相でトカゲの尻尾を持っている。攻撃は、声、突っ突き、尻尾、足攻撃。声には、強い「呪い」「麻痺」「催眠」付きだ。そして、声を浴び続けるほど、石化の効果が現れてくる。
しかも、ここで飼われているコカトリスは2体。レベルは各150くらいだけどね。
適当にオーガたちを屠って、村を壊滅させて、2体のコカトリスと対峙する。
自慢の「声」が効いてないのを不思議がる?ように首をかしげながらも、足で前蹴りを突き出してくるのを適当に躱して少し遊んでいたら、あの小さい頭で考えたのか? 同時攻撃? 2体同時に前蹴りで飛び込んできた。
「加重」で潰して、仕上げは「光刃」で首チョンパ。宝箱は無し、なので魔石だけ回収して、次は20階層へ。
10階層パスしたけど、ここでも最初はコカトリスだ。群れで12体。
構わず、光刃を飛ばして、全首チョンパ。魔石を回収して奥へ向かう。
コカトリスの進化型かな? レベル200のバジリスク。
鶏の足が消えている。代わりに蛇の下半身だ。動きはスムーズで早い。しかもこいつらは、声だけじゃなくて勢いのある吐息というか、まあブレスだな。声にもブレスにも、麻痺、しかも、石化の呪い付き。
何にしても、僕には、そういうのは効かないし、蛇、嫌いなので、光レーザーで頭を射抜く。魔石を回収して、30階層へ。
最初は、レベル200のバジリスクが6体。先手必勝、ブレスを吐かれる前には、6体から首が無くなっているのさ。光刃一発だけどね。
奥から、ノソノソと出てきたのは、レベル250のメデューサ。
まあよくもこんな石化魔物ばかり揃えたものだよ。しかも、蛇!ニョロニョロ。
ジロジロ見つめてきて「魔眼」を発動しているんだろうけど、気色悪いので、眉間に光レーザーで穴を開けて、さらに光刃で首をはねる。魔眼もろともダンジョンに吸収されていったよ。
魔石を回収して、40階層へ。
がらっと景色が変わって、広大な廃墟。小さな領くらいの広さがある。
こんなところでは、お決まりのゾンビが地中から湧いてくる。いつ見ても気味悪いな。全員出揃った頃合いをみて、ゾンビのいる範囲を指定して「浄化」。
ゾンビたちが光の玉になって上空へ昇って消えていく。これも、ダンジョンに吸収されているんだな、地中に吸収されるばかりではなさそうだ。
進むにつれて、ワラワラとゾンビの生き残り?が向かってくるけど、こいつら弱いのか? 「フラッシュ」だけで、消えていくよ・・・
次に、地中から湧き出してきたのは、骨、スケルトンたちだ。
剣を構えたり、スケルトンの馬にまたがったりしてるのも居る。
総勢150、1個師団とかそういうのなの?
見てると面白いけど、カチャカチャ、コツコツ・・数も多いし、荒野に反響して煩いので、「浄化」再度「浄化」。すべて、光の粒に変わっていったよ。
最奥、下への階段の真ん前にどっかり構えているのは、でかいスケルトンだ。スケルトンキング、レベル250、魔法攻撃無効、魔力反射、手にする魔剣は聖魔剣、聖属性と闇属性のレベル補正がかかる、ってなぜ?『聖』なの?
ま、魔法攻撃無効で魔法が駄目っぽいなら、普段あまり使わないけど、スキルの「時空断裂」の斬撃を飛ばして、斜め十文字切りにする、光になって消えていった。サヨウナラ。
そこに下への階段があるけど、それをパスして、50階層へ転移。
お! ここは、小さい階層だな、大広間が一つだけ。
奥の豪華な椅子に座っているのは、リッチーだよ。レベル300、優秀な魔道士だといいな。
いろいろ魔法を見せてもらおう。
ということで、適当に、ゆるく攻撃の魔法を向けて相手の反応を伺ったり、飛んでくる魔法を見たりしているが、結構、楽しめる。
僕が、俊足や瞬歩で動けば、瞬歩で付いてくるし、影移動すれば、影移動で付いてくるよ、なかなか優秀だ。短距離転移でも付いてくる。
じゃあ、ということで、魔王魔法・闇転移。さすがにこれは付いてこれないか・・・
と思っていたら、僕の前までゆっくり寄ってきて、魔導杖を床に置いて、跪いて頭を垂れたよ。
彼から念話で話しかけられた。
「魔王様、失礼いたしました、私では、まだまだ未熟者でした」
って、僕は「魔王」なんかじゃないけど、まあ、「なら、もっと精進しなよ」って言ってやったら、更に深く頭を垂れたよ。
ダンジョンに支配されてしまっているリッチーじゃ関わりようが無いじゃないか・・・なので、また、遊びにくることがあれば、ヨロシク! って言って、60
階層へ転移した。
扉も何も無し、ほぼ黒い闇の空間、異空間に似ている。
そこに、ドラゴンが2体、火竜と土竜、それぞれ、レベルは350、普通に強いね。
じゃあ、サクっとやりましょうか? って思ったら、ドラゴン2体が、ポッと小さくなって、人化して僕に向かって跪いているよ。
久々に人が来たと思えば、『神』なのか?って言っているので、「神じゃないから、戦うなら、いつでも良い、かかって来なよ」って言えば、「とんでもない、俺等は、お主には向かわんよ、命が惜しいからな」って、「お前ら、ダンジョンでまた生き返るだろ?」
「ハハハ、そうじゃったのう、忘れておったわい」なんて呑気な奴らだよ。
「いつからここに居るんだ?」なんて聞いたら、「よく覚えていないが、ここには、もう2000年はいるな。幸い、ダンジョンや地脈から、美味い魔力を食べ放題でな、あまり困っておらんのじゃよ」て言ってる。憎めない連中だよ。
「わかったから、もう帰るよ」って帰ろうとしたら、「初めてだからうまくできるか分からないけど」って言いながら、宝箱を出してくれた。中身は、
宝石玉のような、ピンポン玉くらいの「竜石」が2個
火竜石 火竜の加護を得る 火竜魔法創造
土竜石 土竜の加護を得る 土竜魔法創造
僕が手に取ってみれば、スッと身体に吸収されるように消えてなくなった。
「酒なんか好きか?」って聞けば、大きく頷いているので、日本酒4樽を出してやって、「じゃあ、ありがとう」ってサヨナラした。
ダンジョンから転移してきて、今、第三ダンジョンの後方の高山のてっぺんでなんとなく休憩中。先程もらった『竜の加護』をいろいろ検証?しているところ。
火や土関係は、いままで持ってなかったし、楽しみでとりあえず作ってみたのは、
*火竜の加護 火竜魔法創造
火魔法 火炎、ブレス、火壁、火弾、火槍、火嵐、
*土竜の加護 土竜魔法創造
土魔法 土壁、土弾、土槍、砂嵐、
土木 道路工事、家屋創造(コンクリート住宅)
園芸 土壌改良、土壌解呪、栽培促進、
あまり思いつかないや・・・今度、必要になってから考えよう。
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