第57話 イーステア王国 


今度は、東のイーステア王国へ行こう。

ここも、ノスエラ王国と似たような地形だ。鉱山と3箇所のダンジョン、産業は鉱物資源だね。


流通貨幣は、イーステア王国貨幣。

僕が持っているのは、オーク転生者からもらった金貨が1000枚だけ。

他国の通貨は、国境を通ってすぐのところに交易所があって、そこで両替してくれるらしい。為替は、1.02倍。2%割り増しだが、ノスエラよりは良心的だな。尤も、王都での両替は為替1.1倍らしいから、ノスエラと同じだけどね。


イーステア王国にとっても、東のダンジョンと鉱山、中央に王都があって、西側になにも無いのを避けるための施設として、商人や旅人達のために作った交易所。宿屋、料理屋などが多く立ち並んで交易所が発展して、現在では王都をしのぐ規模の街になっている。正式名称は、「イーステア交易都市」という。

ここだけ、関税、為替、両替も安いので、各国の商人が集まる、国際色豊かな街(都市)となっている。


まずはエドモント領から出て、国境を超えて南へ向かえば、もう交易都市の入り口だ。早速、近くの両替商で手持ちのオリバー金貨を両替する。

オリバー金貨56枚をイーステア金貨50枚と銀貨49枚に両替できた。


この都市の西側は山深い山岳地で、オリバー帝国と国境を持ち、南の端には、オーシャンフロントで全室南向きの大規模高級宿泊施設が建ち並んでいる。宿泊には金貨が必要だ。もちろん、オーシャンといっても断崖絶壁なのでビーチがあるわけでは無い。


言ってしまえば、免税商業地区なので、ここの中央市場には、王都からも商店が出張ってくるのだ、非常に賑わう。商業はここ交易都市で、鉱山とダンジョンと鍛冶は王都で、というような感じかな?


出入り口は、あの両替所の近くの衛兵門だけど、交易都市全体が背の高い石壁で囲まれている。かなり高いので、魔物の侵入や、盗賊団の侵入、逃亡などはこれで防げそうだ。

なんて考えながら、交易都市内をブラブラしていたら、声をかけられた。でも、僕の名前を呼んでいる?

声のする方を見てみれば、出店の一つに見知った顔がある。エドモント領商業ギルドのイナーバさんだ。

何でも、新人研修で、ギルドの新人を3人連れてこの交易都市を見学させているらしい。・・・・なんていろいろ話していたら、

「今晩、泊まりは?」なんて言ってくるから、まだ決めてないって言ったら、予約した部屋というか宿泊施設が大きくて、部屋数に余裕があるので泊まりませんか?って誘われた。どうやら、交易都市南部の高級宿泊施設らしい。


どっちでも良かったんだけど、強く誘われるし、僕も一度はそんな高級宿を見てみたかったので、宿泊の世話をお願いしておいた。

どうやら今晩は、全国の商業ギルドの関係者のほぼ貸し切り状態なんだそうだよ。

ギルドって金持ち?なんだね。宿泊料を出そうとしたら、要りません、だって。まあ、金貨数枚なんだろうけどね。


何が良かったかって?・・・

窓からの景色、海だけどね、広い海だ。夕食が豪華、新鮮食材。寝室が静かで、個室のプライバシーが守られている?

部屋が清潔で、ベッドの寝心地も最高、いつの間にか寝落ちしていたよ。

たまたま僕の部屋が一番東側だったので、東の窓からの景色も圧巻だった。

王都、その東に広がる山岳地帯と鉱山施設、などなどをみわたせた。


朝食時に、「また、何か買い取りしますよ〜 ここへは、鉱石ですか?宝石ですか?」なんて聞いてくるので、「まあ、いろいろ仕入れはしますよ〜」って答えておいたよ。


そんなんで、「ありがとう」ってお礼を言って別れたが、やっぱ、人と関係を持つって疲れるな。



PS. 近況ノート 巻き込まれて異世界 105 イーステア王都 地図です。

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