第50話 サザン諸島
南の国、サザランド王国は海に沈んだが、その王国でも最高峰だった山が今では、島として海に突出している場所がある。そのあたりをサザン諸島という。空から見れば、火山島の噴出か?とも思うが、違って、周りが沈んだ結果なのだ。
この辺りは、海の回遊魚も多く、大物の水揚げも期待できる反面、そこにいたる海洋、元はサザランド王国の領土だったあたり、の海域は、磁石も効かず、海流は複雑で読みきれず、なかなかな海の難所になっている、という話を、マリン公爵領の漁師たちの話で聞いた。
確かに、上から見ていると、そんな感じの海だよ。しかも、漁師たちの話には無かったけど、ここの海域って、海の魔物が、ウジャウジャ生息している。
ただ、不思議なことに、このサザランド王国海域から出ていく魔物が居ない?ここに留められているって感じなんだな。
それで、その先のサザン諸島、イイね、何か?ありそうだよ。危険でも何でも、のんびり平和な島?でも全然OK、海の別荘?があっても良いかな。
周りの様子を見たくて、のんびり飛行で飛んでいる。サザランド王国海域は、魔獣の気配と磁気の乱れ以外は平穏な海域だね、そしてその先にはサザン諸島。
白い砂浜が見えるきれいな緑色の島だよ。このあたりは、かなり南方で暖かいし、見た感じ、平和な南国の島々。
いくつか小島があるけど、大きな瓢箪島に降りてみよう。空間把握してみるが、あれ?魔物が居ない。でも、島全体の魔力は高いな、これ、僕にとっては、どちらかというと、気分が良くなる魔力量だけど、普通の人間には、圧力というか、魔圧?が結構キツイかもしれないよ。
ま、うちの精霊たちには無関係だけどね。
浜に降りてみれば、早速、3精霊達が、「海だ〜〜」って駆け出していったよ、飛べばいいものを、砂浜をヨチヨチ走って転げて、また走っている。
海水は普通の塩分濃度のようだけど、やはり、含有魔力量が多いな。これはしょっぱいけど、魔力補充剤にもなりそうだ。塩分だけ抜いて精製すれば良いかも?
海から上がってきた3精霊たちが、「身体がネトネトしてる〜」なんて変な顔してるので、生活魔法の水で洗ってやって、クリーンまでかけてやったら、あとはもう、自分たち自身で勝手にやりだしたよ。
島をマッピングしてみれば、瓢箪の右、東側は山岳地帯で森林も多いが、左、西側は、ほぼ窪んだ平地? 盆地みたいな?
山の中腹に少し大きめの泉があるので、みんなで行ってみる。
3精霊は懐かしそうに見ているな、前は、誰か、精霊や妖精の住処だったのだろうか?もう今は空き家か?・・・
その時、山の上の方から、光の玉が2個、こっちに向かって飛んできたよ。
受け止めてやったが、妖精だね。ウインディが何か話してくれている。
どうやら、以前は水の中級精霊がここの泉にいて、妖精たちも多くいたんだけど、突然いなくなってしまって、水も濁ってきて、妖精たちもてんでばらばらになってしまって、今、山の方に妖精が少し残っているだけ、上級精霊さんの気配を感じて飛んできた、っていうことらしい。
ウインディが僕に、この泉に魔力を注げっていうから、そうしたら・・・泉から黒いモヤが出てきて浄化されて消えていって、きれいな精霊の泉に戻ったようだ。あれ? 僕に、こんなこと出来たの???
そうしていたら、ヤミちゃんが何か黒いかたまりを拾ってきたよ、何?それ?
どうやら、呪いにまとわり付かれた精霊だったものらしい。死んでるのか? イヤまだ・・・で、どうするの? どうやら、また僕が魔力を渡せば良いらしい。
手で触れて、ゆっくり多めに魔力を流していけば、ドンドン黒いモヤがでてきて、浄化されて消えていって、かわいい精霊に戻った?よ。
意識も戻ったようで、今、ウインディが話を聞いている。
なんでも、随分前に、人の国に行って、黒くてきれいなものがあったので、触れた。そのあとここになんとか戻ってこれたんだけど、どんどんおかしくなってきて・・・ということらしい。何に呪われたのか?どこへ行ったものやら?まあ、記憶にないようだ。いつ頃の話だってことだよな・・・
それで、泉の復活と自身の復活のことを知って、僕の前でお辞儀して、「自分は、水の中級精霊のキララ」と名乗った。
折角、泉も綺麗になったし、ここで、もう一度暮らしたいっていうから、どうぞ〜ってOKしておいたよ、好きにすれば良いのに・・・
話を少し聞かせてもらったが、・・・
サザランド王国沈没云々は知らない、たまたま遊びにきたら、ここにキチャナイ泉があったので、時間をかけて綺麗にして、そのまま住み着いた、そのあと、呪いの何かを触ってしまって・・・
ということくらいだな、ほとんど情報無し。
なんてやっていたら、山のほうから、3個の光が飛んできて・・・
「あああ、みんな〜〜」って、再会に感激しているよ〜〜
なので、放置して瓢箪島上空へ。
どこに家を建てようかな? 日当たりや風向き、そういうの現地調査もしてないし、とりあえず、どこかで家ごと回収してきて、それを出して住んでみれば良いか?
そうだ、錬金で家作れるかな?
エドモントの家を思い浮かべて、錬金複製。うん、収納内に出来ている。
なので、これを出してみると、きっちり整地までされて家が出た。
もちろん、ここには、上下水道なんて無いからな、水は魔法で、温水は火魔法で温める、トイレは闇空間へ排出だよ。魔法世界らしい?よ。
向きを考えなかったけど、きっと、これで良いのかな、住んでみれば解るし。
なので、みんなに報告です。
「ここに、家を出したので、しばらくここで寝泊まりする予定です。欲しいものや買い物などあれば言ってください。」
といっても、3精霊に青龍だからね、物は要らない。
しかもこの家は向こうの家そのままだから、リビングには、大きな枕がいくつも置いてあるし、問題ないはず。
僕も、感触を確かめるためにも、自室でくつろぐことにした。
みんなは、もちろん自由時間だ。3精霊たちは、また、海に飛んでいったよ。セイランは、召喚空間に戻ったな。
午後の時間、風が心地よく窓を抜けていく、夕方、風が止まった? 夕凪の時間か?
夜、また風が通っていく、ここは暖かい地方なのに、ちょうど良い気候だな。
PS. 近況ノート 巻き込まれて異世界・101・世界図
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます