第47話 帝都、聖教教会壊滅  

僕は、マッピングで、みんなの様子を見ている。


各階層に魔道士がどんどん集結してきている。


20階層、ウインディとライムの持ち場。

彼らは、魔物の魔道具でも持っているんだろうな、魔法陣から出てきたすぐのあたりに、魔物の魔道具を3個置いたよ、準備万端だね。

仕掛けも終わって、奥へ引っ込んでいったが、そこが君たちの終焉の地だよ。

次々に意識を刈り取られて、バタバタ倒れ込んでいく。全員から、金品、金属、魔道具を回収する。

一人、意識を保っているのがいる、幹部だな。V字谷へ行ってらっしゃい、「転送」。

ノエルと話し合って、V字谷へ転送された魔道士連中は魔物たちに任せるってね。あとは知らんよ。


セイランのほうは、青龍刀を一振りで、意識と記憶を刈り取り、全員の無力化は一瞬だ。すぐに、ウインディたちのところへ向かうようだ、面倒見が良いな。

僕も、倒れた連中から、回収するものを済ませる。


ノエルのほうも無事終わっている。魔道士の数が少ないけど、向こうへ多数送ったんだね、魔物たちの餌だ。


さて、追加の魔道士なんかが来ると鬱陶しいので、妖精たちに見張りをお願いして、一旦、引き揚げる。少しすれば、勇者たちがお供の魔道士達と一緒にくるよ・・・


僕は、ヤミちゃんと協会本部に移動した。

召喚の間に向かう、そこは魔道士幹部の部屋の近くなんだな。

ついでに、魔導士幹部の部屋に入って、残りの幹部連中を無力化して、没収すべきものを回収して、まとめてV字谷へ転送。

召喚の部屋には、大きな魔法陣が床一面に「血」で書き込んである。これは人の血液だ。

浄化、清浄をかけて血を清めて呪いを解呪すると、黒い闇煙が浮かび上がって消えていった。ヤミちゃんが、「あれ、呪われた怨霊の闇だよ」って言いながら、浄化を追加してかけてくれた。


魔法陣の模様は記憶したし、さて、破壊!というよりも、床面をそのまま回収、収納した。

床が抜けて床下が見えたが、そこに、大きな魔石が置いてあった。

魔力は充填されていないが、これはドラゴンの魔石だ、回収。

本来は、これに魔力を溜めて・・・とかの使い方なのでは? 

さっきの、血が浄化されるのを見てると、儀式のたびに多くの犠牲者が出ていた様に思えるよ、ここも、再度、「浄化」「解呪」しておく。


さて、教会の中心の上部に転移してきた。

いまから大掃除だ。

教会全体を範囲指定して、白い霧を充満させ、光の「フラッシュ」、「解呪」、「浄化」、「クリーン」を魔力強めでどんどんかける。

金品、魔道具を回収、収納する。

広範囲に「気配察知」で、洗脳や呪いをスキャンする。入り口のあたりに3人引っかかりがある。行ってみれば、幹部ではないようだが、まだ意識があるようだ。しっかり「催眠」をかけて、V字谷へ転送。


次は地下だ、大抵はこういう場所って、地下に何か?あるよな〜

地下への階段のあたりで、白霧を周りに発生させて、光魔法の「解呪」、「浄化」、「クリーン」を魔力強めでかける。

呪いの残滓?か?黒い霧が浮かんでは消えていく。

ヤミちゃんも黒い闇が出る度に、一応、「浄化」をかけてくれているよ。これで、漏れなし。


金品、魔道具を回収。お〜〜、何か凄いことになっている。

金貨の大箱が30個くらい、一気に収納できたよ。あとは、例の呪いの魔道具の在庫が4箱も。これ、入信者には全員に配布してたんだろうな。


*オリバー金貨 5000枚x30箱=15万枚


帰りがけに、再度「解呪」、「浄化」をかけて、「転移」で帰宅。


ヤミちゃんが不思議そうに僕の顔を見て、「あんなに魔力を使って、なんとも無いのか?」って聞くので、「全然平気だよ!」って言ったら、また、びっくりしていたな。

多少強めに使ったけど、そんなには使っていないんだけどね・・・


30階層と35階層の転移魔法陣は、どうやら教会本部の地下に転移するようになっているらしいと、セイランとノエルから連絡が入った。

そういうことならと、魔方陣を破壊して、予定通りに勇者たちが来たら、そこで催眠をかけて保護しておくように言っておいた。


僕は、教会地下に行ってその転送魔法陣を見に行こう。

地下牢だ。この中に魔法陣が刻んである。

地下牢を破壊して、魔法陣も破壊する。

この地下牢への転移をしようとしても無効だ。

他にも?って思って探したが、もう無いようだ。

一応、大公にも、知らせておこうか・・・


『 帝都、聖教教会本部に異変あり、至急、調査されたし  白霧 』


っていうメモを大公あてに、白霧とともに転送しておいた。


さて、ダンジョンの方は、どの勇者たちも順調に魔物狩りで勝ち進んで、30階層を目指して進んでいるらしい。待ち伏せしているはずの仲間の魔道士の動きがないためか、付き添いの魔道士達もまだ何もおかしな動きをしていない、幹部以外はね。


とりあえず、それぞれの勇者チームの魔道士達を指定して、魔道具を回収、解呪、浄化をかける、魔導士たちをまとめて、V字谷へ転移させる。

勇者達は、突然、後方で魔道士達が消える異変を感じながらも・・・ダンジョンを進んでいる。まあ、これで良い。


最初に30階層にたどり着いたのは、勇者Cたちだが、すでに呪いの魔道具ははずしたものの、まだ少し呪い状態があるので、「解呪」「浄化」する。やはり聖剣自体が呪いの魔道具となっていたようで、黒い霧となって、彼らの身体や聖剣から呪いが抜けて消えていった。

勇者Cたちを、先に「不沈の森」に転送する。


白霧と共に勇者たちに送る日本語の手紙には、


『 教会関係者には天罰が下る。

君たちは、しばらくはどの国にも属さないほうが良いだろう。

また、巻き込まれ、利用されないようにして欲しい。

そこの場所は「不沈の森」ノースリア未開地の奥地だ。

未開地を開拓するなり、そこで召喚者された者たちでまとまって暮らすのもいいだろう・・・ (白霧) 』


とだけ書いて、姿も、顔も見せないし、声も届けないよ。



ノエルと以前、未開地を探検していたときにマッピングで見つけていたのだが、この未開地の奥に、森がある。例の地盤沈下でも沈まなかった場所、「」って名付けよう。探査したところ、水、魔物、果物、などの存在もあるし、住むのに適していないか? 周りと関わらないで、閉鎖的な暮らしをするならもってこいだよ。エルフじゃあないけどね。転移持ちなら、どこかの街と交易することも可能だろう。

僕は、勇者たち召喚された者たちの転送先としてここを選んだ。

本当は、僕自身の開拓村? 拠点にしたかったんだけどね。譲ることにした。

ま、自由にすれば良いさ・・・



その後、しばらく経った。

帝都の中では、いろんな噂話が出始めていた。主に教会関連だけどね・・・


『『

教会から呪いがなくなった。

教会が教会らしいことしている、回復とか治癒など、しかも無料。

そんな教会がまた貴族と癒着しはじめているらしい。

金も集まっているらしいぞ・・・


教会の悪に天罰が下ったらしい。

召喚された勇者たちが、一斉に行方不明になって消えた。

教会の地下に牢屋があったらしい。

教会には多額の隠し財産があったらしい。

その隠し財産が忽然と消えた・・・

教会の勇者喚の間が壊れたようだ。

召喚の間は、血塗られていたらしい。

協会関係者、特に幹部連中は、全員、呪われていたらしい。


どうやら、精霊様が浄化してくれた・・・

精霊のお仕置きらしい・・・

いや、神の裁きで、関係者たちは全員行方不明か・・・


皇帝も教会に洗脳されていたらしい。

聖剣って呪われた魔剣だってよ・・・

操られた勇者たちがかわいそう。

お城の地下にダンジョンがあるんだって。

ダンジョンの最下層にはドラゴンがいるようだ・・・

などなど

・・・

』』


妖精通信で「不沈の森」の情報も入ってくる、元勇者たちは、村を作り、家を建て、村の囲いを作り、着々と生活基盤を築き始めているようだ。

周辺には魔物や野生動物も多いが、彼らにとってそれは食肉でしかなく、野菜の栽培、果物栽培なども行われて、水も豊富で、生活は楽なようだ。

時々、あの森のあたりにだけ雲が湧き雨が降るようで、水も枯れること無く、作物の成長や栽培にも良い、彼らの中には、建築や土木の知識を持つものもいて、インフラの整備も進んでいる、中には、子をなしたカップルもいる、・・・と。







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