第46話 帝都の地下ダンジョン  

ところで、帝都地下のダンジョンってどうなってるんだ? 普段は、騎士たちの訓練に使ったりしているようだが、それも10階層までの話で、ここ、全部で50階層もある。下の方は、恐ろしくレベルの高い魔物も現れるんだって、まあ、最下層は、ドラゴンがいるんだろうな。ちょっと、見てくるかな? 


セイランも行くって言うから、用心棒ということで、2人で、転移、最下層にやってきたよ。

でも、ここ、ダンジョンでは無いな? ダンジョンの仕組みに取り込まれていないよ。でも、居るよドラゴン、土龍が3体も。レベルは、それぞれ250ってところか? 念話してみる、「こんにちわ、ドラゴンさん」「・・・」

あれれれ?通じないのか? もう一度、「突然すみません、できれば、少し教えて欲しいことがあるのですが?」

「うん? 人か? 珍しいのう、ここまで来れたのか?」


ああ、通じるな。僕はヒカルって名乗って、なぜ、あなた達はここにいるのか?って聞けば、どうやら、もともと、昼寝場所で来ていたのだが、急に、上にダンジョンが出来てしまって、閉じ込められたってことらしい。転移で逃げれば? それが、出ないんじゃよ〜っていうので、えっ、僕は、って転移してみれば、普通にできる。

何かが違うのか?まさか? ダンジョンにとりこまれつつある? 

試しに、僕がとりあえず、V字谷に転送してみたら、普通に転送もできるよ。

他の2頭にも、どうしたいか?聞いたら、「おれらも出してくれ」、なので、同じ V字谷へ転送して、僕も向かった。

気分はどう? やっていけそう? 調子の悪いところは無いか?って聞いたが、全く普通らしい。なので、放置して、僕だけ、もとの場所、50層に戻った。


一応、探査をかければ、彼らのいた場所に魔道具がある。これでテイムを強制してたっぽい。魔道具は回収する。あとは・・・奥に、転移魔法陣がある、今そこから、教団魔道士が出てきたので、催眠で眠らせて、V字谷へ転送してみた。

どうやら、この階層は、教団で使っているようだ。なので、魔法陣は一部書き換えで、無効にする。その奥に、部屋があるので、探査する、セイランも見つけたが、隠し部屋があり、隠し金庫もあるよ。これ、教団の秘密の倉庫か? 金貨の箱がたくさん、教団の資金保管庫だ。ま、全部回収した。

*オリバー金貨 5000枚x10箱 =5万枚


魔法陣は無効にしたから、歩いてくるしかないだろうが、なら、上に昇って見ていくかな。

49階層、ここも、教団関係だね、訓練場か? 魔法陣を破壊しておく。

48階層、同上、

47階層、同上、

46階層、ここは、ダンジョンだ、最下層だな、コアもあるし。

なら、ここから下の階段を埋めておけば、下には行けないな、と実行。

46階層、コア部屋の魔法陣も破壊。ここには来れないし、ここからは帰れない。

45階層、魔法陣は無い、なので、46階層への階段付近を破壊しておく、ここから46階層には行けないように。

同じ様に、44階層、魔法陣破壊、43階層、42階層、41階層、40階層、まで同じ様に、転移魔法陣を破壊した。魔物達は、レベルが高い?のもたくさん見かけたが、僕を見て、みんなどこかへ行ってしまったので、追いかけることもなく、ただひたすらに、階段、通路を破壊してきたのだ。

もう、飽きたので、終わり、帰ろう。セイランが、もう少しやっても良いか?って聞くので、好きにして良いって言って、僕だけ、転移で帰宅したよ。



さて、ヤミちゃん情報やウインディの妖精通信網で、大分細かく確定情報が集まってきたので、明日の作戦を立てよう。

まず、勇者たちがダンジョンへ送られるのは、明日の午後一番から順次、18階層、21階層、25階層へだ、その先、少し進んだあたりで、教会魔道士達と幹部が待ち受けるが、勇者Cたちには、はじめから幹部が2人つく。

20階層には、帝城の、勇者Aたちとでもしよう、を殺害すべく待機

23階層には、教会の逃げ帰りの、勇者Bたち、を殺害すべく待機

26階層には、残りの教会の、勇者Cたち、を殺害すべく待機


明日の朝から、教会魔道士達は、それぞれの配置に付く。

30階層と35階層には、帰りの魔法陣が用意される。勇者たちの帰還用だが、これも、怪しい?

まあ。勇者たちを助けるつもりは無いが、教会側は潰す。


先に、3箇所の待ち伏せ魔道士達を潰したい、教会本部の召喚魔法陣を破壊する、幹部連中と、協会関係者で、洗脳の解けないもの、などは、V字谷送り、魔物たちの餌になってもらう。

そろそろかな? ノエルに念話する、時間あったら、ちょっと手伝って欲しいって言ったら、即、転移してきたよ。何? スタンバイしてた?


谷に、ドラゴンが3体急に現れるし、変な魔道士たちがドラゴンたちの生贄になっていたし、何事?って、聞けば、何、あんたが関わっているんじゃないのよ〜、ってグチグチ言われたが、さあ、やるわよ、 何をすれば良いの?って、もう、やる気満々だ。

いちおう、説明して、ダンジョンに配置される魔道士たちの無力化を、20階層はウインディ、ライムに、23階層はセイランに、26階層をノエルに任せたい。

一斉に「了解」って返事が返ってきた。


無力化の方法は問わない、勇者たちへの直接的な援助はしない、洗脳が解けない連中に対しては、精神破壊、記憶消去、抹殺、その他、方法は問わない、終わったあとは、30階層と35階層の転移魔法陣の調査、後、破壊。そこにくるであろう勇者たちを催眠で確保しておき、それらを僕が、「不沈の森」に転送する。

勇者たちは、どこの国に送っても、また、利用、悪用されかねないので、未開地に行ってもらう。


ヤミちゃんは僕に同行して教会本部へ行って、召喚魔法陣の破壊、教会幹部連中を捕獲して、金品、金属、魔道具をすべて回収してから、V字谷へ転送する。

と、こういう段取りだけど、って、質問は、無し。 何かあれば、念話でってことで、「聖教教会壊滅・弱体化作戦」開始だ。


*不沈の森

近況ノート:巻き込まれて異世界 104 ウエステン王都 を参照してください。


V字谷の北部に広がる広大なノースリア未開地の中に、緑の森を保っている無人島みないなところが、不沈の森と呼ばれる場所となっている。



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