第45話 闇の精霊 ヤミ 

家で夕食を食べていたら、ウインディが一人、黒い衣装の小さな女の子、まあ、精霊だが、を連れてきたよ。

闇の精霊、で、自分も、ウインディやライムと同じ様に面白いことをやりたいから、よろしく〜ってきたよ。何が得意って聞けば、人の気持ちを闇に落とすこと、って?いきなりかい! いきなり落とさなくていいからって伝えて、じゃあ〜って考え込むから、まあこちらから聞いてみよう・・・

人の考えてることや思っていることが解る? YES

人の記憶を見れる? YES

記憶を操って変えたり消したりできる? YES

収納は闇空間をつかうの? YES

影移動はできる? YES

ウインディとは仲良し? YES

肉は好き? NO

果物は好き? YES

僕のお願いを聞いてくれるの? YES 「何でも良いよ、指示して!」

闇魔法はどんなの? 「色々できるけど・・・」

闇魔法 闇催眠、気絶、魂殺(魂を破壊するから、気が狂うよ) 

精神混乱、精神破壊、闇転移、闇移動、影移動、闇飛行(夜が得意)

洗脳、洗脳解除、呪い、解呪、闇支配、浄化・・・・


うん、凄いね、っていえば、ドヤ顔で、どんなもんだい!っていうし、はい、分かった、採用です。

僕が居ないときは、ウインディに聞いて下さい。

あ、ところで、名前は? って聞いたら、モジモジしながら、「ヤミ」って。

OK、じゃあヤミちゃん、よろしく! っていったら、何? 思いっきり、僕に飛び込んできたよ、スキンシップ? 違うよね。

ちょっと魔力頂戴って、しがみついているよ、まあ、少しくらいなら良いけどね〜

どうやら、黒いフリフリ衣装は定番でお決まり、なんだと。

「影移動」、闇「催眠」と「催眠解除」、闇「洗脳」と「洗脳解除」、闇「呪い」と「解呪」、を実演してもらって、複製しておいたよ。


*闇精霊魔法 影移動、闇催眠と催眠解除、闇洗脳と洗脳解除、闇呪いと解呪、


翌朝、ヤミちゃんから、いきなり「行きたいところがあるから、一緒にきて!」っていうから、任せて、一緒に転移してきた場所は、鉱山の跡地、うん? V 字谷に近いのか? ウエステン王国の北側国境付近だ。

何でも、ここの鉱山では、昔「黒ダイヤ」が採れたらしくて、あれば、それを少し欲しいっていうので、ならまあ、探査してみる、うん、残っているよ、ちょっと深いけど、問題ないな、黒ダイヤをターゲットにして回収、収納。

出して見せる、10cmくらいの結晶ダイヤだね。やけに透き通っていて、これダイヤ?、って感じなので、鑑定してみても、やっぱ、黒ダイヤ、そのものだよ。

それで、これでどうするのか?聞けば、僕用の指輪か何か、身につけるものを作れっていうから、じゃあ、もっと小さいのでも良いかと思って、再度小さめのを回収して、それを錬金して、ミスリルで台を付けて、指輪を作った。

同時に、ヤミちゃんがスッと指輪に吸い込まれていったよ。

少ししてでてきて、これが私の新しい「家」って言ってるな、そういうことか、なるほどね。

で、何で、この場所の黒ダイヤを指定したのか?聞けば、だって、ここしか知らないから、って、ここを知っていただけ良いか。

ついでなので、もう少し、拳大くらいの黒ダイヤを4個だけ採集しておいた。


ということで、早速ヤミちゃんにやってほしいことをお願いする。

帝都の聖教教会の魔道士の偉い人たちの考え方などを探って欲しい。

「良いよ」って軽く返事をくれたよ。ただしって、彼らは、恐らく、変な古代魔法を使ったり、おかしな洗脳をかけたりしてくるかもしれないから、十分に気をつけるんだよ〜って言えば、平気だよ、もしそんなことしてくるなら、反対にやっつけちゃうから、良いよね、っていうので、OKしたよ。

じゃあ、行ってくるって、闇に消えていった。これは、頼もしい仲間ができたよ。


どうやら、勇者たちは、これまで言われてやってきたことに疑心暗鬼?という状況らしい、お城組は軟禁されているし、教会組の逃げ帰り組は、完全に自暴自棄、残る一組も、彼らの状況を見聞きしていて、何かがオカシイ、って感じ。これは、近く、何か起きるだろうな。


ヤミちゃんが帰ってきたよ。といっても、僕の黒ダイヤの指輪からスーッと出てきただけだけどね。

どうやら、魔道士上層部では、現在の勇者たちをお払い箱にする予定、帝都地下にあるダンジョンに放り込む。入り口で転送先を指定して、バラバラにする。転送先には、魔物だけじゃなく、魔道士団が待ち構えている。レベルの高い魔物も、洗脳テイムして、襲わせる。疲弊したところを、魔道士団で仕上げる。というもので、決行は、早くて明後日、なので、明日一日はまだ何か?手を打てるのかな?

ま、とりあえず、情報だけでも流しておこうか・・・


『 召喚されし転生者諸君へ、 

君たちが召喚時にかけられた呪いは今や、解除されたり、弱まったりしているのは自身でも感じていることと思う。V字谷へ行ったものは、完全に呪いが解けているはずだ。

誰が呪いをかけた?言うまでもなく、召喚した魔道士たちだね。

さらに、君たちには、指輪とペンダントが支給されていたはずだが、あれは、呪いの効果を補強するためのものでしかない。何と言われて、装着していたかは知らないが、もしまだ身につけているなら、まあ、外すべきだろう。

聖剣にさえ、呪い強化の付与魔法がかかっているからね。

いま、教会魔道士の上層部は、君たちの抹殺を目論んでいるようだ、おそらく、ダンジョンに放り込まれて、その中で計画は実行されるだろう。

それと、召喚された者が、日本へ帰れた過去の記録は何も無い、つまり、帰る方法などないのだよ。もし、あがいて、この世界で生きてゆくつもりなら、敵の罠であるダンジョンで生き残ることが必要だよ。

僕は、名乗らないので、この手紙を信じる信じないは、君たち次第だがね。

もし、ダンジョンに入るときに何か、魔道具を渡されるようなら、よく鑑定して分析することも必要だ、「魔物寄せ」かもしれないし、「魔力封じ」かもしれないし、おそらくロクでもない物の可能性が高い。

くれぐれも、気をつけてくれたまえ。  ここ異世界で生きる日本人より 』


っていう日本語の手紙を、それぞれのグループに、転送しておいた、白い霧とともに・・・

さあ、どうする?


日本語で書いたのが良かった?のか、まあ、読んでくれたようで、いきなりの破り捨てとかはないようだな。明日だよ、ダンジョンへ放り込まれるのは、何の縁も無いけどね、僕は巻き込まれて外されたおかげで、今、なんとかなっている、君たちも、まだまだ時間があるから、できるなら、生きていって欲しいな。

だって、転生者たち、みんな歳取らないし、長生きなんだぜ?

教会側の第三の勇者グループも、みんな指輪とペンダントを外したようだ、それで、光魔法の浄化のできる奴が、みんなの呪いの解除を試みていて、どんどん、頭がすっきりしてきているって、妖精通信から入ってきてる。


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