第44話 エドモント伯爵・辺境伯に格上 

領の外壁を出ると、少し農地が広がるが、すぐに断崖絶壁だよ、一応、壁は作ってあるけど、飛び降り自殺の名所にでも上がるだろうな。

僕達も際に立って、絶壁の下の海を眺める。怖いよ。飛行魔法無しじゃ、こんなところに立てないな。

一応、海底探査をしてみる。かなり深い、一気に、200mは落ちている。

しかしこの真下の海底は、潮の流れの交差点というか終点?潮溜まり?みたいな感じで、いろんなゴミ?落下物?が貯まっている。

流石に、宝箱がそのままあります、なんてことは無いけど、その中身?はバラバラと集まっているみたいだ。

適当に、金属を対象にして回収してみる。


*サザランド金貨 100枚

*オリバー金貨  500枚 

*転移の腕輪   不壊、10地点、

*ミスリル短剣  不壊、ドラゴニア紋章

あとは、銀貨、銅貨は、錆びてくっついて固まってしまっているので、修復困難、

錆びた鉄の武具も駄目なので、収納して、錬金で素材に分解して、インゴットにする。

銀5kg,銅10kg,鉄10kg,魔鉄5kg


サザランド金貨がまた手に入ったけど、これ使い道が無いんだよね〜

オリバー金貨 500枚は活用しよう。

ミスリル短剣は、セイランが欲しそうなので、あとで整形してみよう。


持ち手部分もミスリルで一体成型して、刃の長さは、セイランの要求通り、50cmくらい、持ち手部分にも、ドラゴニアの紋章を少し深めに彫り込む、滑り止めにもなるかな? 鞘は無し、どうせ収納に入れるからね、刃を研いで、状態保持、不壊の上掛け、を付与して完成、あとはセイラン自身でなんとかするだろう。


*ドラゴニア短剣 セイラン限定装備 50cm ミスリル一体成型

    不壊、状態保持、清浄、浄化、斬撃、


帰りは、「飛行」で、ゆっくり大回りして、古龍ストーム経由で山沿いに別荘まで帰ってきたよ。


何か?伯爵領が賑わっている、市場も一層盛り上がっているな? 商業ギルドに寄ってみると、イナーバさんが出てきて、何か?浮かれてる? どうした?

って話を聞けば、ここ、エドンモンド伯爵領が、エドモント伯爵・辺境伯領に格上げ?になったらしい。

つい今朝方、帝都から書状が伯爵に届いたようだ、正式な昇格の式典は少し先のようだ。

エドモント伯爵が、エドモント伯爵・辺境伯に格上げ、所領については、街道を挟んだ山側を含めて開発しても良いとのことで、領地が広がり、領の中に街道が通ることになって、交通の要所としての役割が今まで以上に期待できるというものらしい。そうなれば、僕の別荘の場所なんて、ますます領内の南の端の僻地になるわけで、ますます静かに過ごせるようになるのかな? 寝るだけだしね、静かなほうが良いよ。

でも、街道の向こうまで領地を広げるとなると、山に近づくわけで、あの奥にはワイバーンの巣もあったよな、ま、あれか?冒険者達というか、冒険者ギルドの稼ぎにもなるわけか?それで、素材の売買で、両ギルドも潤うってこと?

すごいね、土地が広がるだけで、うまく行けば、大発展だよ、辺境伯・侯爵とかに昇格するのも、想像できるな。


街道整備の土木事業、山林開発の林業、木材加工販売、村などの合併と税収の増加、などに加えての、魔物からの収入、人の通りが良くなる、商売繁盛、交易の拡大、などなど、いろいろあるね〜、人材は、帝都あたりから、応援に来るとかあるのかな? なんて、自分には関係ないことを考えて、時間を使ってしまったな。


そういえば、先日の、贈収賄の証拠書類、大公に送らなければ、だったな。

その前に、調査か、ウインディに頼んで、妖精たちに協力して、大公さんを調べてもらおう。

帰宅して、ウインディを呼んで、お願いしたら、何と、もうやってるわよ〜〜ってドヤ顔されたよ。すごいなうちの精霊達は・・・

で、そんな情報を見ながら、セイランまで、現地調査に行っているっていうから、またびっくり、何? 君たちの利益は何? 何で? って聞けば、

「面白そうだから!」だって・・・


そもそも、大公ってのは、国政の決定権は無いけど、それなりに影響力は大きい、特に今、皇帝お抱えの勇者グループが弱体化しているので、元勇者を2人抱えている大公の発言権は無視できない状況らしい。

ただし、聖教教会だけは、これ、洗脳集団?で、どうしようも無いけど、勢力というか、信者をどんどん獲得して来たらしいが、これも、先だって、勇者たちが逃げ帰ってきたこともあり、信者の教会離れも起きてきているらしい。ま、皇帝といっても、微妙なバランスの上にいるようなものだ、と。


まだ、残っている勇者グループは、年齢が上のものが多いせいか、考え方が、若い勇者とは何か違っていたようで、あまり、教会の言うとおりには動かないらしい。

これ、呪い?洗脳が弱いのか? いっそ、解呪してしまおうか?

この前の勇者たちは、解呪して、呪いの魔道具も取り上げたけど、あれからどうしてるのかな?そのあたりの情報も欲しいな。


あと、教会で実権を持っているのは、教会魔道士団で、そこのトップ4人ほどがすべてを決定しているらしい。今では、禁忌?な魔法を使うとのことだ。メインは魔法陣を使う古代魔法らしい。そういえば、僕も、古代魔法の魔導書を買っていたよね、あれ読まなきゃ・・・

しかも、ここ、辺境伯領には、聖教教会が無いんだよな、ここまで洗脳に汚染されていないことが幸いだよ。

やはり、帝都というか、皇帝のお城あたりをターゲットにしているんだろうな。


次から次と入ってくる妖精たちの断片情報を読んでいくと、例の勇者パーティの情報も入ってきたが、どうやら、あれ以来、お城の部屋に軟禁状態らしく、他との接触が許されていないようだ、そりゃあそうか?既に解呪してあるし、今までみたいには従順に動いてはくれないし、話も合わないだろうな。これ、放っておくと、抹殺されるかな? それとも、教会魔道士により、より深く洗脳されるか? どっちかだろう?

抹殺方法は? 毒殺? でも、状態異常無効くらいは持っているだろうから、これは無し、どこかのダンジョンに放り込んで、中で、闇討ち? 証拠も遺体も残さないで始末できるよな。

「力不足で、帰ってこれなかった」って言われて終わりだよ。

教会側の勇者も同じ様に抹殺されて、もう一回、召喚儀式を! なんてことになるのかな? 最悪だよ、全く。また、どこかの日本人たち?が犠牲になるのか?

ちょっと、重点的に、召喚されたものたちをマークしたほうが良いかな?

ウインディが頷いているので、任せよう。


大公の方はどうかな?

あの2人をトップにした、帝国特別調査権限を持つ組織があって、その元締めは大公、これは、現皇帝も容認している、公式な組織ということだ。

いろいろ闇で動いたり、裏を取ったり、しているのかな? いろんな地方貴族の不正などを、調べて皇帝に直訴できる権限、ということで、皇帝としても、大義名分ができるしね、でも、皇帝も調べられたり、裁かれるんだろうよ、きっと。


ま、そういうことならと、例の贈収賄の書類を、大公屋敷の中庭あたりに、白い霧付きで転送しておいた。あとは知らんよ。






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