第42話 盗賊・悪徳貴族は退治しよう 

さて、計画実行。計画5番目の襲撃から参戦しよう、すべて撃退だ。

もちろん生け捕りで鉱山労働者を増やすよ。同時進行で、アジトを襲撃。証拠書類の回収と、残存盗賊の生け捕り。

まとめて、エドモント伯爵領の衛兵門前に、霧とともに盗賊たちを転移させる。

もちろん、束縛状態でね。


この前、覚えたんだよ、魔法的な拘束だけではなく、縄でも「束縛」するやり方を。何のことは無い、ロープを持っていればそれで、無ければ、錬金で作って、それを使って、一気に手足を縛るだけの魔法を魔法創造で作ってみたのだ、これ便利かもね。


そのあとは、シーバス伯爵家の方の処理だが、すでにこちらも、妖精通信でいろいろ情報が集まってきている。

1.シーバス家の騎士団は全部で10人、あまり伯爵を良くは思っていない様子

2.使用人や執事も、単なる雇われで、伯爵の悪事には無関係

3.奥様は悪事をすべて知っていて、盗賊とも知己の中

4.領の経営において、重税、脱税は当たり前

5.息子と娘は、ずっと帝都の学校通いで、帝都住まい、悪事には無関係?

  長期休暇にも、地元には帰って来ない、どうやら前妻の子供らしい

6.邸内には、いつも、ゴロツキがいて住み込んでいる

などなど・・・


セイランと精霊たちには、こっちを担当してもらおう。

まず、証拠書類の捜査、これは僕も立ち会おう、おそらく、残っていると思う。

その後は、任せる。

伯爵には眠っていてもらおう、あとで回収する。

騎士団、使用人、執事など、悪意ないものは、眠っていてもらう。

邸内のゴロツキは、眠らせて生け捕り、あとで回収する。


なので、夜中、シーバス伯爵邸へ隠密転移して、執務室へ。

伯爵は眠っているが、更に「催眠」の風を浴びせておく。

執務室の机の上に、盗賊のアジトにあった書類の写しが置いてあるよ、もう成功したものとして酒でも飲んでいたのかな?

まあ、これだけでもいいけど、他の書類を探す。

書斎の奥には隠し部屋があって、そこには、大箱が3箱。

これ金貨だよ、8000枚くらいか、どれだけ溜め込んでいるんだ? あとは、宝石に、装身具、これは奥様のものだね、随分ある。


棚に並べられているけど、箱につめたら、2箱くらいか?しかも、それぞれの宝石に書類が添えられていて、これ、盗賊への窃盗の依頼書だよ、奥様のサイン付き、もう、奥様も逃げ道が無くなったな。

伯爵の関連の書類が無いなと思って書斎に戻ってみれば、床下に隠し金庫。

この中にあるわあるわ、なんで、こんなもの保管しておくんだろうね・・・


そして、決行当日。

さて、僕らも動きますか・・・

既に盗賊たちは、一部を残してほとんどがアジトを出てスタンバイしているっていう妖精通信を受けてのスタートだ。

まずは、セイランを連れて、アジトへ直行。手はず通り、ボスと居残りの盗賊たちを催眠で眠らせ、「時間経過収納」に回収、証拠書類を回収、金品、その他の金属物を回収して、アジトはすっからかん。転移して戻る。


まだ早いが、今度はシーバス伯爵家に転移。屋敷内の人全員に催眠をかけて、伯爵本人と夫人、泊まり込みのゴロツキ連中を回収、収納する。

騎士と使用人たちは放置だ、2〜3時間は催眠の効果があると思うけど、再度「催眠」をかけておく。

執務室、書斎、隠し部屋から、書類と、金貨を押収。宝石は誰それ、どこそこ、って足がつきやすいので放置。屋敷に白い霧を充填しておいて、転移で消える。

霧は持続性のものにしたので、騎士達が目覚めても、まだ霧の中だろう。


そろそろ、第一弾の攻撃が始まるので、それを上空から眺める。

確かに、容赦なく傭兵たちが、洗脳された盗賊の雇兵たちを駆逐している。

死体などはそのままで、馬車が動き出した。さて、次が本命だね。


念話で、サクラには、いろいろやってもいいけど、できれば生け捕りにしたいって伝えておいたよ。


それはそうと、伯爵同士の争い事?なんて、帝国に裁けるのかね?勇者召喚するようなところだぜ? どうなんだ? で、ちょっと難しい?けど、妖精たちに情報を集めてもらったら、マーテン大公というのが浮かび上がってきた。先代の皇帝らしいが、その現役時代には、勇者召喚は一度も行われなかったらしい。しかも、先々代の勇者が2人、その大公に現在も従っていると、どうやら勇者の呪いも解除されているらしい、と。

一度、ここを試してみようかな?

とりあえず、あと捕獲すべきは、実行部隊と偽傭兵たちで、盗賊のボスや伯爵本人と、証拠書類は全部揃っているのだ。


ということで、マーテン大公領の衛兵門前に、砂嵐を起こして、その近く、風に巻き込まれない場所に、大量の霧を発生させて、真ん中に、回収してある盗賊のボスと居残り、伯爵とゴロツキたちを転送して、証拠種類も転送しておく。

さて、どうなるのかな?


上空で隠密状態で眺めていると、素早い動きで、2人の人物が衛兵門から飛び出してきて、風魔法で霧を払っている、動きが早い。これか?元勇者たち。

眠っている伯爵と、書類を見つけて、衛兵たちに、眠っている者たちを確保するように指示をして、書類を持って大公屋敷に戻っていったよ。

しばらくして戻ってきた。

改めて、シーバス伯爵と夫人は身柄拘束、他は牢屋へ監禁するように指示して、早馬をエドモント方面へ走らせたよ。大公の指示か? 動きが早い。


そろそろ、一斉攻撃の頃合いだな。

その上空へ転移して、眼下の様子を眺める。

今まさに、山裾から現れた盗賊たちと、馬車の傭兵たちが合流したところだ。


馬車に乗り込もうとする者たちが、風魔法で吹き飛ばされる、中からサクラが出てきて、馬車ごと結界で覆った。

付き人の女一人に何も警戒する必要も無いとばかりに襲いかかろうとするが、眩しい光に当てられて急に身体が重くなり立っていられない。

それでも立ち上がろうとすれば、更に身体が重くなり地にへばりついて息をするのがやっとの状態になっている。

そこへ、催眠の風が吹いてきて、盗賊団は全員、無力化された。


さて、回収に向かおう。

その前に、サクラに言って、お嬢様の意識をよそに向けて欲しいって言ったら、御者台に乗ってそのまま馬車を走らせてそこから離れてくれたので、その隙に、まとめて全員を時間経過収納へ回収する。

サクラに、すべて終わったから、エドモントの家に戻るように指示し、僕も消える。


その時、お嬢様が見ていた光景は、護衛兼家庭教師のサクラが、盗賊たちを無力化して、今、馬車を走らせてくれていること。それで、窓から攻撃の現場を見てみると、白い霧に覆われていて、中に光の粒がいくつか見える。

お嬢様はこの光の粒を見たことがある。

人に教えてもらったところでは、妖精っていうものかもしれないってこと。

今回も、妖精さんたちが、助けてくれたのかもしれない、ありがとう、って声にでていた。

サクラにもありがとう、って。


僕は、今度はエドモント領の衛兵門前に、霧を発生させ、その中に、眠ったまま束縛された盗賊たちを転送して、今回の依頼書のコピーを置いて、終わり。

あとはどうぞご自由に。

遠くから、馬の足音が聞こえる、早いな、何かのスキルか? 

鑑定、「魔早馬」、通常の早馬の5倍速、馬への魔力支援が必要、ってスキルだね。

ちょうど良いや、霧の中の、盗賊団を見つけてくれそうだよ。


さあ、帰ろう。

風呂入って寝るぞ〜〜




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る