第40話 古代勇者ケンジ
サクラにも伝えて、これからどうする?って聞いたら、下の階層に大きな反応があるので行ってみたいってことなので、みんなで行ってみたけど、もうここはダンジョンでは無い、コアだけが存在している。
手を触れてみれば、ボワーっと人影が浮き出てきたよ、高校生? 日本人? 残念ながら、意思疎通は出来ないようだが、ポッとコアの隣に箱が出てきた。宝箱? 呪いや罠は無い気配なので、開けてみれば、日記帳だよ、想像通り日本語だ。
あと、腕輪収納が1個入っている。これ、貰っていいのか? コアが点滅した。
ウン? 話せるのか? 消えた、ひょっとして召喚された日本人なのか? 点滅、この腕輪と日記、貰っていいのか? 点滅、どうやら YES/NO で答えてくれるらしい。
何というか状況がよく分からないので、とりあえず、日記を読ませてもらおう、また改めて来るよ? 点滅、そして明るくなって落ち着いた? なので、今日は一旦ここから立ち去ることにした。
魔王城にお邪魔しているよ、サクラとノエルは何かし始めたので、僕は一人で彼の日記を読んでいる。
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既に、この世界に召喚されて1000年、勇者の仕事も終わり、騙されていたことも、魔王なんて対立すべきものでもなかったことも、すべて分かった。
他の連中も、死んだとか行方不明って話は聞くけど、日本に帰ったなんて話は全く聞かない。そりゃあそうだよ、だって、帰る方法なんて、最初から無いんだから。
1000年の時が、僕にかかっていた呪いを解除してくれたようだ。
そんなときに、地殻変動?なのか、ここの一体が地中に取り込まれて、僕も地中に取り込まれてしまったようだ。幸いダンジョンの出来始めのようなところに落ちて、なんとかやっていたが、次第にダンジョンに取り込まれていく感じとともに、身体の自由もきかなくなってきたので、この日記も、これまでだと思う。
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というので終わっている。
最初のほうは、勇者として召喚されて、異世界で魔王倒して、日本に帰るぞ〜なんて勢いがある。訓練して、レベルも上がって最高レベルは190だって。
どんな魔物と戦ったとか、仲間がどうのこうの、とか、いろいろこの人は几帳面だったんだなって思える。
それで、魔王討伐遠征に向かうところまで。
あとは、最後の部分になるだけだ。
イヤな顛末だよ、全く。これ、どうしようも無いよな、今、YES/NOで意思疎通が出来ても、じゃあ、何か、僕にできるのか? 虚しい・・・
サクラも読みたいっていうから、渡しておいたけどね。
もう、帰って、風呂入って、寝よう! 嫌なことは忘れよう! 僕も、サクラもまだ生きているんだよ。
風呂入って、気分も良くなった?ので、彼の腕輪収納を見てみよう。
何と、聖剣が6本もある、長く勇者を努めたのかな?
冒険者カード Sランク 名前 ケンジ
金貨もあるな。
ノースリア金貨 1万枚 ザザランド金貨 1万枚
ドラゴニア金貨 1万枚 ドラゴニア大金貨 100枚
あとは、同じ種類の、銀貨、銅貨、が大量
彼、ケンジは、読書家だったのか? 本が多い。しかも、いわゆる物語、歴史、寓話、などの創作小説。
これは、この腕輪ごと収納しておこう、「古代勇者ケンジの遺産」として。
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