第39話 サクラ ダンジョン攻略 

翌日、朝から昨日の続きだ。

サクラの転移で僕とノエルも連れていってもらう、「転移指輪」のチェックも兼ねてね、ボワッと黒霧に包まれたと思った瞬間には、すでに昨日の場所だ、ほぼ、正確だよ、安全を確認してから、着地して「隠密」を解除。イイね、「転移の指輪」。


草原を少し歩くが、今日は魔物が寄って来ない?イヤ、この先にいるよ、ウジャウジャと、そこは、大きな沼?池? 沼には、魔鰐、沼の周りには、魔トカゲ、リザードマンってところか? しかも、剣や盾、槍、胴当てまで装備しているよ。

背丈は2m、りっぱな体格で力もありそう。さあ、どうする?


サクラは自分に「結界」を張ってから、沼の鰐たちに「催眠」の風を流して気絶させて、トカゲたちに向かって、いきなり強めの「加重」をかけた。前の方からバタバタと折り重なって倒れていくが、後列あたりの連中は何でもないって顔でこちらを睨んでいる。そいつらのレベルは、170、サクラと同程度の連中が群れでいるってことだよ。前列あたりの連中はもう息絶えていて、ダンジョンにどんどん吸収されていっているが、中程の奴らの中には、起き上がってくるものもいる、それらに向かって、「光刃」がバシュバシュ飛んで行って、首がはねられている。


後ろから、前のものを退けるように、出てくるレベルの高い奴らに向けて、軽く「フラッシュ」が放たれてそれと同時に何発もの「レーザー」が発射されている。どんどん敵が減っていって、残り、3体のでかいトカゲが残っている。こいつらのレベルは、180、さあ、どうする?


サクラの顔にも汗?がたれているが、まだまだ、魔力も気力も平気なようだ。

強めの「加重」が放たれて、3体のトカゲを膝つかせて、「光刃」で、2体、残りの一体には、「レーザー」直撃で、頭部破壊。これで終わり。

あとは、先に眠らせた鰐たちだが、トカゲの全滅を知って、沼の中にどんどん逃げている、逃げる選択もできるんだな。

魔石を全部回収してきて戻ったサクラの表情は、昨日とは違って、明るい。魔力を使ったせいか、ややつらそうだが。

これは、休憩が必要だね、普通、あれだけの魔物の群れには一人では向かわないよな、普通の人間なら・・・


なので、「気配察知」で、魔物の居ない場所に移動して、まあ、そこは、下の階層への階段のところだったけどね。

そこで、座って、水、「精霊の水」を出して飲ませ、あとは、メロンにりんごを「収納」からだして、オーク肉のサンドイッチを出してみんなで食べたよ、そういえば、朝食も抜きで、ここへ来てたんだった・・・

ノエルも水を飲んで、「何これ?この水、力が湧いてくる〜〜」って、うるさいから放置しておいたけどね。

そりゃあ、力も湧くし、傷も病気も治るし、魔力も回復するさ、「精霊の泉」の水だもの。また、水の補充に行かなければ、だよ。

食後、少し反省会をしながら休憩したよ、自分より上位の魔物を倒したサクラもレベルが上がって、レベル180、上がり幅はさすがに小さくなってきたが、まだまだだ、限界は無い。


第二階層、ここは空が高い、空の魔物でもいるんだろうな。

いきなりの、尾長魔鳥の襲撃があり、何か粉っぽいものを振りまいていったな、これ、「呪いの粉」だ、サクラは、「状態異常無効」は持っていなかったな、なので、僕が、風魔法で吹き飛ばして、光で「浄化」「解呪」して、魔鳥は、「加重」で地面に落とす。強めの「加重」だったせいで、みんな潰れて、地面に吸収されていったよ。

魔石を回収したサクラにも、あの手のものには、光魔法が効果的で、「浄化」は大切って言っておいた。そういえば、「解呪」はあげてなかったと思い、サクラ腕輪に「解呪」と、「状態異常無効」も追加で付加しておいた、風は、生活魔法でできるだろう?

さて、いきなり、面倒な洗礼を受けたが、その後は、静かに?進むことができている。


なんというか、気配でわかってはいたが、地中から大きなものが出てきたよ、これ、何かの幼虫? 5mくらいのコガネムシの幼虫みたいだが、顔が、どこからみても、凶暴だ。しかも、何か糸?粘着糸を吐き出して、絡めようとしてくる。


僕も、まともな火魔法は持っていないけど、魔力を込めて、生活魔法の火魔法で、火炎じみたもので対応してみる、と、これが効いたか、粘着糸はどんどん燃えてなくなり、芋虫の身体も、焼き焦げてきている。周りに香ばしい匂いがしてきたが、芋虫の焼けた膚がどんどん回復していっているようだ。超回復持ちだな。

サクラも、自分に「結界」を張るくらいで、ろくな攻撃も出来ていない、なんと、「光刃」が光沢のある芋虫の肌に逸らされたり反射されたりして、まともに効いていないのだ。


ここで、強い味方がいたんだよ、ノエルだ、しょうがないな〜なんて顔しながら、黒い闇の炎?で芋虫を燃やしだしたよ、頭の部分を燃やし尽くしたところで、でかい身体もろとも、地面に吸収されていった、これは、地中に逃げたとかではなく、死んで、ダンジョンに飲まれたということだ。

ドヤ顔で、こうやるんだ!って説教されたよ。

おかげで、覚えたけどね、・・

これって? 焼くのは演出で、ブラックホールに突っ込んだな〜


*魔王魔法・闇魔法 「無尽炎」 すべてを焼き尽くして無尽に帰す


ついでだ〜って他の魔法も見せてくれたよ。


*魔王魔法・闇魔法 「闇炎」 これこそ、黒い炎だ・・・

*魔王魔法・闇魔法 「闇刃」 光と違って反射されなく吸い込まれるように切れる


ノエルにありがとうって言ったら、「なんのなんの」ってまたドヤ顔された、イヤ、確かに凄いんだけどね・・・

サクラには、こういうこともあるから、単独行動では気をつけるべきで、敵わないなという場合は、即、逃げる、これ重要ってね。

残された大きな魔石を見つめて、頷いていたサクラが一言、「すごいです」って、それを聞いたノエルの満足そうな顔。

なので、僕も自己反省、どうする? 「加重」で押しつぶす? 魔石だけ回収してしまう? 面倒なので、芋虫全体をどこかに「転送」してしまう? 焼いて傷ついた膚に「レーザー」を打ち込む? 回復の速度以上に「火炎」を浴びせて焼き尽くす? ま、どれでも僕なら魔力が多いからできるだろうけど、「闇刃」で、バサッって首を落とすのが早いかな?「闇炎」で包み込んでも面白いか・・・


これでこの階層は終わりか?ってそんなことは無いよね〜、来たよ、空襲だ。

ワイバーンが10体。でも、ワイバーンなんて、地上に落としてしまえば、動作も緩慢だし、ちょろい?んだよね。

サクラを見てみれば、ちゃんと、「加重」を多めにかけて、ドンドン、地上に墜落させて、「光刃」で、首チョンパしているよ、芋虫で苦労したけど、ワイバーンなんてもう、敵じゃあないな。 こちらの魔石も大きいからね、感動しながら回収しているよ。ここで、サクラのレベルが、200に達した。目標達成だな。




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