第33話 魔王 ノエル
帝都の冒険者ギルドに来ている。
何をしているかって? 他の冒険者やらを見ている。何か?役に立つ能力がないかな・・・
もちろん、隠密状態だよ、こんなの、じろじろ見てるだけで絡まれるからな。
良さそう?なので、複製したものは、闇魔法、黒魔法、洗脳魔法、魔王魔法、記憶消去、・・・って、あれ? ひょっとして魔王様がいたのか? そういえば、一人、隠密の僕に気づいて見ていった人がいたな、あの人か?
鑑定してみれば、
魔王 名前 ノエル、女、25歳
レベル250
精神生命体、龍と同等、
魔王異空間収納、魔王鑑定、魔王錬金、転移、
魔王魔法全般、創造魔法、古代魔法、
僕は、姿を現して近づいていって、声をかける「あの〜こんにちは」。
「うん? あんたか? 見事な隠密じゃな? 何をしておったのだ?」って、そんなに不快な感じの人ではないな。
僕は正直に、ちょっと、魔法やスキルを探していたことを話した。
「儂の事が分かっているようじゃの? 見えるのか?」
そう、僕には見えているので、「見えるよ、ノエルさん」って言ったら、驚いていたけどね。
「分かってて、声をかけてきたのか? みんな人間はそんな風にはしないものだぞ・・・」
でも僕には、全くそういう気がないので、って結構いろいろ話しができた。
ちょっと、魔王のお城まで来るか?って言うので、OKして、「飛行」で飛んでいったよ。
「転移」するのかと思ったけど、思ったより、場所が帝都に近かったのだ。
ノースリアの例の谷筋(V字渓谷というらしい)の上、ウエステン王国側だ。
「認識阻害」がかかっていて「結界」まで張ってあるが、難なく通り抜けて、見れば、立派な魔王城だ。そのままついていって、王の間に入った。
「やはりな、結界も何もかも、お主には効かんかったか?」
で、豪華なソファーに座って、二人で歓談している。
これこれこういう事情で、って話したところで、それは魔王も勇者たちが来ることは分かっていて、適当にやりすごすつもりだったらしい。
それで、どうやら、僕の話に乗ってくれて、僕に協力してくれるようだよ。
「つまり、その女魔道士を殺したように見せかけて、「闇収納」に入れてしまえば、痕跡も何もないし、探りようが無いからの・・・」っていう作戦だ。
勇者たち他の3人はどうする?っていうから、魔王の好きにすれば良いさ。僕の興味対象では無いし、って言ったら、「じゃあ、殺さぬように遊んでV字峡谷の入り口あたりまで転送で戻してやろうかのう?」って言うから、べつにどうでも良いよ、ってね。
なんて会談していたら、魔王幹部が2人、転移して現れた。
「魔王様、ご無事ですか? 何やら、龍か神のような反応を感じたので、来てみましたが・・・って、そこの人間は?」
「まあ、静まれ。なんでもない。今、遊びの計画をコヤツと一緒に練っていたのじゃ。それに、もしお前ら、暴れるなら、コヤツに瞬殺されるからな・・・」
って、まあ、ふたりともレベル200、普通に強いな、ドラゴン並だ。
尤も、僕には効かないだろうけどね。
「魔王は、僕のレベルとか見えているのか?」
「イヤ、見えないから、恐ろしいんじゃよ。この儂にさえ、鑑定できない相手なぞ、初めから、敵対するものでもあるまいて」
魔王に、酒は好きか?甘い物のほうが良いか?って聞けば、「両方、何でもいけるぞ、くれるのか?」って言うので、酒樽2個、お菓子と果物を山盛り出してあげたよ。じゃあ、よろしく! ってね。
セイランやウインディ、ライムの3人を召喚して、魔王に紹介したら、精霊たちは、魔王の前だろうが関係なく、お菓子に群がっているし、セイランは、魔王幹部二人と意気投合したのか、表に出ていったよ、ドンパチはじまってるな。同じくらいのレベルで、本気で遊べそうだな。
「何というか?お主の連れは、青龍に精霊かい?」 「・・まあね」って言っておいた。
なんというか、まあ、作戦は僕も見ているから、好きなようにやって欲しいって言って、酒樽をもう1個出して、サヨナラして、戻った。
本気で、面白いことになりそうだよ。
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