第28話 ワイバーンの始末
順番にというか、僕が先に風呂に入っていたら、二人して突入してきて、カラスの行水か!~ バシャバシャしてすぐに出ていったよ。風呂なんて一瞬で終わりか?
まあ、そんな奴らは放っておいて、僕はゆっくり湯船に浸かって、半分ウツラウツラしながら、のぼせる前に上がった。ちょっと長湯だったな。あとは、ベッドに横になった途端に寝落ち。
翌日、昼近くに冒険者ギルドへ顔を出したら、なんかバタバタしているので、そっと帰ろうかとしていたら、ガントさんに呼ばれたので奥の部屋へ。
「実はな〜 昨日はいろいろあって大騒ぎでな〜」って、まあ、間の抜けた感じで始まった。
伯爵の三男坊が襲われたが無事だったこと、襲ったのがこのギルドに所属のB ランク・パーティってこと、それも、某男爵の直接依頼を受けてとのこと・・・
当然、どういう理由であれ貴族の嫡子を正当な理由もなく殺害しようとしたことは許されるものではなく、生涯鉱山奴隷という処分になったこと、殺害計画をたてていた某男爵自身にも、いろいろあって、今朝から帝都の検察官が屋敷に入って調査中だが、すでに刑は確定していて、男爵爵位及び貴族籍剥奪の上鉱山送り、使用人たちについては現在調査中って・・・ペラペラと話してくれたよ。
そんで、僕が絡んでいるんだろう? ってカマをかけるように聞いてくるので、「知りませんよ、そんな貴族の面倒なことなど、きっと、神様のバチでもあたったのでは?」って答えるしかないよな〜〜〜
ということで、Bランクのパーティも居なくなって、依頼が貯まっているんだと〜〜
受けてくれないか?っていう相談? とばっちりだね!
それで?何するの?って聞けば、 「ワイバーンの始末」ってあんたバカか? たかがDランクに、ワイバーンの始末を依頼するの?
しょうがないので、「正式依頼にしないから情報だけでもくれ」ってことで、一応、調査をすることにしてギルドをあとにした。
「あまりアテにしないでくださいよ」
「ああ・・・気長に待つ・・・」
話では、領から街道をはさんだ北の向こうの山の方から、度々出てきては山裾の近隣の村や町を襲って被害を出しているんだと。いくつ? 同時ではないけど目撃情報では5〜6体はいるようだ。そんだけ分かってれば、もう調査なんて必要ないよね~
つまり、脅威を無くして欲しいってことだね・・・
ギルドの裏側に回り込んで隠密、そのまま浮上していって、セイランを召喚。
こいつ、召喚空間に引っ込んでいても僕の状況が解るのか、いちいち話す必要さえ無い。なので、早速二人で北の山に向かう。
どこからともなく、2人の精霊たちも現れて、僕とセイランの肩に乗っている。
自分で飛べよ〜〜
しばらくして、確かに前方から2匹、こっちに向かって来ている。向こうも僕たちを見つけたってことだろ。
ちょっと、念話してみるが、・・・通じない・・・
ウインディとライムに指示、一匹を任せるから、綺麗にやっつけて!
セイランには、他の一匹の処理と、2精霊の補助を指示。
ただし、ワイバーンの肉は美味いらしいし、素材もいろいろ買い取ってもらえるので、できれば、傷なしの完全体で、首チョンパくらいなら良いけど・・って伝えておいたよ、全部で何匹になるか知らないけど、とりあえず、2匹を相手に、君たちのやり方を見ようじゃないか・・・
実は、今回、ウインディには新装備を渡してあるのだ。
小さいから苦労して作ったけど、腕輪収納・ウインディ限定装備、だ。
大きさ的に、容量無限はさすがに駄目っぽかったので、容量大、それでも、大きな屋敷ならまるごと入るけどね、もちろん、時間停止。
小さくても流石に、重さはあるので、重量軽減MAXを付与してあるので、重さは感じないだろう。セイランにも、始めから、腕輪収納を装備させているから、回収は問題無いはず。
僕は、更に上空に昇っていって上からみんなを見ることにする。
ライムが、ワイバーンの正面に現れて、至近距離で強烈な「フラッシュ」。
ワイバーンは少しフラッとはしたが、すぐに体制を整えて、ライムに向かって吠えている。ところへ、ライムから発せられた一筋の「レーザービーム」がワイバーンの開いた口の中に吸い込まれる。突き抜けて脳天直撃で、瞬殺だよ。ウインディが落ちる前に収納した。良い連携だ。
セイランの方は、全く問題が無い。
セイランを目の前にしたワイバーンがビビっていて、今にも逃げたそうにしているよ。可愛そうなワイバーン。
セイランの青龍刀が一回振られた、これ、肉は切ってない、魂だけを切ったようだ、それだけ。即、腕輪収納に回収された。もう、ワイバーンなんて、驚異?でも敵?でもないだろ、これ。
僕の仲間は強いな。
念話で、よくやった良かったよって労って、さらに北に向けて進む。
僕は上空にいて空間把握していて分かっていたけど、ちょっと先に4匹、集まって待機している。そして、そこからさらに北の山中に気配が多い。どうやらそこがワイバーンの巣のようだ。
巣の連中には、こちらに向ける敵意も殺気もないので、放置しよう。
問題は、もうすぐそこの4匹。
敵意や殺気バシバシ飛ばしてきているので、今度は2匹づつを任せてみた。
結果は、2匹でも3匹でも、たとえ4匹だろうが・・・関係無いってことだよ。
精霊組はやや手こずる場面もあったが、問題無し。セイランなんて、2匹まとめて瞬殺だしね。僕は、全く不要! 出る幕無し、だった。
空中で集まって反省会?っていうより、特に精霊たちの手柄話しで盛り上がって、それぞれの収納から僕の腕輪収納へ移してから、帰ることにする。
一応、この先の巣のことも、みんなも分かっているようだったので、今回は放置するって言っておいた。もし、次回があれば、知らないけどね。
人を襲ったら、そりゃあ駄目だな。僕自身はどっちでも良いけど、人間の領分まで攻め込んできては、いろいろ反発や騒ぎが大きくなるから・・・
*腕輪収納・ウインディ限定装備 重量軽減、不壊、容量大、時間停止
夕方、ギルドに寄って、ガントさんに直接会って、北山のワイバーンに会って遊んできたこと、気の荒いのが6匹いたので遊べたこと、更に山奥に巣があるけど、いまのところ問題ないってことを小声で伝えた。
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