第25話 貴族の坊ちゃま?救出
音もなくそよ風のように飛びながら、上空から「気配察知」で悪意や殺意の気配を探す。
いるな、冒険者ギルドの近く、ウインディたちも見つけたようだ。
よくある、新人からの巻き上げ? カツアゲ?略奪? リンチ? 様子を見ていると、立派な冒険者?騎士?っていう感じの若いのが連れの騎士2人を連れて歩いてくるよ、どこかの貴族の男子か? 君たち・・・狙われているようだね・・・
待ち伏せ連中のレベルは40〜50で結構強い。対して騎士さんの方は35、これヤバくない?若様は、レベルはまあ論外だし。
ちょうど、ギルドの裏のほう、人の気配がなくなったあたりで、事件が起きた。
盗賊?が若様の剣やバッグをひったくった。追いはぎか!? 一人はそのまま走って逃げる、残りの盗賊は4人。騎士さんたちが剣を抜いたが、盗賊たちのほうが強い。
さあヤバイよ、どうする?君たち・・・ってウチの二人をみれば、頷き合って飛んで行ったよ。
ライムの「フラッシュ」、結構強めで、騎士も盗賊も目を開けられない。
そこへ、ウインディの「催眠の風」、みんなバタバタと倒れる。とそこへ、さきほど獲物を奪って逃げてた奴が様子を見に戻ってきた。バカだね、催眠の風を吸い込んで、こいつもダウン。
さて、これで、君たちはどう?するんだ?
二人して僕を見ている。何? もう援護が必要なの? 自分たちのやることはやり終えたって感じが出ている。
仕方がないので、盗賊たちにまとめて催眠を上掛けして一箇所に転送して集める。
騎士さんたちと若様も一緒にして離れたところへ転送した。
盗賊たちを土魔法で立ったまま胸まで埋めて身柄を拘束。
盗賊たちからは、金品は没収した。
そのあたりに白い霧を発生させて、ライムに言って、空に向かってフラッシュを発射させて人の気を引く。
そうしてから、僕達は今ギルドの屋上に退避して眼下の様子を伺っている。
光と白霧に気がついた人たちがワラワラと集まってくるので、ウインディに言って、そよ風を流してもらって霧を少しづつ晴らすようにしてもらった。良く、見えてきたぞ〜〜。
ギルドの職員たちが真っ先にやってきて、若様たちを発見。遅れてきた男性職員が、埋まっている盗賊たちを発見、若様の剣やバッグは盗賊に握られたままだ。
ギルド長が出てきて、何かを探すように上を向いているが、見えないよね。
ウインディとライムは僕の肩に腰掛けて、そんな様子を見ながら二人で話し合っている。
あそこで、こうしたら、とか、ああするべきだったな、とか、なるほど、そういう手もあるのか、などと事後検証をしている、良いけど、そんなに面白いものなのか?
若様たちに対して事情聴取が始まった、鑑定では、ここ、エドモント伯爵の三男坊だ。お咎めは何も無いだろうな。
冒険者の一人が、盗賊たちを魔法で掘り出しているよ。掘り出されたあと、すぐに、ロープで束縛されている。
鑑定では、盗賊たちは、Bランクパーティ「善良の風」だってさ、善良?・・・どこが?
しかも、Bランク? 貴族の相手もするランクだろ?
そうか、これ、貴族依頼の事件なのか? 裏がありそうだ。
一人、逃しておけば良かったかな?
イヤ、待て待て、この事件を遠巻きに見ているどこかの貴族家の使用人?がいるよ、悪意丸出しで、これは決定だね。
二人にいって、あそこの貴族家の使用人みたいな人は、これこれ・・こういう理由で怪しいと思うから、このまま追尾していって、できたら、その貴族家を探ってくれる?ってお願いしてみれば、もちろん! 了解! だって。早速、使用人の近くまで、飛んでいったよ。
さあ、蛇が出る?何が出る?
どういう理由であれ、貴族家の若様を狙ったんだからな、逃れられないよ。
盗賊たちから没収したものを漁っていると、確かに金貨が多い?100枚、これ直接の依頼料の前金? 依頼書みたいな書類は流石に無い。ただし、コイツラに不釣り合いな短剣がある、しかも貴族?の家紋入り。
鑑定ではマケドン男爵の家紋だ。ちょうど、街道の反対側にある貴族領地だ。
この家が?絡んでいるのか? 二人の連絡を待つか・・・念話を入れたら、いま、追尾しているっていうので、僕は一旦別荘に帰るからって言って、転移。
マッピングを展開して、追尾している。
どうやら、当たりだ、マケドン男爵邸に入っていくようだ。
ふたりとも、頑張れ!!
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