第8話 エドモント伯爵領

朝だ、目覚めたのは、僕の異空間収納内の「住居」。

何か僕自身の中に入っているみたいだけど、全く違うんだな、これが、だって、それぞれが異空間なんだよ。どうでも良いけどね、そんな感じ、まだ慣れていない。


朝食を適当に食べて、僕は、そんなに食べないほうだけど、焼き立てパンとメロンと水にしておいた。ウインディは・・・よくわからないので、僕のものから、少しづつ小分けにしてやったら、それを食べていたので、特に要望がなければ、そんなので良いのかな?


住居から出て、昨日の街道付近に出る。認識阻害を解除して、さあ、西へ向かうよ。

歩くよ!少しは、運動? 歩きも必要かな?って、何となく思ってさ。

ウインディは、僕のまわりをフワフワ浮いてついてきてるよ。

1時間くらい歩いたかな? 何も! なかった。遠巻きに魔狼が数匹走っていったくらいか。歩くのはもう飽きたので、木の陰で、休憩。水とスイカを出して食べたよ。

いいよな、どこでも、こういうのを食べられるって。仕上げは、クリーンで一発。

あ、スイカの皮とか種とかは、そのまま放置したけど、駄目だな・・・

回収して、収納内の虚空空間へ入れておいたよ。


綺麗サッパリして、さあ、出発、そのまま浮上していって、上空から眺める、進行方向、西に、村?が見えるので、とりあえずそこの上空まで飛行。

まだ、朝の支度やら何やらで、忙しそうに村人が動いている、白煙は何か煮物でも作っているのかな?いい香りがここまで漂ってくる。

見た感じでは平和そうな村だ。

なんというか、これが日常? 村に向かって、走ってくる群れがいる。魔狼の群れだね。

腹が減って、村の美味しそうな匂いに寄ってきたのかな?

村のほうでも、気がついたんだろう、魔狼の群れの来る方向の村の出入り口に、村の男たちが手に、武器を持って集まりだしたよ。って、武器って、鉄の剣が数本に、あとは棍棒?ってゴブリンじゃあないんだし、やや貧弱なのでは?

魔狼たちは、全部で、12頭、立ち止まること無く一気に構える男たちに襲いかかっていったよ。鉄剣の男の一撃で、一頭が傷ついたようだが、反撃もそこまで、これ、ヤバイよ、駄目なやつだね。


ウインディに言って、魔狼達を無力化して、傷ついた村人たちに、回復の風を!ってお願いして、僕も、仮面を被って、魔狼たちの後ろに降りて、魔石だけを回収、収納していく。

村人たちにウインディは見えないから、何事?って雰囲気になっているが、そこに現れた変な仮面の僕に必然的に注目が集まるよな。

なので、「こんにちわ、通りかかったもので、勝手に援護しました」なんて言って、僕の魔法と回復魔法を使ったと話したら、なんとか分かってもらえたかな? それで、僕は、魔狼の魔石は回収しましたが、肉も毛皮も不要なので、よかったら、みなさんで、ご自由に!っていったら、ドドドーーって勢いで、みんなが倒れた魔狼のほうへ向かっていったよ。

傷の深い人が数人いたので、ボトルから精霊泉の水をかけてあげた。


怪我も無く、魔狼の解体にも向かわなかった老人がいて、どうやら、村長らしい。

適当?にお礼を言われたので、・・・何か?を期待したわけでは無いけど、何も無さそうなので、じゃあ、って、サヨナラしたよ。そのままの姿で、浮上してやったら、腰抜かしてたけど。肉と、毛皮だけでも、収穫できたんだから、それで良しってことにしといてください・・


辺境?の村を後にして、次に見えてきたのは、大きな街? 中にお城?くらいの立派な屋敷が見えるな、誰か、貴族の屋敷か? 

鑑定では、エドモント伯爵領、領主エドモント伯爵。この領は、街道沿いで人の行き来や住民も多そうだ。お決まりだけど、中央には市場がある、出店も多い、楽しみだな。

そうだ、僕は、身分証無いな、無くてもどこでも行けるけど、やっぱ、この異世界の世界、ダンジョンなどにも行きたいし、冒険者登録くらいしておいたほうが良いんだろうな・・・


とりあえず、この伯爵領に入ってみよう。

入り口の衛兵さんのところで、銅貨5枚、一日有効の仮通行証をもらって、入門だ。

うん、人が多いな、都市?って感じ? 領内の道も整備されていて、地面もよく固められている、馬車も通りやすそう・・

中央の市場の手前に、衛兵に聞いた通り、大きな建物があって、一目瞭然、冒険者らしいのがうろうろしている場所、これが冒険者ギルドだな。

隣の大きな建物には、商業ギルドと、領の代官所になっているってことだ。


冒険者ギルドの入り口から入るが、空気は良くないな、いろいろな意味で。

獣臭、血臭、汗臭などなどが混じり合っていて、あとは、いろんな視線、悪意、敵意混じりのものも多いな。問題を起こさないようにしよう。

受付の暇そうな女性の前に行って、登録の手続きをする。


身分証は?「無し」、一日通行証を見せる。

出身は?「忘れました、記憶が一部無くなっているので」。

名前は、「ヒカルです」。

歳は、「31」って。


では、銅貨5枚いただきますって言うので、出したが、案外、いろいろ5枚くらいは取られるんだな、5000円相当だよね、高くないか?

金属製?の板を出されて、ここに手をっていうので、手を置いたら、いろいろ読み取っているらしい、名前 ヒカル、年齢31、出身 東の森、レベル 30、生命力 80、体力 80、魔力 30、 魔法 生活魔法、スキル 投石、って表示されているのが、僕にも見えるな。

よしよし、思ったとおりの数値になっているよ・・・


昨夜、ウインディに言われて気がついたんだけど、これから、人に会ったり、冒険者になるにしても、いろいろ、自分の能力を公開しなければいけないことも出てくるけど、大丈夫か?って、どう見ても、僕の今のレベルなどをそのまま公開するのは良くないだろうな、とは思っていたけど、・・・隠さなきゃ!

「鑑定」の詳細を見ていたら、あったんだよね〜〜 「」、ってやつが、これを使って、全部を隠蔽して非公開にしたり、書き換えた数値を公開する、とか出来たんだ。


名前  ヒカル

種族  人間 (異世界人、転生者)

年齢  31

性別  男

レベル 30 (180)

生命力 80 (100)

体力  80 (100)

魔力  30 (400)

スキル 投石 レベル20

魔法  生活魔法


というのが、僕の公開情報なのだ、()は実際の値


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