第2話 世界樹の加護

それで、なぜここの森の中? きっと意味があるような気もする。

改めて周りを見回してみれば、今、僕は、とてつもなく大きな樹木の下にいるのがわかった。これ、いわゆる、世界樹とかそういうものなのでは?

一応、手で触れてみると、途端にビリビリってして何かが身体の中に入ってきたような、錯覚かな?しかし、わかったことがある。さっきより視界が明るい、というか遠くまではっきり見えるように思う。

「ステータス」 変化は?


※レベル ー>80,生命力100,体力80,魔力200,

※あと、が付いた。


レベルも上がって、身体能力?でも上がったのだろうな。

生命力100は、先程の指輪(神)の絶対防御あたりの影響かも? 

※世界樹の加護

世界樹に触れたものに対してだけ与えられる、ってことは、通常はやたら触れられるようなものでは無いってことか?それで、恩恵は、


※ 生命力レベル補正・大

※ 魔力レベル補正・大

※ 全言語理解


なんて考察していたら、が一本落ちてきた。まるで、これを持って行け、と言っているよね、これ。ありがとうございます。

鑑定したら、

※世界樹の枝 不壊、世界樹の加護、攻撃力増大、魔力を流して使用する

流す魔力量により、木刀相当から、ミスリル、オリハルコン相当まで、変化する。


ためしに、少し魔力を流してみる、流し方は、先程の、ビリビリときたときに分かったように思えた。少し流した結果は、確かに!立派な木刀に变化したよ。

これだけでも、これ、相当な威力だとわかるな。

多めに流してみたら、青銀色の立派な片手剣だ、さらに日本刀を意識してやってみたら、少し反りのある片刃の日本刀に变化した・・・すごいな、世界樹の枝。


剣道なんて、大昔に学校の授業中に少しやったくらいだよ、使えるのかな?

なんとか意識しながら、素振りしたり、エアー敵を相手に立ち回りっぽくやっていたら、何となく、動きが良くなったかな?


※剣術 レベル20を取得できたよ。きっと、この世界、これで普通?なんだろうな・・・


これは、新しいスキル?も入手可能ってことか。

まあ良いや、刀から魔力を抜いたら枝に戻ったよ。これなら鞘がなくても、邪魔にならないよね、尤も、収納にしまっておくので。この枝も、大事に使わなきゃだよ。


そうだ、服装。僕は、記憶はそのまま引き継がれている。そして、あのとき着ていた服装もそのまま。財布も、カバンも、そこに落ちている。

まず、財布をチェックした。中身は、これ?両替してくれているのか?

見知らぬ硬貨がカバンに入れた財布から溢れているよ。確か、あの日は、銀行から引き出したばかりで、多めに現金を持っていたんだけど、恐らく全部、こっちの硬貨に変わっているな、金貨、銀貨に、銅貨だよ。現金は15万円くらいだったと思うから、金貨一枚で10万円?銀貨は、1万円? ってところかな? 無いよりは良いかな?


あとは、カバンの中の、PCやスマホ、これは使え無さそうだ。電池のあるうちは、カメラとかなら使えるか・・・ここの風景写真でも撮っておこう。

そう、服装は、中年の会社員です、って格好だけど、これ、どうにかしなきゃだよ。

何となく、収納を見て、服装ってイメージしたら、収納品のリストが表示された。

神様、入れておいてくれたのかな? それとも、これも、転生特典?

いずれにしても、旅人、冒険者、魔道士、剣士、商人、っていろいろ揃っているじゃあないですか。まあ、旅人で。なんとなく「選択」したら、一気に着替えが済んだよ。サイズも僕にピッタリだ。なんかすごく便利。


持ち物は、とりあえず、いただいた「神指輪」をはめて、服装の中にあった、小さめのカバンを出して、そこに、金貨以外のコインを入れた。

そうだ、食べ物や飲水は? って思ったら、世界樹から大きな木の実、桃のような甘い香りの果実、これ食べな!って出してくれたようなものが4個出てきて、これで、水分も補給できそうだよ。とりあえず、2個食べることにして、残りは、収納しておく、時間停止だから、悪くならないよね。


ということで、準備も出来たので、ここから離れよう。

その前にと、もう一度、世界樹に触れて、ありがとう、って伝えたよ。また軽く、ビリビリってきたよ、確認するまでもなく、レベルの再アップだね、ありがとう。

さあ、水場を探そう、って思ったら突然、生えている草が分かれていって、獣道のようなものが現れた。これを進めってことだろうね、感謝!


※レベル ー>100,生命力100,体力90,魔力250 


とりあえず、カバンに入っていた、500ccのペットボトルの残り水100ccを飲み干して一息ついた。そうだ、錬金複製って、これを複製出来るのか?

空になったペットボトルを手にして、錬金複製、同じものが欲しいって思ったら、できたよ。まあ、空のボトルだけどね。面白いな、「錬金複製」。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る