第11話 lonesome


「♪~ソー  ランラン トゥ ウェアイッツサニー.

  ラン ラン ユールビージャスファイン ~♪」


私は後ろの席で歌っていながら、心地よい風を感じているとバイクは

スピードを弱めてやがて止まった。


「んーーーー!  着いた着いたー! 気持ちよかったー!

 あれ? ここなの??」

 着いた場所は何もない木々で囲まれた場所だった。


「この先ね。 案内をさせる、行きましょう。」

彼女は指笛を吹いて使い魔の鷹を呼んだ。

「うぃ。」


「気持ちいいねぇ。 空気がおいしいよ。

ねぇねぇ、アオイちゃん知ってる? 

こういう森で感じる心地よさは、川のせせらぎや枝葉のざわめきが「1/fのゆらぎ」って言って、人間に心地よい音の波長を作り出しているからっていわれてるんだよ。」


「へえ。 よく知ってるのね。」

「えへへ。 やっぱり自然って気持ちいいものだよね♪。」


ずんずんと二人で森の中へ進んでいくと、いまの時間とは反対に暗くなっていった。


「・・・涼しくなってきたような・・・気がしない・・・?」

「そうね。」

「これ、なーんか指令通りいそうな気がするね。 深呼吸、深呼吸。。。」


森に入ってから1時間経たないくらいしたところ、ピリッとした雰囲気が

辺りをつつんだ。


私たちは背中合わせでお互いの視覚を補うように立ち、周囲を見渡して

警戒を強める。


「「・・・・・・・・来た!!」」

「!?    アオイちゃん!?」


彼女を背中に感じていたが、突然消えたようにその重みが消えた。

(消えた・・・?  もうすでに魔術にかかっていたの・・・!?)


ーーーー ドンドン ーーーー


銃声が森の中に響くが、土地勘がないせいでどこにいるか全く見当がつかない。

(アオイちゃん! 戦ってるの。。。?)



「・・・!!!       もちっ!! 探して!」

音を頼りにアオイちゃんの方にもちを向かわせて、こっちは目の前に現れた使い魔と対峙した。


薄緑の髪の色に女性的な顔、人間の風貌に羽が生えており

背中の羽でふわふわと浮いている。


「あのー。 使い魔さん。

 あなたと契約している魔女さんに私たちは会いに来たの。 なんとか話をつけてくれないかなあ。」


「・・・アソビマショウ♪)


「アンナイシロトタノマレタワ。・・・ウゴケナイヨウニシテ。」

「その前に一つ質問! アオイちゃんは無事なの?」


両手を上げて無抵抗の意思を示したが、使い魔の手の動きに合わせて

かまいたちが起き、私の左頬を切りつけた。


「カッタラオシエテアゲル♪」

使い魔はスーッとより高い位置に浮いて、挑発するような表情で見下している。


「性格悪いなぁ。 ・・・しょうがない。」


(力を貸して・・・ ハルチ ウルチ ツヅチ)


「よし! 行くよ!!」

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