第10話 いざ! 共同任務!!


「・・・・!!」

列車が止まり、目的の駅にようやくたどり着いたようだ。


「アオイちゃん、着いたよ。 降りよ。」

眠っている彼女を肩を軽く揺らして、私たちは目的地の最寄りの場所までようやくたどり着いた。


「疲れたね。 もう3時になるよ。」

「予約してたホテルに向かいましょ。 遅れること連絡してるからチェックインできると思うわ。」




「さてと、先にシャワー浴びてきていいわよ。」

部屋について私たちは荷物を置いて、ようやく会話をし始めた。

それもそのはずでホテルまでの道中、お互い疲れて全く会話がなかった。


「うぃ。 行ってきます。」

ささっとシャワーを浴びて、次にアオイちゃんが入っている間

寝支度を済ませてベッドでゆっくりしているとガチャっとお風呂のドアが開いた。


「あら、起きてたの?」

「うん、 おおおおおおお。 アオイちゃんそのシャツで寝てるの?

 かわいい・・・」

彼女は髪をタオルで拭きながら出てきた。

へそ天している猫のプリントのシャツ着ていてすごく似合っていた。


「やっぱりアオイちゃんって美人さんだよねー。 ずるいいい。」

「なにも出ないわよ。」

「いやぁ、これは本音だよー。 ねえねえ、アオイちゃんっていくつかなの?」

「19よ。」

「えへへ、同い年だったんだね。」

「そうね、でも私からしたらそうは見えないわ。」

「むむむ。   眠たいけどこうやって友達と泊まるのなんか久しぶりでわくわくするね~♪」


ベッドに寝ころびながら彼女を顔を見ていると、”消すわよ”と言われて、

部屋が暗くなった。


「ねえ、もうあなたの固有魔術教えてくれてもいいんじゃない?

 今日すごかった。」

「?  ううん、でも。 できるなら使いたくないんだよ。」

「どうして?」

暗くなった部屋で、天井を見つめて今日のことを思い出した。


「私のは”ギャンブル”なんだよ。 まず、40通りの武器がランダムで選ばれて

 さらに呪文で魔力にも4種類の付与術、白・青・黄・緑・赤の5段階の魔力の

 組み合わせから使用可能なんだよね。 

 今日の電車では、弓・貫通・緑が選ばれた結果。」


「そう。 大変ね。 

 それだけの武器を使いこなせるようにもならないといけないものね。」


「ほんっと、絵本やアニメとは違う世界だよね。  

 魔法のステッキとか持って変身とかするとか全然違うもん。

 それに、魔法が急に使えるようになるわけないってのに・・・ zzz」


疲れちゃったのか、気絶するように寝てしまった。




~~~~~~~~~~~ 朝 ~~~~~~~~~~~~



「・・・・・!!」

「やっと起きたのね。 準備しなさい、出るわよ。」


”うぃ”と返事して身体を起こすと、既にアオイちゃんは着替えていて荷物をまとめていた。


「おはよ。。。 早いね。ふぁぁ。」

ぼーっとした頭を起こすように洗面所に向かって顔を洗ってから、

30分後に出かける準備を終えた。



「よし! OKだよ。 今日は地図にあった場所に向かうんだよね。」

リュックを肩にかけて宿の外にでると、陽射しが心地よくて体が起き上がるのを感じた。


「そうね、目的地は、ここから少し離れた森のなかに入ったとこのようね。 

 地元の人もほとんど近づかないらしいわ。 ほら、乗って。」

「あれ? バイク? どうしたの?」

「借りたわ。 さっきこの宿の管理人のおばあさんが昔使ってて、

 もう乗らないから使っていいって。」


私は荷物を持ったまま、彼女の腰を抱きしめるように手をまわした。

「アオイちゃん、免許も持ってるんだね! すごいなあ。

 よいしょ。 ぎゅー!」

「痛い。離れて。」

「えへへへ。いいじゃんこういうの♪ 私近い年の友達少ないからさ。」


ドルルルルンと大きな音をさせて、私たちは目的地へ向かった。

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