第5話 これからのこと


翌日、私は昼前に昨日行ったお店に足を運んだ。


「こんにちは。おじさん。」

カウンターに座って、料理を作っていた店長のおじさんに挨拶をした。


「おっ! また来たのかお嬢ちゃん。 今日は何にする?」

おじさんはメニューが書かれた紙を私の前に置いた。


「えーーと、コーヒーとサンドイッチ! 卵入り!!」

それから、私は鼻歌を歌いながら調理をしているのをぼーっと見ていた。


「・・・ねえ。」

「わあっっ!!!」


ぼーっとしすぎて声をかけられるまで気づかなかったが、アオイちゃんが隣に座っていた。


「あなた、ONOFFの差が激しいわね。昨日とは雰囲気が違うわ。」

「え? そうかな?? えへへ・・・」


私の前にコーヒーが置かれ、アオイちゃんも同じのを頼んでいた。


「あの人、今日戦うつもりよ。」

「え!? あの人ってアルさん??」

「そう。 あの人を慕ってくれている当時の部下を集めて、今日の夜に奥様と、娘さんを取り返すと。」


「そうなんだ・・・でも、勝てると思う??」

私の質問に、アオイちゃんはスプーンでコーヒーをくるくると回しながら答えた。


「あの2人を取り返すことが勝つということなら、多分負けると思う。」

スプーンを回していた手が止まり、できた渦に視線を向ける。


「交渉のテーブルにつくことはできても、あと男が絶対に女王を手放さない。

ヤツとしては、魔女であることをなんとしても証明してから中央に戻りたいと考えてるはず。」


「そうなんだ、  でもなんでアオイちゃんは私にそこまで教えてくれるの?」

完全防備で身体を布でぐるぐる巻きにされた顔から覗く目と視線が合う。


「私はあの人の味方。あなたが彼の味方というなら、私はあなたの味方よ。」


「お願い、ユイさん。 あの人を殺させたくない。

手伝って。」


「ああ!頭下げなくていいよお! もちろんだよ!」

突然頭を下げられたので、思わず肩を持って上半身をもちあげた。


「家族と暮らすことを奪う権利なんて誰も持ってないよ。 そんなの許せない。

あと、ユイでいいからね。」



私たちはお互いなにか城で起こるまで、

近くで待機することにした。









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