第27話

 僕は机の上に座りザンと名乗った先生の話を聞く。


「まず、剣士偽装するのはどちらだ?」

「僕です。」

「わかった。剣士のスキルを取れるか試さないのかい?最近はダブルスキラーも増えてきているだろう?」

「父が言うには、僕のスキルは定着前に他のスキルの干渉を受けてはいけないそうなんです。」

「そうか、特殊スキルのどれかだね。事情は聞かないが、それならば余計剣士らしさを身につけないといけないね。君には特別補修も受けてもらう。剣士について学びなさい。」

「はい。」


 アルが。返事をしたあと、ザン先生はこっちを向いた。


「もう一人の君は?」

「わたしは魔物つかいと魔法使いのダブルスキラーなので体力づくりにきました。」

「そうか。魔物つかいも魔法使いも魔力も体力も必要なスキルだからな。特に魔物つかいは常に魔力を使い続けていると聞いている。だから魔物つかいは良くここに体力づくりにくるよ。」

「そうなんですか。よかった。」

「君のように魔法使いとのダブルスキラーは珍しいが、剣士とのダブルスキラーなら、上の訓練学校にいるよ。」

「そうなんですね。」

「ああ。その子は、魔力はほどんど魔物つかいとして使うと言っていたが、君の場合はどちらも魔力が必要だからね。その子よりも体を鍛えないといけないんだね。」

「そうなんです。でもこの子と一緒にいられるので頑張れます。」


 魔力と体力は片方だけ鍛えるということができないから仕方がない。


「きゃん」

(僕も体力づくりお願いします。)

「ん?なんて?」

「この子も体力づくりがしたいそうです。」

「この子は意志が強いこなのかな?」

「はい。そう思います。あとなんでもやりたがりますし、とても頑張り屋さんです。」

「そうか。じゃあ、一緒に頑張ろうな。」

「きゃん」

(はい!)


「じゃあ、授業を始める。まずは君たちにあった剣の形選びだ。あちらに様々な剣がある。手に取って使いやすいものを選びなさい。」


 ザン先生が指す方法を見るとそこにはたくさんの形の剣があった。長いものや短いもの、大きいものや細いものなどいろいろな大きさや形だ。

 僕も近づいてみようとする。


「テン、危ないからダメ。」


 リアにそういわれたと思うと、ウェストポーチの中にしまわれてしまった。


 リアはまず重さから考えるらしい。持っていてバランスがとりやすいの中くらいの長さの細身の剣を選んでいた。アルを見ると、アルはリアと違って太くて長めの大剣を選んでいる。


「きゃん」

(魔物つかいの里の壁画にあった勇者みたい)

「たしかに。あれは男の子の憧れの剣だよね。わたしはあんなに使いにくい形の持ちたくないけど。」

「なんだよ。かっこいいだろ」


 リアの言葉を聞いてアルが拗ねるように言った。


「じゃあ、二人とも剣は決まったな。じゃあ、部屋を移動するのでその剣を持ってきなさい。」


「きゃん」

(僕のは?)

「え?テンの?すみません。使い魔用のはありますか?」

「使い魔用?爪剣というのがあるけれど、その子は小さすぎるんじゃないかな?」

「きゅん」

(小さいとだめなの?)

「小さいとだめですか?」

「そうだね。せめて大きさを変えられるようにならないと。」

「だって。」

「きゅん」

(ショック・・・)

「大きくなったらまたおいで。」

「きゃん」

(うん!)

「じゃあ、行くよ。」

「はい。」


 僕たちは部屋を移動した。




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