第25話
同室のモナとその使い魔のムムさんは、僕たちにお部屋の使い方を教えてくれるために訓練を抜けてきていたそうで、説明が終わると訓練へ戻っていった。
リアが荷物を片付けるのを見守ったあと、寮と訓練学校の探検に行く。
寮の一階には談話室があり、そこで学生たちと交流できるそうだ。今はみんな訓練中なのでがらんとしている。
いつくかのソファが置いてあり、ゲーム盤のようなものもある。
談話室には僕たちが入ってきた入り口とは違う方に入り口があり、そこから外に出られる。そこは女子寮専用のお庭だそうで、ここで自主練したり、のんびりくつろいだりするらしい。
リアにも友だちできるといいな。
リアの友だちらしい友だちを見たことない僕は思った。
アルはぼぼ家族だしね。
談話室の次はお風呂に見に行く。大浴場があるそうだ。僕も入っていいのかな。
「すみません。この子使い魔なんですが、大浴場は使ってもいいですか?」
リアがお風呂の掃除をしていた職員さんに聞いてくれた。
わくわく。はいれたらいいなあ。
「お嬢ちゃん、浄化魔法は使える?使えるなら浄化魔法をかけた後なら入ってもいいよ。」
「使えます!
テン、よかったね。一緒にお風呂入ろうね。」
「きゃん!」
うん!
やったー。どんなお風呂なのかな。
「中を見てもいいですか?」
「ああ。いいよ。」
「ありがとうございます!」
「きゃん!」
ありがとうございます!
大浴場に入ると石を組み合わせたお風呂だった。窓の外には露天風呂がある。
訓練学校いいところたなあ。
「わあ。豪華なお風呂。夜が楽しみだね!」
「きゃん!」
うん!楽しみ!
お風呂を見に行った後は食堂へ向かう。もうすぐお昼休みだ。訓練学校のみんなに紹介してもらえるらしい。
「リアさん、アルさんこちらへいらっしゃい。」
さっきお話しした人とは違い、キリッとした長身の女の人に呼ばれる。
食堂の座席には、午前中の訓練を終えた訓練生たちが席につこうとしていた。
「みなさん、お食事の前に紹介しますね。短期の入学ですが、この度みなさんのお仲間になりました、アルさんとリアさんです。色々教えてあげてくださいね。」
「はい!」
わあ。いいお返事。
みんな声を揃えて返事をしてくれた。
男の子がアルに合図をして、さっき会ったモナがリアに手を振っている。
リアと僕がモナの方に行くと、女の子たちがにこにこと出迎えてくれた。
優しい人たちばっかりみたいだ。よかった。
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