第24話

 朝、リアのお母さんがアルとリアに魔道具の髪ゴムを渡している。それで2人とも髪を結ぶと髪の色が黒へと変わった。


「2人とも、この髪ゴムを人前で外しちゃダメよ。」

「はーい。」


 リアのプラチナブランド?の髪好きなのになあ。

 毛皮の色を変えるなんて人間は面白いことをするなあ。と2人をながめていた。



 僕たちは全員で街の門の外を北へと向かい丘の上にある石造りの建物へと向かった。ここが初級訓練学校らしい。

 真ん中にある3階建て建物は食堂や職員の部屋など応接室や会議室や多目的室などがあり、左の塔が男子寮、右の塔が女子寮だ。リアと僕は女子寮、アルは男子寮で1か月暮らすことになる。


 建物に着くとまず応接室へ通された。学校長だという黒髪お髭のマッチョなおじさんが説明をしてくれる。


「朝、7時に食堂で朝食を食べて、8時から9時まで座学。9時から12時まで基礎訓練をして、12時過ぎから昼食だ。13時から14時までまた座学をして、そこから剣術の訓練だ。18時から夕食で、19時からミーティング。そして21時に就寝だ。週に1日は休みで家族のもとに帰ってもいい。」

「はい。」


「リアさんは、魔物つかいかい?」

「はい。」

「魔物つかいが訓練学校に通うことはよくあるので、使い魔と一緒に訓練してくれたらいい。剣術の訓練の時は使い魔には自由に過ごすように指示をしていてくれ。あと、使い魔の食事はどうしている?」

「いつもわたしが作っています。」

「そうか。君が時間を調整してご飯をあげることはできそうか?」

「はい。このスケジュールならできます。」

「そうか。ならそのようにしてくれ。」

「はい。」


「アルさんは男子寮、リアさんとその使い魔くんは女子寮へ行ってくれ。寮での生活についてはその寮担当の教員が説明をしてくれる。」

「はい。」


 説明は以上のようだ。

 僕はレンさんと、リアとアルはそれぞれの親と別れを惜しみ寮へと向かった。




 リアと僕の案内された部屋にはルームメイトがいた。リアより少し年上の魔物つかいみたいだ。リアとリアのお父さん以外の魔物つかいと使い魔に関わるのは初めてだ。仲良くなれるといいな。


「はじめまして。わたしはモナよ。あなた魔物つかい?わたしも魔物つかいなの。家族以外の魔物つかいとお話しするのは初めてだから嬉しいわ。」

「はじめまして。リアです。わたしもお父さん以外の魔物つかいとお話しするのはじめてなので嬉しいです。仲良くしてください。」



「にゃうん」

(はじめまして、ムムよ。炎彪なの。あなたは?)

「きゃん」

(はじめまして、テンだよ。雷風狼だよ。よろしくね!)


 彪の使い魔とは暮らしている地域が違ったので初めて会う。仲良くなれるといいな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る