第22話
目が覚めると朝だった。
まだまだ体力がないなあ。どうしたら体力がつくんだろう。
「あ、テン起きた?朝ごはんだよ。」
「きゃん」
リアが朝ごはんを用意してくれた。とりあえずたくさん食べて大きくなろう!
ミルクをたくさん飲む。
「テン、いっぱい飲むねー。おかわりいる?」
「きゃん!」
いる!
リアがおかわりを作ってくれる。ガツガツと飲むとお腹が重くなった。
うっ、動けない。
お腹が重くなりすぎて座り込まないように後ろ足で踏ん張っている。
「テン、食べすぎ?」
「きゅう」
リアに笑ながら抱っこされた。
かっこ悪いなあ。
馬車が出発した。しばらくすると、体が軽くなり動けるようになったので、風魔法の練習をする。やっぱり風は使いやすい。馬車を少し押してお馬さんたちの負担を軽くしよう。
「テン、その魔法を使いながら走りましょう。」
「はい!」
レンさんが誘ってくれたので、馬車の外に出て走る。走りながら魔法を使うのが初めてなのでたまに風魔法が弱くなってしまう。そうするとお馬さんが大変そうだ。なかなか難しい。
お馬さんごめんね。
できるだけずっと均等に魔法を使い続けていられるように気を配り、レンさんと一緒に体も動かした。
そろそろお昼ご飯の場所につきそうだ。
お昼もたくさんミルクを飲む。はやく固形物も食べれるようになりたいな。そうすればはやく大きくなれる気がするんだ。
食休みがすんだら、ジャンプの練習をする。背の高い草を見つけて飛び越える。今回は風魔法を使わずに跳ぶ。体を鍛えると魔力も増えるので運動も大切だ。
ちょっと疲れたなってころ、また出発になった。
「テン、おいで。」
「きゃん!」
リアに呼ばれて、駆けつける。抱っこされて肉球を触られる。さっき運動していたから荒れてないか気になったみたいだ。リアはポーチから軟膏を取り出して僕の肉球に塗り出した。
ちょっとくすぐったいよ。
馬車がまたゴロゴロと出発する。
剣士の里までまだ少しかかる。毎日鍛えて剣士の里での訓練にもちゃんと参加できるようにしなきゃ。
今はリアに抱っこされていて毛をもふもふしされているけど、僕はもっと強くなって、大きくなってリアのことを運んであげるんだと心に誓った。
「頑張って大きくなるぞー!」
「…大きく、なれるといいわね。」
レンさん!今小声で言ったけど聞こえてますよ!
大きくなれるよね?
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