魔法学園都市
第12話
今日は、魔法使いの里の近くの街の学園都市に泊まる。名前の通りここには魔法使いの子供たちが通う上級学校があるらしい。
街の鉄でできた大きな門を入る。ここは観光地としても有名な場所らしい。一番奥に屋根の尖がった大きな建物があってその横には尖がった塔がついている。
「あれ、お母さんの出身校なんだって。」
「きゃん」
そうなんだ。
「明日見に行こうね!」
「きゃん!」
楽しみ!
リアのお母さんが魔法使いギルドに行くというので、リアとついていく。他のみんなは宿に向かった。僕は建物の中に入るのでリアのウェストポーチの中に入る。
「いらっしゃいませ。」
黒や紺の色の服を着た店員さんが出迎えてくれた。
「魔道具の買取をお願いしたいのですが。」
と言いながら、腕のバングルを受付のお姉さんに見せる。バングルは二本ついている。
「こちらへどうぞ。」
個室に案内されてついていく。個室のソファで待っていると、さっきの店員さんより年上のおじいさんが出てきた。
「アンナさま。お久しぶりです。査定いたしますので少々お待ちください。」
お母さんには紅茶、リアにはオレンジジュースが出される。リアは暇なのか、僕をずるっとウェストポーチから取り出した。毛皮をふわふわしてくる。肉球でリアの手をマッサージする。えいっ。とても嬉しそうだ。
「合計でこちらとなりますがよろしいでしょうか?」
「ええ。それでいいわ。」
「いつもありがとうございます。」
「また、よろしくお願いね。」
商談は終わったみたいだ。
「アンナさま、これからどうされるので?」
「もう少し旅をしたら、どこかに住もうと思うわ。」
「学園が民俗学と魔道具学の教授を募集されてますよ。」
「そうなの?いい情報をありがとう。」
ギルドを後にする。
「お母さん、教授になるの?」
「うーん。そうね。楽しそうだからそのうちしようかしら。」
「なんかすごいね。」
「そう?好きなことをするだけよ。」
「そうなんだ。」
僕たちは宿に向かった。宿の近くに来ると、さっきの大きな建物がもっと近くに見える。
大きいなあ。あれが学校かな。リアもいつか行くのかな?
宿の受付に行くと、コテージの番号を教えられたので向かう。
ごはんの用意ができているみたいでいい匂いがする。
「ただいま」
「おかえり。どうだった?」
リアのお父さんが迎えてくれる。
「いつも通りよ。」
リアのお母さんが肩をすくめた。
「あ!テンのご飯作らなきゃ!」
「きゃん!」
リアが元気に台所へ向かうのでついていく。
「テン、おかえり」
「レンさん、ただいま」
台所では、レンさんが出迎えてくれた。レンさんの尻尾をピンと横に伸ばしてくれるのでそれを目安にジャンプする練習をする。
「テン」
「レン」
「ご飯だよ。」
リアとリアのお父さんの呼ぶ声がする。
ご飯♪ご飯♪
僕はリアの方に走り寄った。
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