第9話
今日は、アルの洗礼だそうだ。アルとアルのお父さんは朝から出かけて行った。
僕はリアと訓練だ。
魔力は体力と一緒だ。体を鍛えれば鍛えるほど魔力も多くなる。魔法の種類によっては洗礼を受けたり習ったりしないと使えないけど。
ランニングした後、リアのお母さんに軽く軽くダメージが入らないぐらいの攻撃魔法をかけてもらう。それが一番手っ取り早く魔法を習得する方法だからだ。
「じゃあ風ね。」
ふわっとした風から僕が何歩か下がってしまう風まで、強めたり弱めたりと魔法をかけてくれる。
「じゃあ今からこの強さから変えないから押し返しなさい。」
「きゃん!」
はい!
僕は体に力を入れる。この、目の前に感じる風を逆方向にするのだ。
押せているのかな。
ぐぐぐぐぐ
と力を込める。風の圧力が少し弱まってきている気がする。
「いいわ。できてるから。その調子。」
「きゃん!」
はい!
「ここまで!」
風の圧力がなくなった。僕は少し前につんのめる。
「さすがね。習得早いじゃない。でも、まだあんまり無理しちゃダメよ。」
「きゃん。」
僕はふわっと風を動かせるようになった。
リアは剣の素振りをしたようだ。僕が強くなったら剣を使わなくていいように守ってあげるからね!
休憩がてら、体に電流を流してもらう。雷魔法を応用してマッサージに使っているらしい。こんな使い方があるんだな。
ビリビリビリビリ
なんか気持ちいいかも。
次はリアと連携の練習だ。
まだまだ出会って時間が経ってないので、ボール遊びだ。
リアが投げてくれたボールをキャッチする。それを風魔法をちょっと使って投げ返すのだ。
「テン!」
「きゃん!」
「テン!」
「きゃん!」
楽しい!!尻尾がぶんぶん揺れてしまう。やっぱり僕たちはベストパートナーだと思う。
また少し休憩すると、今度はリアは猛ダッシュだ。魔物つかいのリアは早く走れないといけないらしい。
僕はランニングだ。レンさんが付き添ってくれる。
「僕が乗せてあげるのに。」
「急いでるときは、一緒に走って飛び乗るのよ。あと、あなたが大きくなるまでまだかかるでしょ。」
「きゅん」
早く大きくならなきゃ…
「でも、雷狼は普段は小さい種族でしょ?」
ハッ!
「僕もしかしてあんまり大きくなれない?」
「どうかしら?見かけはお母さん似よね。」
「うん。」
「魔法で大きくなる練習しましょうか。」
「うん!ありがとう!レンさん!」
「そのためにはいっぱい食べていっぱい体力つけるのよ。」
「うん!頑張る!」
やる気出たぞ!魔法で大きくなる練習をしたら、体が小さくてもなんとかなる!
頑張るぞー!
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