第4話君と俺

今日もこの暑い中自転車にのり横断歩道で青になるのを待っている、今日は昨日より暑くて干からびそうだ。青になりペダルを強くこぐ、学校に着きスリッパを履き早足で3階にある教室まで向かう、少し息切れしながら教室を覗くと彼がいた迷わず声をかけた「おはよう」と挨拶をすると彼はこちらに振り向き自分と同じように挨拶をしてくれた「おはよう」彼は昨日と変わらず悲しい目をしていた。彼は自分のスリッパを見て「君は2年生なんだね」と言った。「そうです、そしてここの席が俺の席なんです」と窓側の彼がたっていた場所の席を指さす。すると彼は少し驚いたあと考えながらこちらを向き笑顔でこう言った「ねぇ君知ってる?」「え?」続け彼は話し始めた「この学校にはね、ある話があってね昔昔この土地に村があってねその村では五年に一度あることが行われていたそれはなんだと思う?」俺はよく分からなかった「さぁ、よく分かりません、なんかの祝い事ですか?」

と答えると彼はクスッと笑いまた話し始めた「確かに祝い事と言えば祝い事だね、でもねそんないいもんじゃないんだ、その村では五年に一度ちょうど高校生ぐらいの男子を生贄にしていたんだ、しかもそのやり方が酷くてね聞くかい?」と言ってきた、ただでさえ生贄という言葉が出てきて少しあれだったのにその内容まで聞くとなると考えるだけで具合悪くなってしまう。また彼はクスッと笑い「すまない、少し意地悪をしてしまった、でもさっき話した事はほんとにあった事なんだそしてそれは今も続いている」俺はその最後の言葉を聞きゾッとした「な、なんで?なんで今も続いているんだ?しかもここは学校だぞ、今の時代どうやって生贄なんか、、、」と言いかけたとき俺はあることを思い出した、この学校には有名な神隠しがあるとよく友達が言っていたそしてそれは決まって五年に一度、でもそんなのただの噂に過ぎないと俺は思っていた。「どう?なにか思い出したみたいだね、ねぇ君今日補習でしょ?」「え、うん」「じゃさ、終わったあとあのベンチにまた来てよ、君に見せたいものがあるんだ」と言われ俺はすんなりOKした「わかった」一体何を見せてくれるんだろう、なぜその村は生贄なんかしていたのだろうか、生贄にされる男子はどんな気持ちだったのだろうか、そして俺は勘でわかったその五年に一度生贄は今年なんだと。君はなぜその事にあんなに詳しんだ?

もしかしたら君なのか?次の生贄は。

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