第563話 初めての女子会(?)
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これも応援して下さっている皆様方のおかげです!心からの感謝とお礼を捧げさせて頂きます。本当に有難う御座いました!!
これからも更新頑張ります!!
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そうして私がアシュル様からの『お願い』事をやり終えた後、クライヴ兄様達は全員、ドナドナされていったのであった。ついでにワーズも、バッシュ公爵家の
「……アシュル殿下、珍しく荒んでいたわね……。私の採寸にも眉一つ動かす事なく、余裕綽々とされていたあのお方が……。あれは落ち着いたら、ハイエッタ侯爵家真面目にぶっ潰されるんじゃないかしら?」
それを見送った後、珍しく空気を読み、存在を消していたジョナネェがボソリと呟いた。
『アシュル様……』
確かにいつもだったら、なんだかんだ言ってお茶の一杯ぐらいは飲んでいくのに。ジョナネェの言う通り、本当に余裕がないんだな。
「……ん?」
って、ちょっと待って!?サラッと聞き流していたけど、ジョナネェ!まさかアシュル様にもセクハラ採寸していたの!?貴方も真面目に潰されるんじゃないですか!?……いえ、どこがとかは申しませんが……。
「ふふ……。身の程知らずにも、私の可愛いエレノアに絡んでは嫌がらせをするような輩の家門など、断絶したところで問題ないのでは?」
うわぉ!パト姉様!麗しいご尊顔が黒い微笑に染められていますよ!?
し、心配してくださるのは嬉しいんだけど、いつもがおっとり優しい雰囲気を醸し出しているだけに、怒った時の迫力が凄い!流石はメイデン母様が『私の後継者よ!』と豪語しているだけの事はある!(本人はやんわりとお断りしているみたいだけどね)
「パトリック、あいつらが没落しようが修道院行きになろうが、それはどうでもいいのよ。でも、治める領地がある貴族家が潰れるとなると、馬鹿を見るのは領民でしょう?だから多分、子爵あたりに降格……ってのが、妥当な線なんじゃないかしらね」
「こ、侯爵家が子爵家までランクダウン!?……いえ、没落よりはマシだとは思うけど、そうなってくるとあのハイエッタ侯爵令嬢、流石に他国の王子妃にはなれないのでは……!?」
「ああ、それは大丈夫よ。あんな不良物件、この国にいつまでも居座られたら迷惑だから、あちらに押し付けてから降格するに決まっているわ!」
私の疑問に、あっけらかんとそう答えるマリア母様。……仮にも侯爵令嬢を不良物件呼ばわりですか。
「ま、その件に関しては今はどうでもいいのよ!エレノア、あんたが今すべきことは夜会に向け、このジョナサンと協力して、最高のドレスを作りあげる事よ!そして
「えっ!?」
今までの流れを完全にぶっちぎった母様は、唐突に私を指差し、ビシッと言い放った。
「か、完全武装?敵を迎え撃つって、なんですかそれ!?」
というか母様、本音と建前が逆になっています!!
「エレノア、あんたは
えぇっ!?夜会って、概ねああいったものではなかったんですか!?
「いいこと!?女にとって、夜会とはまさに戦場!!いかに効率よく自分の敵を排除し、狙った
……はい?……え!?それって夜会というより武闘大会……では?
戸惑う私を置き去りに、マリア母様の語りは更に熱さを増していく。
「ゆえに!夜会には、『強い婚約者(と恋人)』『
「……は……はあ……」
私もオタクの端くれとして、貴族社会についての知識はある程度知っているつもりだったんだけど……。でも、今マリア母様から聞いた社交界って、お貴族様の陰謀渦巻くドロドロした世界……というより、真面目に野生の王国な気がする。
チラリとジョナネェとパト姉様の方を見てみると、二人共「うんうん」といったように頷いている。……ほ、本当なんですね!?というか、アルバ王国あるある!?
「エレノア!特にあんたは、ただでさえ『姫騎士』として注目の的なのに加え、『王家直系全員の想い人』という、世の女全てが羨み妬む立ち位置にいるの。いい!?そこら辺をきちんと自覚しなさい!更に今回の夜会は、『王家直系の公妃』になるかもしれない、『正当な聖女』という、厄介極まるオマケ付きなのよ!?あんたの敵対勢力は、必ずそこを突いてくるわ!!」
「そうよ、エレノアちゃん!多分……いや絶対、例のハイエッタ侯爵家のメス猿共が中心となって、えげつない攻撃を仕掛けてくる筈よ!……そうねぇ……。『王家を誑かす姫騎士気取りの女』って言って、『公妃予定(笑)の聖女ちゃん』と比較して貶めるぐらいは平気でするでしょうね!!」
マリア母様とジョナネェが、ズズイッと身を乗り出しながら捲し立ててくる。その迫力にタジタジになる私を見て、二人は揃って溜息をついた。
「……駄目だわこの子。このぐらいで挙動不審になっているわよ。これは一晩かけて、貴族令嬢としての心得を叩き込んであげなくちゃならないわね!!」
「そうね~!いい機会だから、女としての心得もビシバシ叩き込んであ・げ・る♡あ、ついでに夜会のドレスの採寸と、デザインの打ち合わせも一緒にやっちゃいましょう!」
「あら~!いいじゃない!!私、デビュタントの時のドレスに関われなくて凄く悔しい思いをしたから、今回はしっかり参加させてもらうわよ!!あー!楽しみ!!」
「そうねー!今から腕が鳴るわ~!!」
えっ!?き、貴族令嬢としての心得!?というか、女の心得をなんでジョナネェに叩き込まれなくてはならないんですか!?……ってか母様!ジョナネェとキャッキャウフフしてますけど、貴女妊婦じゃないんですか!?夜更かしなんて言語道断!お腹の子供に障ります!!
「……母上、そしてジョナサン。それは……」
パト姉様!!流石は我らが頼れる長姉!そうです、言ってあげてください!
「いわゆる、『女子会』というやつですね?ふふ……。ならば私も、是非とも参加させて頂きましょう」
え!?パト姉様、まさかの参戦予告!?しかも、ノリノリ!?
「エレノア曰く、『女子会』の正装は夜着だそうですから、これは気合を入れなくては……。そうだ!ちょうどジョナサンが作ってくれた新作がありましたね!」
パト姉様、それ『パジャマパーティー』です!混同しています!!
「あ、あの……パト姉様?」
「エレノア、君の分もお揃いであるから、一緒に着ようね?」
パト姉様とお揃い……。そ、それはちょっと嬉しいかも……。
「あっら~!じゃあ、私もとっておきの勝負服があるから、それ着るわ!!」
ち、ちょっと待ってください母様!妊婦が勝負服の夜着着てどうするんですか!?
「ちょっとー!そんな事言われちゃったら、こんな野暮な格好で『女子会』に参加する訳にはいかないじゃない!待ってて!今から工房に戻って、私の分の勝負服も持ってくるから!!」
既に恐ろしい予感しかしないから、持ってこんでいい!!というか、『女子会』の定義からどんどんズレていってるんですけど!?しかもだ!そもそも『女子会』に勝負服はいらん!!
「まさか、母様と可愛い妹と一緒に『女子会』が出来る日がくるとは思わなかった。凄く嬉しいよエレノア。ふふ……目一杯楽しもうね?」
「~~!!…………はい……」
はにかみ笑顔のパト姉様が尊い……。
今更『女子会とは!』って訂正し辛いし……。まあ、参加するのは
その後、「ズルいわ!!私だって『女子会』やりたいー!!」と、急遽アリアさんが参加し、なんちゃって女子会が夜通し開催される事になった(よく、国王陛下方が許可出しましたね!?)。
その際、私の夜会用のドレスのデザインについての白熱した議論に加え、赤裸々な男女間(+男男間)のぶっちゃけ話が繰り広げられ、女子会もどきは大いに盛り上がったのであった。因みに、母様達の勝負服は……ノーコメントとさせて頂きます。
……って、あれ?貴族令嬢としての心得は?
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ドアの前にいる、アリアさん専属の護衛騎士達による会話。
「今夜は女性だけの語らいをされるらしい」
「……ちょっと待ってくれ!女性だけって、内二人は第三勢力……」
「しっ!!」
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